日本のBCNは毎年BCNアワードを発表している。これは各カテゴリーにおいて日本国内で1年間に最も売れたメーカーに与えられる賞。2018年のアワード(2017年1月~12月)は、キヤノンが一眼レフとレンズ一体型カメラ部門で首位を獲得した。ミラーレス一眼分野では首位はオリンパス、2位はキヤノン、3位はソニーだった。
BCNアワードは、株式会社BCNが年間の実販売データに基づき、各カテゴリーにおいて1年間で最も売れたメーカーに与える賞だ。下は同社Webサイトでの説明。
「BCN AWARD」は、全国の量販店のPOSデータを日次で収集・集計した「BCNランキング」に基づき、パソコン関連・デジタル家電関連製品の年間(1月~12月)販売台数第1位のベンダーの功績を讃える賞です。
これらの賞は、デジタルカメラやレンズなど、電子製品に関する日本の市場状況の指標と見ることができ、我々にとっても非常に興味のあるものだ。
2018年のBCNアワード
今年、キヤノンは 「デジタルカメラ(デジタル一眼レフカメラ)」と「デジタルカメラ(DSLR)」の2つのカテゴリーで首位を獲得した。 同社はDSLRのカテゴリーでは、実に61.1%のマーケットシェアを取っている。ニコンは34.4%で2位にランクされているが、水をあけられた感がある。
しかし、本当に興味深いのは、「デジタルカメラ(ミラーレス)」カテゴリーだ。キヤノンはソニーを0.9%上回り、2位にランクされているが、首位は27.7%を取ったオリンパスだ。
地域により異なるシェア
ただし、これらの数字は日本の話だ。欧州や米国では、結果はかなり異なっている。 「デジタルカメラ(レンズ一体型)」で3位にランクインしているカシオなどのメーカーは、欧州や米国市場では存在していない。逆に、米国ではメジャーな存在である富士フイルムは、日本でのランキング上位には表れていない。
もう1つの興味深いカテゴリーは、「交換レンズ」部門で、ここでもキヤノンが首位だ。またシグマも躍進している。しかし驚くべきことにニコンが上位3位に入っていない。キヤノンのシェアは、昨年の24%から今年の21.9%に低下し、シグマのシェアは14.3%から16.2%に上昇している。そして昨年12.5%で3位だったニコンは、今年13.7%のタムロンに取って代わられた。
もちろん、これらの数字は、欧州や米国などの他のマーケットと単純に同一視することはできない。しかし、キヤノンがハイエンドのミラーレスカメラを持っていないにもかかわらず、ミラーレス部門で首位だったのは面白い現象だ。また、同社のフルサイズのDSLRのラインナップは市場シェアの点で群を抜いているが、次の展開はどうなるだろうか。恐らく購入者の多くは写真用カメラとしてそれを購入していると考えられる。即ち、ビデオ機能はマーケットシェアに大きく影響を及ぼしていないと考えられるのだ。
BCNアワードのWebサイトはこちら。