Chroszielは、業界最高レベルのプロ用カメラ・レンズテスト機器を設計、製造している。滅多に話題になることはないが、放送局や映画撮影のプロたちは必ず耳を傾ける。約半世紀の歴史を持つこの会社は、ユニバーサル・ズーム・サーボのChrosziel Zoomerの導入により、ズーム・ワークフローに異なる考え方をもたらした。
Chrosziel社は、ツァイス、フジノン、アンジェニューのレンズ用に作られたCDMズームサーボドライブで大きな成功を収めている。Zoomerはこの成功を基に、15mmのロッド接続ですべてのレンズにモーターライズドズーム機能を提供する。それが市場に出回っている最新のレンズであろうとビンテージズームであろうと、問題ない。Chrosziel Zoomerは、一見するとワイヤレスのフォローフォーカスシステムと見間違いそうだ。しかし、このユニットには、それ以上の特徴がある。
ズーマーとは?
Chrosziel Zoomerは、ジェネレーションZの愛称で親しまれているだけあって、その目的に沿った機能を備えた、よくできたユニットだ。5ピンのLemoコネクターで駆動し、10~30ボルトの電圧に対応し、0.5Nmのトルクを提供する。2.5mmソケットからは制御コマンドを入力でき、3.5mmソケットからは制御コマンドを入力・出力できる。その他の入力は、ファームウェアのアップデートに使用するUSBポートのみ。Chroszielは、ソニーFXシリーズに搭載されているカメラ固有の制御プロトコルに加え、よく知られているLANCプロトコルもネイティブサポートしている。
これらの制御プロトコルを使用することで、ZoomerはソニーFXシリーズのハンドルやLANC対応のハンドルと統合することができる。ズームレバーを使ってズームをコントロールし、ハンドルはカメラオペレーターをしっかりとサポートする。これにより、Chroszielは放送局やドキュメンタリーの撮影技術を通常のカメラマンに提供する。
最後に、Zoomerの電源には逆極性保護機能があり、D-Tapケーブルを間違って差し込んだときに電子機器が故障するのを防ぐ。また、サーボのLANCソケットは光学的にデカップリングされている。これは、カメラへの不要な電圧遷移から信号ラインを保護するためのもの。
その他の機能
電源を入れると、自動的にキャリブレーションが行われる。これにより、驚異的なズーム精度を実現し、レンズの機械部品を保護することができる。また、間違った方向にズームしてしまうニコンユーザーのために、ズーマーを逆に置くことで方向を反転させることができる。使える撮影モードは5つ。
- EB/ドキュメンタリーモード。ゆっくりとしたズームと速い焦点距離の調整が可能で、ドキュメンタリー撮影に最適。機械的に与えられたズーム範囲の終わりには自動的にズームの動きが遅くなり、動きが止まったように見えるのが特徴。
- サイレントモード。ズームロッカーの反応を低域に広げ、連続してゆっくりとしたズーム動作を可能にする。最大ズーム速度は低下する。
- ライブ/ハンドカットモード。イメージアングルが固定されている場合に、素早く焦点距離を調整することができる。
- ダイレクト/ローモード。ズームロッカーの操作を、プログラムを介さずにデジタルモーターに直接伝えることができる。
- フォトモード:機械式ズームリングの不均一な剛性を緩和し、高い最低速度を適用することで、マニュアルフォトズームの使用をサポートする。
各撮影モードは、ズームレバースイッチをTELE端の位置で10秒間押すことで選択できる。各モードへの移行は、サーボハウジングのLEDで確認できる。電源投入時には、最後に選択したモードからスタートする。
必要性
Chrosziel Zoomerは、その普遍的な性質とは裏腹に、非常に特殊なキットだ。1つのことしかできないが、それがよくできている。そのため、価格もそれに見合ったものになっており、1,750ユーロもする。Tilta社のNucleus-Nanoモーターなら数分の一の価格で手に入れることができる。しかしそれでも、おそらくChrosziel Zoomerは必要な場合がある。
Chrosziel Zoomer Universal Zoom Servoは、現在Chrosziel社のウェブサイトから購入できる。