レンズの選択に迷ったことは多々あるだろう。ヴィンテージレンズか、最新鋭の切れ味の良いレンズか、あるいは一般用のレンズかプロ用のシネレンズか?二つのグループが広範囲にわたるレンズの比較プロジェクトを行っているので紹介しよう。
レンズの選択で作品が決まる
映像制作では、いろいろな選択をしなければならない。実際のところ、今ある機材や資源を効率よく使用する方が、新たに高いコストをかけて最新鋭の機材を使うより重要だ。既にいろいろな機材があるだろうし、それを使いこなせばよいのである。
さて、どのカメラとどのレンズを組み合わせればよいか、考えてみよう。皆がテストするだけの多くのカメラやレンズを持っているわけではないので、そう簡単にはできないのだが、ありがたいことに、多くのレンズをテストした2つのグループがあるので紹介しよう。
シネレンズテスト
まず最初は、ドイツの映画作家や映像制作者たちが作ったCine Lens Testで、自前でプレーヤーなどの機能を持つWebサイトを立ち上げている。レンズのブランド、焦点距離、明るさなどを選択できる。サイトはまだベータ版だがそれでもかなり有用だ。
比較を分かりやすくするため、ハイキーとローキーの設定ができるようになっている。カメラとレンズを選択するだけで、様々なシーンを再現することができる。多くのシーンはRED Epic Dragon、ARRI Alexa Mini、そしてCanon C300 Mark IIで撮られている。
ヴィンテージシネマレンズライブラリー
もう一つは、(レンタルハウスの)ShareGridの(オーナーの一人である)Brent Barbano と、(シネマレンズ販売会社会社である)Duclos Lenses のオーナーMatthew Duclos をはじめとするLAの映画製作者、監督、DPのグループが立ち上げた、Vintage Cinema Lens Libraryという膨大なデータベースである。名前の通り、これはヴィンテージレンズが主になっているが、比較のため、最新のツァイスやArriのレンズも使われている。選択したレンズの映像を並べて比較できるし、ボケのチャートやスペックの比較もできる。
まとめ
これらを見ていると、レンズの型番や価格だけでなく、その内面、例えばボケやフレアというようなところの違いもよく分かる。これら二つのグループの実績は実に膨大な資産であり、これらのグループやそれに携わったメンバーに感謝の意を表したい。これらを作るにあたっては、大変な苦労があったと察する。
興味があれば、こちらも参考にして欲しい。: In-Depth Lens Tests – Interview with DP Volodymyr Ivanov 、 Thomas Fletcher’s 2016 Lens Comparison Chart。
sources: cinelenstest.com / Vintage Cinema Lens Library