DJIはMavic Proの小型軽量バージョンMavic Airを発表した。従来のMavic Proと同じ折りたたみ式のデザインが特徴で、同等以上の画質を持つ。
数日前から多くのWebサイトでMavic Airの画像が掲載されていたがMavic AirがMavic Proの後継機になるかどうかは不明だった。 答えは共存だ。 Mavic AirはMavicシリーズの一つとして新たに追加されたものだ。
DJI Mavic ProとDJI Mavic Air
DJIが素晴らしいのは、従来の製品を意識することなく新しい製品を開発、投入してくることだ。Mavic Airのような安価で新しい製品にも、最新の機能を搭載してくる。たとえそれよりも高価な従来のMavic Proがその機能を持っていなくとも、だ。これはMavic Proのユーザーをがっかりさせるかもしれない。 しかし、急速に発展している業界で競争力を保つためには、おそらく正しいことだろう。
共通点
Mavic Airは折りたたみできるプロペラを持ち、全体的なデザインも見た目はMavic Proとよく似ている。しかし、折りたたまれたときには更に小さく、スマートフォン程度の大きさになる。
300g軽量に、そして小さくなった機体
Mavic Airは430gでMavic Proより約300g軽くなっている。実に半分になっているのだ。また、ローターアームがMavic Proほど長くないことも分かる。これは、「アクティブドローン」全体でサイズが小型化傾向にあり、その流れに対応している。これにより、Mavic Airでは画質を犠牲にすることなくSparkの操作性を更に向上させていることを意味している。(DJIの関係者によると、Mavic Airの画質はMavic Proと同等とのこと )。
21分の飛行時間
Mavic AirのバッテリーはMavic Proと比較してわずかに小さく、飛行時間は6分短い。即ちMavic Proは約27分、Mavic Airは約21分の飛行が可能だ。 Mavic Proを使っていると、ほとんどの場合バッテリーが無くなる前に全ての撮影を終えていることから考えると、自分の場合は21分の飛行時間であれば特に問題ないだろう。
より広角になり、画質は同等以上
Mavic ProとMavic Airは同じ1 / 2.3インチセンサーを搭載しているように見えるが、Proはフルフレーム換算で35mm なのに対し、Mavic Airは同24mmと更に広角になっている。また、新しい3軸機械式ジンバルはダンパーから吊り下げられており、より安定したショットが可能だ。
ただ、この広角な映像は趣味で使うのなら良いかもしれないが、プロ用途では「広すぎる」感じがする。その理由は周辺での歪が目立ち、被写体を適切にフレームミングするのが難しいからだ。一方、広角では被写体の近くで飛ぶことができれば視差や前景/背景の動きをより適切に表現することができる。これは、小さなドローンでは有利だ。
新しい3軸ジンバルは、安定した飛行を可能にし、カメラはHDRに対応している。今後詳しくテストしてみたい。
100Mbpsの高ビットレート
DJIによると、Mavic Airは100 Mbpsのビットレートで記録し、「DJIの民生用ドローンでは最高品質のビデオ」とのこと。ちなみにMavic Proは60 Mbpsだ。
ただ、映像ファイルは巨大になる可能性がある。Mavic Proを使って最大の問題は、画質は素晴らしのだが、圧縮でそれが損なわれているということだ。圧縮後、ハイライトはまったく保持されておらず、非常に強い圧縮のためロングモードでは使用できないほどだ。
従って100Mbpsとなれば40%データ量が増え、大きな違いが生じる可能性がある。DJIのプレスイベントで簡単なビデオを制作するので、これを確かめてみたい。
1080pで120fpsのスローモーション
Mavic Airは、1080pの解像度で120fpsの高速撮影ができ、滑らかなスローモーションが可能。Mavic Proは1080pで96fps、720pで120fpsが限界だったはずだ。ただし、DJIの製品では、より高いフレームレートのダウンサンプリングが必ずしも美しいとは限らないことに注意する必要がある。これもDJIのイベントでテストしてみたい。
8GBの内部記録容量
Mavic Proでは時々Micro SDカードを挿入するのを忘れることがあった。この対策かもしれないが、Mavic Airでは本体に8GBの内蔵ストレージを搭載している。また、同時にmicro SDカードスロットも用意されている。新たに追加されたUSB-Cポートを介して内蔵メモリの映像をオフロードできる。万一micro SDカードを入れ忘れて飛行を始めても、とりあえず収録することができる。
新しいイメージモード -スフィアパノラマ機能
新しくスフィアパノラマ機能が搭載された。これは1分間に25枚の写真を撮影し自動的に繋ぎ合わせることができ、32メガピクセルのパノラマ画像が作れるというもの。水平、180度、垂直パノラマがサポートされている。下はその画像の一例。
クイックショットインテリジェントビデオモード
Mavic Proでもインテリジェントモードがある。例えば、被写体の周りを旋回して撮影するサークルモードなどのように、マニュアルで操作すると高度なスキルが必要なショットを自動でやってくれる。Mavic Airでは新しいモードが追加された。アステロイド(小惑星)とブーメランだ。 DJIの説明では「アステロイドは地上の被写体に向かってズームしながら球状の画像を撮ることができ、ブーメランは楕円形の飛行経路で被写体を撮影し、開始点でビデオ撮影を終了する。これもプレスイベントで試してみよう。
改善されたアクティブトラック
ActiveTrackモードでは、最大16個の被写体を自動的に感知することができ、被写体が移動しても自動的に追尾することができる。
スマートキャプチャー
スマートキャプチャーはジェスチャーでドローンをコントロールする機能で、もともとローエンドのSparkで導入されたがMavic Airもこれをサポートしている。たとえば、リモコンを使用せずに、ドローンを起動、追尾撮影、写真撮影、そして着陸まで行うことができる。これはプロの撮影で使うものではないが、良いアイデアだ。アイスランドでのSparkレビューではあまりうまくいってなかったようだが、今後に期待したい。
飛行の安全性
DJIによれば、センサー技術が進歩し、これまでよりも優れた障害物回避と地形認識が可能になったとしている。また、“Advanced Pilot Assistance Systems”の導入により、自動的に障害物を回避してパイロットの操縦をアシストすることもできる。
リモート機能
Mavic Air RemoteはMavic Proと似ているがMavic Pro Remoteには付いているLCDディスプレイは省略されている。しかし、高速飛行ができるスポーツモードスイッチをはじめ、同じ機能はサポートされている。持ち運び時はコントロールスティックを取り外してリモコン本体に収納することができる。
カラーバリエーション
Mavic AirはOnyx Black、Arctic White、Flame Redの3種類の色を選択できる。
価格と発売時期
Mavic Airは1月28日に出荷開始予定で、予約注文ができる。価格は本体の他、バッテリー1個、コントローラー、キャリングケース、4組のプロペラガードと2組のプロペラを含み104,000円(税込)。 Mavic pro同様、”Fly More Combo“も用意されており、これには本体の他、3個のバッテリー、6組のプロペラ、バッテリーアダプターとバッテリー充電ハブが含まれ129,000円(税込)となっている。
DJIのWebサイトはこちら。