DJI Mavic Air vs Mavic Pro ➖ 画質比較
今年初め、モナコでMavic Airのハンズオンを行ったが、今回はMavic Airと上位機種のMavic Proの画質を比較してみたい。それぞれ同じ場面を撮影して画質を比較してみよう。
Mavic Airの画質
新技術を搭載された新製品は、従来の上位機種よりも優れている場合が多い。Mavic Airの場合もその傾向にあり、今年初めに開催されたモナコでの同社のプレスイベントでMavic Airを見たときもそのように感じた。(こちらのビデオ参照) Mavic Airに限らず、これは多くのメーカーにとって悩ましい問題だ。機能を省いて下位機種に位置付けているが、本質的な部分では従来機種を凌駕している場合が多い。
Mavic Proの弱点は圧縮技術
Mavic ProはDJIの最初のコンパクトドローンだった。小さなサイズで、空撮を完全に個人レベルにした功績は大きい。しかし、60Mbpsで4K UHDを記録しており、現在のレベルでは十分でない圧縮技術と言える。現在では、例えばソニーのα7シリーズやFS5では、100Mbps で4K UHDを記録する。H.265のような新しい圧縮技術なら話は別だが、H.264ではビットレートを半分にすることは妥協を意味する。
低圧縮のコーデックを採用したMavic Air
Mavic Airは異なるユーザー層をターゲットにしており、既存のMavic Proに影響しないところで発売された、より新しく、より安価な製品だ。本当にポケットに収まってしまうほど小さく、どこにでも持って行くことができるドローンで、好評を得ている。 しかしDJIは、Mavic Airの映像がMavic Proよりも優れていることには触れていない。画質の違いは100Mbpsで記録しているところにあり、Mavic Proの映像と並べて見ると、明らかにその違いが分かる。さらに、Mavic Airには、障害回避、後方センサー、1080pで120fps記録、内蔵の8GBメモリなど、多くの優れた技術が備わっているのも見逃せない。
しかし、使用するワイヤレス画像伝送技術と、特にその到達範囲に関しては、Mavic Pro のほうが優れている。Mavic Proで使用されているOcuSyncは、Mavic Airで使用されているExtended Wifiよりも明らかに優れているのだ。 OcuSyncは拡張Wi-Fi(3.86 kmの到達範囲)と比較して、最大5.5 kmの到達範囲を持つ。更に、Mavic Airの通信には多少の遅延も伴うようだ。ただ、実際には、Mavic ProもMavic Airもそれほど遠くに飛ばすことはないだろう。ほとんどの国では、機体が見える範囲での飛行しか許されていないのだから。
ノイズの問題
上記のビデオでも確認することができるが、Mavic Airでは暗い場面で、ISO100でもノイズが発生する。それは常に起こるというわけではないが、露出不足の場合発生するように感じられる。そこで、この1年のMavic Proで撮影した映像を見直してみたところ、低ISOの多くのショットで同様のノイズを見つけた。今回はその説明は省くが、DJIに問い合わせてみるつもりだ。暗いシーンで多くの細かい被写体がある場合にノイズが入るのかもしれない。もちろん、別の理由かもしれないが。
Mavic Proとavic Air、どちらを買うべきか?
ここまで読んでどちらのドローンを購入すべきか迷ったなら、Mavic Airの新しい技術に賭けることをお勧めしたい。おそらく今年中にDJIがMavic Proを新しいモデルに置き換えるのではないだろうか。 それまで、Mavic Airでつなぐのが最善策と思う。