DJIは、2本のマイクを使ったワイヤレスオーディオセット「DJI Mic」を発表した。ポータブル充電ケース、250mの通信距離などを備えている。
DJIはドローンやアクションカメラにとどまることなく オーディオ製品も開発している。DJI Pocket 2用のワイヤレスマイクはすでにあるが、これは他のデバイスと互換性のあるDJI製の初めてのスタンドアロン型ワイヤレスマイクキットだ。
RØDE Wireless Goと同様の小型トランスミッターを2台搭載している。どちらの送信機にもマイクが内蔵されており、3.5mmのマイクジャックを備えている。
音声信号は、2.4GHz帯で受信機に送信される。DJIは、最大250mのワイヤレス到達距離と述べている。
カメラ、スマートフォン、ラップトップと組み合わせて使用することができる。レシーバーには、3.5mmライン出力端子、3.5mmヘッドフォン端子、スマートフォンやノートPCと接続するためのUSB-Cポートを備えている。
操作面ではハードウェアボタンの他に、タッチスクリーンディスプレイを搭載している。送信機は、ステータスLEDとハードウェアボタンのみを搭載している。
DJI Mic録音機能
送信機(受信機ではない)には、それぞれ8GBの内部ストレージを備えた録音機能がある。これにより、24ビットのロスレスオーディオを最大14時間録音することができる。音声ファイルは30分ごとのクリップに分割され、ストレージが満杯になると一番最初の音声ファイルが上書きされる。これにより、フォーマットやコンテンツの削除などの手動操作が少なくなる一方で、重要なファイルが知らないうちに自動的に上書きされてしまうという事態が発生する可能性がある。また、内蔵ストレージが8GBでリムーバブルストレージに対応していないため、すべてのファイルをUSB経由でデバイスから直接コピーする必要がある。しかし、コーデックやその他の録音に関する詳細な情報はない。
バックアップトラックをオンにすると、音量を-6dB下げた追加のオーディオトラックを記録することができる。これは、予期せぬ大きな音が発生したときに、音声が破綻しないようにするために機能。
ポータブル充電ケース
バッテリーは内蔵されており、送信機は5.5時間、受信機は5時間の使用が可能とされている。3台ともコンパクトな充電ケースに入っており、使用時間は約15時間となっている。
同じく充電ケース入りのデュアルワイヤレスシステムであるHollyland Lark 150を連想させる。
Lark 150のワイヤレス範囲は100m、RØDE Wireless GO IIは200mだが、DJI Micはさらに高い性能を謳っている。
最近発売された手頃な価格のワイヤレスオーディオシステムのほとんどは、WiFiやBluetoothが同じ帯域を使用していることから、世界中でライセンスフリーであり、部品も容易に入手できる2.4GHz帯に依存している。しかし、これには欠点もある。すでに混雑が激しい周波数であり、人口密度の高い地域ではワイヤレスの距離が大幅に減少する可能性がある。
DJIのワイヤレス技術
DJIは、ドローンのラインナップで成功を収めてきた。ジャイロスコープの技術を持っているので、ジンバルの市場でも優れている。また、自社製ドローンのカメラシステムのノウハウを活かして、ポータブルカメラやアクションカメラの市場にも参入し、DJI Action 2を発表した。
最近では、ジンバルを内蔵した本格的なシネマカメラ「DJI Ronin 4D」を発売し、さらにステップアップしている(レビュー)。今回はDJI Micを発売し、マルチメディア市場にさらに多様な技術を提供している。これまでDJIが作ってきたこれらのデバイスに共通しているのは、DJIが得意とするワイヤレス技術だ。
価格と発売時期
価格は40,700円 で、11月2日に発売される予定。
DJI Micの詳細については、同社のサイトをご覧いただきたい。