DJI Osmo Actionレビュー
DJIは、同社の最初のアクションカメラとなる、Osmo Actionを発表した。 GoPro HERO7に直接挑戦を挑む格好だ。RockSteadyスタビライザー、HDR、ディワープ、デュアルフルカラースクリーンなど、革新的でユニークな機能が搭載されている。
DJIはここ数年でドローン市場を確立しただけではなく、多くの革新的なカメラを開発している。Osmoはその代表的なもので、ジンバルを装備したカメラとして成功している。多くの映像クリエーターはこれを購入したことだろう。そして今回はOsmo Actionを発表した。これは同社の最初のアクションカメラであり、アクションカムの代名詞となっている GoPro Hero7への直接の競合製品となる。
GoPro Hero7との比較レビュー記事を、間もなくリリース予定している。この記事では、Osmo Actionの仕様と機能をレビューする。
Osmo Actionの概要
まず、DJI Osmo Actionのデュアルフルカラースクリーンがあげられる。後部の大きなタッチスクリーンとレンズの隣に小さなフロントスクリーンが搭載されており、自分撮りに使用できる。フロントスクリーンは正方形で、画像を画面全域に表示するか(側面がカットされる)、または16:9で表示し、上下に黒いバーを表示するかを選択できる。
もう1つの革新的な機能はHDRモードで、これにより影と特にハイライトでディテールが際立つ。これはコントラストの強い撮影環境が多いアクションカメラでは非常に優れた機能と言える。 HDRモードの色は鮮やかで、「フラットな」Cinelike-Dモードを使用していても、標準モードでは見えない多くのディテールが見える。
ただし、HDRモードの大きな欠点は、このモードでは手ぶれ補正が機能しないことだ。画像がかなりブレるので、激しいアクションシーンには適していない。さらに、ローリングシャッター歪みは、HDRモードではかなり悪化する。
手ぶれ補正は、Osmo Actionの3番目に大きな機能だ。 DJIはこの手ぶれ補正機能を「RockSteady」と呼んでおり、その名に値する手振れ補正だ。 RockSteadyをオンにすると、文字通りジンバルの必要性がない。 DJIがドローンやジンバルの経験をこの機能に活用していることは明白だ。
Osmo Actionと GoPro Hero7を比較すると、安定化技術の差を見ることができる。 GoProのハイパースムースは非常に優れているが、RockSteadyの方が優れていると言える。 DJIの手振れ補正は広角を犠牲にしており、RockSteadyをオンにすると視野が狭くなる。視野角が狭くなると良い場合もあるが、アクションカムでは広角の映像が求められる。
アクションカメラは広角レンズを搭載しているため、画像歪みは目立つ方向にある。これは典型的な魚眼レンズの映像だが、ポストプロダクションで修正することができる。歪みを補正するため、DJI Osmo ActionにはDe-Warp機能が装備されている。これは非常に便利な機能で、ポストプロダクションで画像補正を行う時間を節約できる。歪み補正はRockSteadyスタビライザーと同時に使用できる。これは素晴らしいのだが、やはり画像は少しトリミングされる。
画質
全体的にOsmo Actionの画質は非常に良く、またさまざまな解像度とフレームレートをサポートしている。4K 60p、2.7K/ 60p、FHD/240pのスローモーションで撮影できる。ただし、H.264コーデックではビデオのビットレートが100Mbpsを超えることはないため、特にスーパースローモーションモードでは、かなり劣化が見られる。
Osmo ActionにはD-Cinelikeモードが用意されているが、コントラストが高い状況では少しシャープに見える。過度にシャープになると、状況によってはシャドウ部のノイズも目立ってくる。残念ながら、Osmo Actionのシャープネスを軽減する方法は現在用意されていない。実際、コントラストのあるカラフルな「標準」から、より平坦で彩度の低いDシネライクのピクチャープロファイルへの変更以外、画像の調整機能は用意されていない。シャッターとISOをマニュアルで設定することはできる。
Osmo PocketやMavicドローンのように、これらの設定をコントロールできるようになることを期待したい。特にシャープネス設定に関しては改善の余地があるだろう。
Osmo Actionは、Wi-Fi経由でスマートフォンに接続できる。 DJI MimoアプリはOsmo Pocketに加え、Osmo Actionもサポートするように更新され、カメラのプレビュー画面が表示される。ただし、Denoiseを除き、カメラの設定はできない。
組み立て品質
DJI Osmo ActionはGoProとほぼ同じサイズで、デザインは非常によく似ている。堅牢な作りで、また11メートルまでの防水機能を持ち、耐衝撃性、防塵性も備えている。また、GoProと同じアクセサリーが使えることも特筆できる。したがって、GoProからアップグレードする場合は、同じマウントを使用できる。デフォルトの1/4インチの三脚ネジも用意されている。
レンズの前にあるプロテクターは、ねじを外して好みのカスタムフィルターと交換することができる。 DJIは、Osmo Action用に、ND4、ND8、ND16、ND32のNDフィルターと、オレンジ色の海水用および紫色の淡水用フィルターを用意している。残念ながら、これらのフィルターはまだ現物がなく、今回テストすることはできなかった。
正方形の前面カラースクリーンとは別に、カメラの背面には大きな2.25インチのタッチスクリーンも搭載されている。 16:9なので、ボディの幅全体が使用されている(GoProは4:3)。最初は目的の機能を見つけるのに戸惑うこともあるが、タッチスクリーンインターフェースは良くできている。
Osmo Actionは1300 mAhのカスタムバッテリーを使用しており、テストでは1個のフルチャージされたバッテリーで、約90分動作した。(RockSteady手振れ補正を有効にして4K / 25pまたは30pで撮影時)。ただし、より高いフレームレートを使用する場合は、バッテリー寿命が短くなると予想される。
主な仕様
- センサー:1 / 2.3インチCMOS、12メガピクセル
- レンズ:FOV 145°f / 2.8
- ISO範囲:100〜3200
- 最大静止画サイズ:4000×3000(12メガピクセル)
- 標準モードの解像度とフレームレート:4K(16:9):60、50、48、30、25、24fps。 4K(4:3):30、25、24fps。 2.7K(4:3):30、25、24fps。 2.7K(16:9):60、50、48、30、25、24fps。 1080p:240、200、120、100、60、50、48、30、25、24fps。 720P:240、200fps
- HDRモードの解像度とフレームレート:4K、30、25、24fps。 2.7K:30、25、24fps。 1080P:30、25、24fps
- コーデックと最大ビットレート:H.264で100Mbps(MOVまたはMP4)
- SDカード:microSD(最大256GB)
- バッテリー:LiPo 1300mAh
- 寸法:65 x 42 x 35 mm
- 重さ:134g
- フロントスクリーン:1.4インチ、300ppi、750cd / m 2
- バックスクリーン:2.25インチ、325ppi、750cd /m²
まとめ
全体として、Osmo Actionは、DJIの最初のアクションカメラとしてインパクトのあるものだ。この分野はGoProが依然としてマーケットリーダーだが、Osmo Actionは強力な競争相手になりそうだ。 Osmo Actionはまだ完璧というわけではないので、GoProににわかに取って代わると言うことでもないだろうが、それでも画像処理が改善されれば、その地位も脅かす可能性がある。
価格と発売時期
Osmo Actionは既に購入可能で、価格は44,820円(税込)。
なお、DJI Care RefreshがOsmo Actionでも利用可能だ。(詳細はこちら)