DJI OSMO Pocket 3レビュー
DJI Osmo Pocket 3カメラは 昨年発売さ れ、市場に新しいレベルの自由と制作の創造性をもたらした。このカメラは、「ポケット」という言葉がその本質を正確に反映しているデバイスの1つだ。さらに、1インチのセンサーサイズ、内蔵ジンバル、明るいスクリーン、長いバッテリー寿命、 DJI Mic 2と併用することで向上するオーディオ性能も備えて いる。
この記事とビデオレビューでは、DJI Osmo Pocket 3カメラの「プロ機能」には触れていない。将来このカメラだけで撮影したミニドキュメンタリーを制作するかもしれないので、その時に触れることにしたい。従って今回は、プロモード、D-Log、10ビット記録など、このデバイスの”コントロール “機能に関しては一言も書いていない。ここでは、使いやすさ、機動性、機能性、楽しさ、そして既成概念にとらわれない画質に焦点を当てている。
突然だが “私の家族との関係を救ってくれたDJIに感謝したい。” あまり真に受けないでほしいが、もしあなたが誰かの配偶者であり、親であるなら、自分自身を重ね合わせ、私が何を言いたいかわかるかもしれない。
カメラ愛好家として、また長年にわたって「実用に即したカメラレビュー」をお届けすることに尽力してきた者として、私は家族旅行や休暇を含め、どこへ行くにもデジタル一眼レフカメラ、後にはミラーレスカメラを持ち歩いてきた。このカメラのテスト期限に間に合わせなければならない」から「家族のかけがえのない思い出を撮らなければならない」まで様々な理由があった。これらはすべて真実だが、その代償もあった。
その一つは、私が “最高のバケーション・ショット “を撮るため立ち止まって撮影しているとき、妻や子供たちが抱く小さな苛立ちだ。では、これがDJI Osmo Pocket 3カメラとどう関係しているのか?
家族旅行にどんなカメラを持って行こうか?
ご存知の方もいらっしゃるかもしれないが、日本は私の第二の故郷であり、毎年家族で夏の数ヶ月をここで過ごす。滞在の始めには、数日間を家族旅行に充て、常に新しいカメラをテストする(LUMIX GH7のレビューは現在作成中)。
今回の休暇では、撮影を意識させないことを考えた。子供たちにポーズを取らせたくなかったし、撮影のために立ち止まって文句を言われるのも避けたかった。ミラーレスカメラが好みの私にとって、Osmo Pocket 3はあまり眼中になかったが、今回、じっくり使ってみたくなった。
DJI Osmo Pocket 3レビュー
長年カメラをテストしてきたが、休暇を邪魔せず、むしろサポートしてくれる撮影デバイスを経験したことはなかった(これはスマートフォンとの比較にも当てはまる)。全体的な操作性と使いやすさは、まったく予想していなかったものだった。画面をフリップし、解像度やフレームレートなどの基本設定を行い、通常のビデオかスローモーションか、写真かタイムラプスかを決め、撮影するだけだ。
このカメラのその他の利点:
- Combo Creatorパッケージを購入すれば、「バッテリーハンドル」が付いてくる。これにより、1日中電力を供給できる。
- 画像をトリミングすることなく、最大4K/60pでの撮影が可能。高フレームレート(最大4K/120p、クロップなし)での録画も可能で、家族で最大限に楽しめる。
- DJI Mic 2を接続することにより優れた32ビットフロート音声(Creator Combo)が可能
- 堅牢性: Osmo Pockt 3をポケットに入れるのは多少心配だった。カメラのジンバル部分が破損しないかあまり自信がなかったのだが、頻繁にポケットに入れたり出したり、あるいはポケットに入れたまま長時間歩いても、全く問題は無かった。
このような特長は他の撮影機材にはないのだが、DJIがそこに気が付いたのが興味深い。
操作性
カメラは一般的に横長で、撮影時には両手を使わざるを得ない。伝統的な16×9の方法で撮影する場合、スマートフォンでも同じ撮影スタイルとなる。片手でのカメラ操作を可能にし、よりスムーズな動きをサポートするために、多くのカメラメーカーが「三脚ハンドル」を提供しており、サードパーティメーカーはさらに一歩進んで、様々な種類のジンバルを販売している。そのような機能はすべて、Osmo Pocket 3がアクセサリーを追加することなくすでに実現している。つまり、内蔵ジンバルにより、安定した映像が片手で簡単に撮影できるのだ。すでに多くの人が経験しているように、このコンセプトはうまく機能している。更に、1インチセンサーにより、クローズアップが印象的な浅い被写界深度で撮影できる。
楽な撮影
今は違うかもしれないが、昔は家族旅行といえば一大イベントだった。今では、ただ思い出を記録しているだけだ。ご存知のように、現代の目まぐるしい世界では、思い出も子供も立ち止まることはない。
そこでOsmo Pocket 3が威力を発揮する。ポケットから取り出し、電源を入れれば、行動を妨げることなく撮影できる!これはとても小さいので邪魔にならないし、同時にフレーミングを正確にする必要もない 。つまり、レンズは広角だが広すぎないので、特に非常に明るい屋外ではフレーミングをあまり気にしなくてよいのは素晴らしい(ちなみに、コンボクリエイターパッケージには、より広角のマグネットレンズが付属している)。
また、内蔵マイクは、隣に立っている人の会話をアンビエントサウンドとして自然に拾っていることに驚いた。オーディオに関してはもう少し先に触れることにしよう。
今後に期待したい点
カメラの使い方は人それぞれで、期待するものも違うので、究極のカメラはまだ存在しないのかもしれないが、Osmo Pocket 3はゲームチェンジャー(今この言葉を使ったのは自分でも驚き)だと信じている:
- ジンバルの改良。「歩くアヒルの動き」を過去のものにしてほしい。
- 1時間程度の録画に十分な容量の内蔵メモリー。このカメラでは、(それが楽しいかどうかは別として)頻繁に撮影することになるので、カードの容量に達したときのために内蔵バックアップがあるとありがたい。
- これは個人的な希望に近いが、内蔵マイクの両方に取り付けられる小さなウィンドシールドが2つあれば最高だ。カメラを操作するときに邪魔にならないし、屋外での撮影時に全体的な音質を向上させることができるだろう。
- 現在、赤い色の録画表示は左側に表示される。太陽光下では液晶画面が見づらいので、できれば赤枠の録画表示があるとありがたい。
- 画面をタッチしてフォーカスを変更する場合、瞬時に動作する。フォーカススピードを調整する方法があればと思う。
- モアレの改善。
ブログ撮影
Osmo Pocket 3を使いこなすうちにVloggingも試したが、非常に簡単で直感的だ。液晶画面をタッチしてカメラを自分に向けると、顔を認識して追従し始める。カメラを他の人に向けても同じことができる。実際、動き回る子供たちの撮影では常に追従していた。
Osmo Pocket 3を使いこなすうちにVloggingも試したが、非常に簡単で直感的だ。液晶画面をタッチしてカメラを自分に向けると、顔を認識して追従し始める。カメラを他の人に向けても同じことができる。実際、動き回る子供たちの撮影では常に追従していた。
最大2台の DJI Mic 2送信機をカメラに接続できる。出典:CineD
「クリエイターコンボ」パッケージを選択すると、DJI Mic 2が同梱されているため、操作のシンプルさは維持したまま、さらに機能が強化される。カメラと送信機の電源を入れれば、簡単にペアリングできる。カメラのメニューで、32ビットフロート音声録音を有効にできる(送信機自体で行われる)。また、マイクの8GB内蔵メモリーのフォーマットもカメラメニューの設定で行うことが可能だ。 DJI Mic2に電源を入れた後は、録音の心配する必要がないことは特筆に値する。撮影を開始すると、マイクは自動的に録音を開始する。アドバイスとしては、”バイブレーションON “にしておくと、音声録音が行われていることを簡単に確認できる。
なお、必要であれば2つ目のDJI Mic 2もカメラに接続できる。
写真撮影に関して
ビデオや写真の画質を維持するため、デジタルズームは2.0倍に制限されている。動画撮影にはほぼ問題ないが、写真撮影には少し限界を感じた。写真撮影を優先するのであれば、別のカメラ(またはスマートフォン)をお勧めする。
MIMOアプリ
DJIのMimoアプリがお勧めだ。最新のカメラファームウェアをダウンロードできるほか、基本的なカメラ操作の多くがアプリから実行できる。
まとめ
これほど自分のための撮影を満喫したのは久しぶりだ。コンパクトなサイズ、1インチセンサー、操作性、堅牢性など、すべてがこのパワフルな小型カメラを可能にしている。もはやこのカメラなしでの家族旅行は考えられないだろう。
このレビューを行う上で何が一番大変だったかわかるだろうか?ミラーレスカメラでの撮影に戻ることだ。DJI Osmo Pocket 3は確かに私の期待を超えていた。同じコンセプトをより大きなセンサー、例えばAPS-Cを搭載したカメラに適用できるのだろうか。おそらくカメラが大きくなりすぎて、その目的が果たせなくなるだろう。しかし、センサーサイズを重視するユーザーは、そのようなっカメラを検討してもよいかもしれない。
DJI Osmo Pocket 3は家族旅行やVlog撮影に最適なカメラなのだろうかと言う質問に対しては、私の意見では、その通りだと言える。