DJIは、DJI Ronin-SおよびRonin-SCジンバルの新しいファームウェアアップデートをリリースした。これらのアップデートは、スマートフォンアプリを介してダウンロードできる。新しい機能の追加、既存の機能(3D Roll 360など)の改善、バグの修正を行っている。最も重要なアップデートは、Ronin-SがActiveTrack 3.0とForce Mobileをサポートしたことだろう。2機種とも、AndroidスマートフォンでのForce Mobileもサポートする。
ActiveTrack 3.0とForce mobile は、Ronin-Sの小型版であるRonin-SCに初めて搭載された。これはスマートフォンとDJIアプリを使用して、被写体を常に画面の中心に保持する機能。しかしRonin-Sには搭載されていなかったため、ユーザーからはこの要求が強かった。 今回これらの機能がファームウエアアップデートによりRonin-Sにも搭載される。 なお、Ronin-Sのレビューはこちら。
DJI Ronin-S ファームウエアアップデート V2.0.0.90
Ronin-S用の新しいファームウェアV2.0.0.90は次のとおり。
- ActiveTrack 3.0を追加(Roninアプリv1.2.4以降が必要)。 ActiveTrack 3.0は、スマートフォンを使用し、選択した被写体を追跡できる。新しいアルゴリズムは、学習機能と最適化された状況判断を持つ。同社のドローンやOsmoシリーズに採用されているのと同じテクノロジーが使用されており、ActiveTrack 3.0ではスマートフォンのカメラビューを使用して、この情報をRonin-Sに送信する。付属のスマートフォンホルダーマウントを使用してカメラのホットシューに装着し、追跡する被写体を選択できる。
- Force Mobileも追加された(Roninアプリv1.2.4以降が必要)。 Force Mobile(Force Proと同様)は、接続されたモバイルデバイスの動きをRonin-Sと同期する。これは、Bluetooth 5.0接続を使用して、最大距離24.9 m(見通しの良いところでテスト済み)で使用できる。
- 3D Roll 360モードへのクイックスイッチを追加。 (Mボタンを3回押して入力し、もう一度3回押して終了する。)
- Auto 3D Roll 360を追加。(ジンバルが3D Roll 360モードの場合、ジョイスティックを左右に2回押すとAuto 3D Roll 360が有効になる。ジョイスティックを押し続けなくてもジンバルは360°連続回転する。トリガーを2回押すとAuto 3Dを停止する。)
- マルチカメラコントロールケーブル(MCC-C)を使用して接続されたソニーα7R IVカメラのビデオ録画、オートフォーカス、およびフォーカスプルのサポートが追加された。α7R IVでオートフォーカスを使用するには、ジンバルのカメラコントロールボタンを半押しする。
- マルチカメラコントロールケーブル(マルチUSB)を使用して接続されたα7R IVカメラの写真撮影、ビデオ録画、ズーム、フォーカスプルのサポートを追加。
- 最適化された3D Roll 360
- コマンドユニットのトラックモード設定を追加
- フラッシュライトモードでの最適化されたフォローエクスペリエンス
- スリープモードでパルス周波数を変更することにより、プロファイルLED表示を最適化。バッテリーレベルが20%未満の場合、LEDは赤く点灯し、バッテリー低下を警告する。
- 電源ボタンを1回または2回押すと、スリープモードが有効になる
- ソニーカメラのマルチポートとパワーズームレンズを使用する場合のズーム調整の最適化。ズーム速度は1〜100に設定できる(DJI Ronin v1.2.4アプリ以降が必要)。
- その他の小さなバグを修正
Ronin-SC ファームウエアアップデートV1.2.0.10
Ronin-SCも新しいファームウェアアップデートがリリースされた。ソニーα7R IVカメラ、富士フイルムのカメラ、Androidスマートフォン用のForce mobile、およびその他の改善を行っている。新機能は次の通り。
- マルチカメラコントロールケーブル(Type-C)を使用して、サポートされるEマウントレンズを備えたソニーα7R IVカメラのビデオ録画、オートフォーカス、およびフォーカスプルのサポートを追加。α7R IVでオートフォーカスを使用するには、ジンバルのカメラコントロールボタンを半押しする。
- マルチカメラコントロールケーブル(マルチUSB)を使用したα7R IVカメラの写真撮影、ビデオ録画、ズーム、フォーカスプルのサポートを追加。α7R IVでオートフォーカスを使用するには、ジンバルのカメラコントロールボタンを半押しする。
- 富士フイルムカメラコントロールケーブル(RSS-F)を使用して、X-H1、X-T2、X-T3、X-T20、X-T30、X-E3カメラの写真撮影、ビデオ録画、オートフォーカスのサポートを追加。
- ポートレートモードにクイック切り替え機能を追加。ポートレートモードを開始/終了するには、Mボタンを2回押す。ポートレートモードでは、フラッシュライトモードでRonin-SCを使用する必要があり、ジョイスティックコントロールは使用できない。ポートレートモードは、Roninアプリのステータスページで無効にできる(Roninアプリv1.2.4以降が必要)。ポートレートモードに切り替えると、傾斜軸が90°回転し、カメラがジンバルに接触する可能性がある。
- AndroidバージョンのRoninアプリにForce Mobileを追加(Roninアプリv1.2.4以降が必要)。
- Roninアプリに3Dロール360の無効化機能を追加(Roninアプリv1.2.4以降が必要)。
- スリープモードを終了した後、ロール軸が時々ドリフトする問題を修正。
- ソニー製カメラのマルチポートとパワーズームレンズを使用する場合のズーム調整の最適化。ズーム速度は1〜100に設定できる(DJI Ronin v1.2.4アプリ以降が必要)。
Active Track 3.0 と Force Mobileサポート
Fore MobileおよびActiveTrack 3.0機能は全てのスマートフォンに対応しているわけではない。以下は、対応するスマートフォンのリスト。リストは順次更新される。
ActiveTrack 3.0でサポートされているスマートフォン
- Apple – iPhone XS Max, iPhone XS, iPhone XR, iPhone X, iPhone 8, iPhone 8 Plus, iPhone 7, iPhone 6S Plus, iPhone 6S
- Samsung – Galaxy S10+, Galaxy S9+, Galaxy S9, Galaxy S6 Edge, Galaxy S5, A9 Note 9
- Google – Nexus 6P
- Huawei – P20 Pro, P10, P9, Mate10, Mate 9 Pro, Nava3e, MT7-TL00
- Honor – Honor V10, Magic2
- vivo – X21A, vivo X 27, NEXS
- OPPO- Find X, oppo R15
- MI – MI8, max2, max3, MIX3, MIX2S
- LG – V20
Force Mobileでサポートされているスマートフォン
- Apple – iPhone XS Max, iPhone XS, iPhone XR, iPhone X, iPhone 8, iPhone 8 Plus, iPhone 7, iPhone 6S Plus, iPhone 6S
- Samsung – Galaxy S10, Galaxy S9+, Galaxy S7, Galaxy Note 8
- Google – Google Pixel 2
- Huawei – P30 Pro, P20, Mate20 Pro, Mate20, Mate20X, Mate10, Mate7, P9 Plus, 8X
- Honor – V20, Magic 2
- vivo – X21, X27, X21A, Nex A
- OPPO – Find X, R15, A3, R9m
- MI – MI8, MIX3
- Redmi – Note5
- OnePlus – 7Pro, 6T
- LG – V20
- Nokia – X5
更新方法
DJIが各ジンバルのアップデートプロセスをYouTubeで公開している。
Ronin-SCのアップデートプロセスはこちら。
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