DJI Sparkレビュー - この小型ドローンはプロ用途に使えるか?
プロの映画監督で、DJI MavicのユーザーでもあるTamásKiss氏は、新しい小型のドローンDJI Sparkを厳しい気候のアイスランドでテストした。彼のDJI Sparkレビューは、私のハンズオンレビューを裏付ける内容だ。 – Sebastian Wöber
DJI Sparkレビュー
アイスランドでSparkをテストしたが、十分にテストできた。私は厳しい状況下でSparkをテストしたのだが、この小さなドローンを見極めることができたのではないかと思う。
DJI Sparkは、趣味で使うには最高のおもちゃだ。家族でのパーティーやバーベキュー、あるいは子供の誕生日には大いに活躍するだろうし、DJIもそのようなマーケティングを行っている。しかしプロ用途でも通用するだろうか?
サイズ
Sparkは信じられないほどコンパクトで、リュックサックにも収まってしまう。ただ、プロペラは折り畳むことができないので、実際にはDJI Mavicよりも大きく感じられる。しかしSparkは軽く、持ち運びは楽だ。
操縦性
私は専用のSparkコントローラーを持っていなかったので、このレビューでフル機能のレポートはできないが、スマートフォンとジェスチャーで操縦を行った。 SparkがMavicコントローラーと共通であればそれを使えたのだが、残念ながらSparkは違うプロトコルを使用しているようだ。しかし、スマートフォンでの操縦は非常に簡単で、操縦するためにドローンエキスパートである必要はない。
SebastianWöberによるコメント:私が行ったテストでは、DJI Sparkコントローラーを使用した。これにより、Sparkをより簡単に、より人間工学に基づいて操作することができる。また、スポーツモードでは、スマートフォンでの操縦よりも数倍速い速度で飛行することができる。スマートフォンで操縦する場合、最高速度はかなり限られたものになってしまう。Tamas氏のレビュービデオで確認できる。
Mavic同様、Sparkには安全システムが装備されており、安心して飛行できる。ただ、Sparkを操縦するためにスマートフォンと接続する必要があるが、これがなかなかうまくいかない。Sparkとスマートフォンを接続するのにかなり苦労したが、これは問題だ。 DJIアプリの画面が黒くなって、海外のWi-Fiを使用しているので再度接続する必要があるというエラーレポートが何度も表示された。これはアプリを起動するたびに表示されたが、3~4回の試行の後、最終的にうまくいった。ファームウェアかスマートフォンの問題かもしれない。いずれにしても、専用のリモコンならこのようなことは起こらないはずだ。Sparkをプロ用途として使用するなら、リモコンは間違いなく必需品だ。
安定性
残念ながら、DJI Mavicを使っていると、DJI Sparkの飛行性能は満足できるものではない。アイスランドの風は、Sparkで安定したショットを撮るには厳しすぎる。風が文字通りドローンを吹き飛ばしたため、操縦は困難で、時には全く不可能だった。その強い風に逆らって安定しようとするため、わずか10分でバッテリーが無くなった。Sparkが小さなゲートを通過できる唯一のドローンだったので、このショットを撮りたかったのだが、風が強すぎてこの操縦は無理だった。何度かのチャレンジで最終的に収録することはできたが、風のため画面が揺れて、映像素材としては使用できないことが分かった。また、DJI Mavicでは3軸ジンバルにより横方向の揺れを安定化させることができるが、2軸しか持たないSparkでは、これを補正することができない。
カメラ性能
Sparkの映像は、趣味での使用やHD解像度で使用する分には十分だろう。映像品質はスマートフォンのカメラと同等と言える。しかし、NDフィルタを使用することができないため、映画的なルックを出すのは難しい。露光量を減らすため、Sparkのカメラはシャッタースピードを速くする。Sebastianのドローンフッテージチュートリアルのように、ポストプロダクションで追加処理する必要がある。これでは、プロ用途には難しいだろう。ただ、Sparkのカメラは豊かな色と十分な焦点距離を持っていると言える。
ところで、Sparkはコントローラーやスマートフォンを使わずに操縦することができるのだ。顔認識や手振りでSparkをコントロールできるのだが、これが大変面白い。始動ボタンを2回押し、Sparkを顔に向けて持つ。数秒後、Sparkは離陸し、あなたの顔にロックされる。残念ながら、今回のテストでは、これも確認できなかった。離陸すると、Sparkは風にあおられ、プロペラが私の親指にあたって怪我をしてしまったのだ。
実は、飛行に入るとすぐに私がやらなければならなかったことは、手のひらをカメラの方に向けることだった。これにより、ドローンに認識させるのだ。手でSparkを操縦するのはこれでうまくいった。システムはシンプルだ。カメラに向かって手を振ると、離陸し、戻ってきて、あなたの動きに追従するはずだ。ただ、この機能はあまり信頼できず、いくつか手順を必要とする。おそらく強い太陽光下では、UV認識システムに問題があるようだ。
まとめ
美しい写真を掲載したが、アイスランドでの、このDJI Sparkレビューは、総合的に見て失敗だったと言わざるを得ない。風が強い場合、SparkはMavicのような安定した滑らかなショットを撮ることはできない。風に対する抗力は極めて弱く、ログ記録、3軸安定化、より長い電池寿命およびNDフィルターのようなプロの撮影に必要な機能を搭載できない。
従って、自分のような使い方では、プロ用途としてお勧めできない。風など天候に脆弱すぎるし、仕様上ではMavicとほとんど同じ機能を持っているように見えるが、Mavicとは全く別物だ。信頼できる小型のドローンなら、やはりMavicということになろう。
長所と短所
長所
- 小型で持ち運びが容易
- 扱いやすい
- 簡単に充電できる
- ジェスチャーでコントロールする楽しみ
短所
- Wi-Fiへの接続が不安定。専用のリモコンが必須
- NDフィルタなし
- 風など天候に弱い
- 2軸しかないジンバル
- 顔の認識機能とジェスチャー機能は信頼性がない
- 風が強いとバッテリーの消耗が激しい
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