エーデルクローン(Edelkrone)は人気のあるカメラアクセサリーメーカーだが、新たにSliderPlus XとMotion Kitを発表した。従来のモーションコントロールデバイスでは不可能だった操作を実現した注目の新製品だ。
SliderPlus Xとは?
エーデルクローン(Edelkrone)というアクセサリーメーカーをご存知だろうか。同社のデザインスタイルは他社とはちょっと異なっており、本当に使えそうだなと思わせるアクセサリーを製作している。 SliderPlus Xもそうした製品のひとつで、きっと膝を打つことだろう。
従来より、Edelkroneのスライダーは折りたたみができる脚が特徴だ。他の製品のように、オプションの足を購入する必要は無い。また、磁石で取り付けられるベルトシステムを備えているため、破損した場合に取り外しや交換が容易だ。さらに、スライダーの底面にはホイールがあり、三脚取付時にスライダー全体を回転させる必要がない。実によく考えられている。
長さに関してもSliderPlus Xはスマートな機能を備えている。短いセットは地面置きで最大25cm、三脚装着時で50cm、長いセットは最大45cmと90cmの長さが用意されている。これらは従来のSliderPlus ProのMediumとXLargeと同様、三脚に装着時は本体の長さの2倍の長さを移動する。
Motion Kit
Edelkroneは、同時にSliderPlus X 用のMotion Kitも発表した。これは4軸モーションコントロールデバイスで、スライダーとカメラの動きを読み取ることができる。
Motion Kitを使用すると、スライダー軸に沿ってプログラム可能な電動モーションが可能になる。また、パンやチルトの動きを記憶させることも可能な上、フォーカスコントロールもできる。
このモーションコントロールデバイスの最も特筆できる機能の1つは、スライダーに沿ってカメラを物理的に移動させると同時に、希望の角度、希望の速度でパン、チルトさせると、装置はその動きを記憶する。従来のようにキーフレームを設定する必要はなく、より直感的で詳細なカメラの動きを可能としている。もちろんキーフレームでの設定が好みなら、キーフレームを使用してプログラムすることもできる。
プログラミングはiOSアプリ(Androidバージョンは近日公開予定)で、Bluetoothを使用して行う。キーフレームを設定することもできるが、「新しいスマートなアルゴリズム」によって、フォーカスとトラッキングを被写体にロックするタイミングを決めることができる。また、タイムラプスをプログラムし、モーション設定を行うことができる他、フルマニュアルモードでスライダーをリモートコントロールすることもできる。
スマートフォンホルダーを使用してスマートフォンをモーションキットに固定することができるが、スマートフォンをポケットに入れておく場合は、アプリからコマンドを送信すると、その後は通信が途絶えてもモーションキットは完全に制御される。
なお、Apple Watchの実装、フォーカス制御のセットアップを高速化するためのレンズデータの保存と読み込み、さらに複雑な動作シーケンスのためのアプリでの高度なモーションシーケンスなどの機能が今後予定されている。
同社によれば、マイクロフォンはモーターノイズを拾わないとのことで、これはインタビューなどでは大変重要だ。また、SliderPLus XとMotion Kitのパッケージはかなりコンパクトに収納することができ、下の写真のとおり小さなキャリーバッグに収まってしまう。
ただし、コンパクトな分、耐荷重は小さい。 Motion Kitのスライドとヘッドモジュールの推奨耐荷重は3.6kg未満となっている。即ち、軽量シネマカメラの装着は無理で、DSLRやミラーレスカメラ(装備品を含め)が対象になる。これは同社の製品のターゲットユーザーを考えると、想像できるところではある。
SliderPlus Xは160,300円 (税込)、Motion Kitは432,800円 (税込)で、予約受付中。 Kessler Second ShooterやiFootage S1A1など他のモーションコントロールされたスライダユニットと比較した場合、Edelkroneの耐荷重の制限を考慮すると、少し高価な印象があるだろう。しかし、Edelkrone SliderPlus XとMotionKitは、4軸のフォーカス制御をはじめ、様々な有用な機能を持っており、妥当な範囲かもしれない。
更なる詳細は、こちらのWebサイトを参照いただきたい。