Insta360は、NAB 2017で業務用の全方位カメラを発表したが、この度ファームウェアアップデートを行った。ファームウェアV2.0では、画質を改善し、マニュアルでフレームレートを設定することができるようになったほか、エクスポージャーカーブも追加されている。なお、バージョンアップは無料。更に、Insta360Proは12Kの映像を撮影できるようになった。以下は新しいファームウェアの詳細だ。
画質
Insta360はファームウェアアップデートにより、ダイナミックレンジ、ホワイトバランス、彩度、コントラストの向上を実現している。同社はまた、低照度特性の向上も今回のアップデートの優先事項であるとも述べている。
マニュアルフレームレート設定
ファームウェアV2.0により、フレームレートを倍にして出力することができるようになる。たとえば、30fpsで撮影すると、Insta 360は「オプティカルフロー補間」と呼ばれる機能により、フレームレートを倍の60fpsで出力すことができるようになる。 Insta360Proも同様で、120fpsで撮影すると240fpsで出力される。この機能はアクションスポーツなど速い動きのショットに有効だ。
エクスポージャーカーブ
従来の全方位カメラの弱点の1つは、撮影した画像を細かく制御できないことだ。全方位カメラでの撮影は多くの場合完全な自動モードになってしまう。 Insta360は映像の色とトーンを非常に詳細にコントロールできる新しいCurves機能を採用、この問題を解決している(左の画像を参照)。
高解像の静止画
ファームウェアのアップデートにより、複数の8K画像を撮影し、1つの12K静止画にマージすることができる。 Insta360Proで12Kの動画が撮影できるようになる時期は語られていないが、現在のところは8K解像度での動画が可能だ。
V2.0で追加された最も注目できるアップデートの1つは、後処理にあると言える。 「Stitching Box」と呼ばれる機能を使用すると、カメラをパソコンに接続して、全方位映像にするための処理を部分的にカメラ本体で行うことができる。これにより、$ 5000~$ 13,000の iMac Proを使わなくても、全方位映像処理を短時間で行うことができる。
高解像度の全方位映像撮影を行う手頃な価格の選択肢は今まで無かったが、3KドルのInsta360 Proはそのマーケットにうまくアプローチしている。 ファームウェアV2.0は、全方位映像を制作しようとしているクリエーターにとって、魅力的な選択肢になるだろう。