HDRだの、より高画質だのと、ビデオ機能の要求が高まりつつある。果たしてメーカーはDSLRやミラーレスカメラを進化させ続けるのだろうか?
パナソニックの”GH5”に4K 4:2:2/10bitが採用されるという噂がささやかれていたり、キヤノン5D MarkIVが期待したほどのスペックではなかったとの話があるが、このような話を聞くと、写真とビデオの融合は、どうも終焉に向かっているのではないだろうかと思えてしまう。
まあ、ひとつの意見、あるいは憶測にすぎないが、メーカーは答えを出す時期に来ているのではないだろうか。
写真とビデオの出会い
これは、あの、キヤノン5DMarkIIの衝撃から始まったのだが、以来、主なメーカーは、DSLRやミラーレスカメラにビデオ機能を搭載している。このトレンドの現在の頂点は、多くのユーザーが使っているソニーのα7SIIであろう。
ログガンマなどプロでも使えるような機能は、しかし、本質的にはフォトカメラの一機能にすぎないビデオモードの機能である。我々はこのことをすっかり忘れているのではないだろうか?よく考えてみたら、これはフォトカメラだった、ということである。
HDRへの期待やセンサーへのより広いダイナミックレンジの要求、あるいは8bit/4:2:0/H.264のグレードアップ、更にはログガンマの要求なども、同じことである。
将来の方向は?
メーカーは選択を迫られている。パナソニックが噂されているように、フォトカメラでのビデオ機能を高めるか、あるいはビデオ機能を切り離しフォトカメラに特化して、その機能に磨きをかけるかだ。
キヤノンはこの選択をしたのだ。他のメーカーは、いずれ答えを出すだろう。フォトカメラで限りなくビデオ画質を高めるということは、自らのプロ用ビデオカメラやシネマカメラとの競合を生み出してしまうということに他ならない。
パナソニックにとっては、それほど大きなファクターではないかもしれないが、キヤノンやソニーにとっては、CinemaEOSやFS7という存在があるのだ。
私自身としてはキヤノンが5D MarkIVで下した、“これはプロフェッショナルなフォトカメラなのだ” という結論に対して大きな驚きはないし、それはそれで素晴らしいカメラだと思っている。
パナソニックと富士フイルム
失うものが小さいメーカーもある。先に書いたパナソニックがそうだ。もし“GH5”が4K 4:2:2/10bit内部記録を実現したら、これは大変なことだ。小さなセンサーにもかかわらず、キヤノンやソニーユーザーから熱い視線を浴びるだろう。
もう一つ、失うものが無いメーカーがある。富士フイルムだ。新製品のX-T2は、良い方向に向かっていると言える。
将来、DSLRやミラーレスカメラでは、写真とビデオは分かれてしまっているだろうか?
時が立てば明らかになるだろうが、ディスカッションするのは楽しそうだ。是非考えをコメントしてほしい。まあ、結局はなるようになるのだが。