Ergorig はCinegear 2019で発表されたが、これをテストする機会があったのでレポートする。今回はAlexa LFでの撮影で使用した。
カメラをショルダーマウントして撮影すると、手や肩、そして腰に負担がかかる。最初は耐えられるが、しばらくすると、肩や腰が痛くなってくる。これを軽減するリグは、シンプルなショルダーパッドから、Ready-Rig、Iron Man、Easyrigまで、いろいろ出回っている。これらすべては負荷を軽減するのが目的だが、それぞれ異なる特徴を持つ。例えば Easyrigは、リグを動かすとカメラの動きがバウンドする傾向がある。 Ready-Rigでは、Ronin 2のようなジンバル的な機能がある。
Ergorigは、少しステディカムのベストに似ているが、ステディカムのベストが重量を腰に掛けるのに対し、Ergorigは肩と腰にかける。言われてみればその通りだが、今まで気付かなかったことだ。 Alexa LFをErgorigで使ってみて、その有用性を確認した。
AlexaLFのような重いカメラで撮影する場合は、まず腕でカメラの全重量を支え、ACの助けを借りて、カメラの重量をゆっくりとErgorigの肩パッドに移す。この時点ですでに、その効果が分かるだろう。
Ergorigで最適な使用法は、アクセサリーを使用して、肩に乗せる方法だ。低い位置でのハンドヘルドの場合、Easyrigの方が便利かもしれないが、身長が6フィート(約1.8m)を超える場合、Easyrigを使用するとドアフレームが問題になることがある。ドアフレームは、Ergorigではあまり問題にならない。これは、他のカメラサポートデバイスに無い機能だ。
Ergorigは1,850ドルだが、デジタル一眼レフやミラーレスカメラなど、小型軽量のカメラシステムでなければアクセサリー(750ドル)が必要だ。これならレンタル(下記のレンタルを参照)ではなく、購入して使用できるだろう。
Ergorigにはソフトバッグが付属している。前後のアームを緩め、エルゴリグの両端をスライドさせるとコンパクトに収納できるので、機内持ち込みも可能だ。また前面、背面、および下部の肩パッドもすべて取り外し可能なので、洗濯することもできる。レンタルハウスでは、毎度のクリーニングに苦労することはない。
耐久性も十分考慮されている。サイズも選択でき、「標準」サイズはほとんどの体型でフィットするように見えるが、その他のバージョンも用意されている。サイズに関しては、こちらのWebサイトにFAQがある
Panavision、AbleCine、ARC、HD Optics、Lightstone、Antagonist Camera、DC Camera、The Camera Dept.、KeslowのレンタルハウスはすべてErgorigsを用意しており、SharegridとKitsplitも、レンタル可能なErgorigsを用意している。
労働組合や業界グループは、安全と健康に関する情報をさまざまなセミナーなどで発信しているが、カメラオペレーター向けの情報を目にすることはめったにない。筆者は医者ではないが、毎日重いカメラを肩に乗せていると、体を傷めてしまう可能性がある。Ergorigなどのサポートリグで、対策することは重要だ。