ZEISSのCP.3用eXtended Dataについて聞く
IBC 2017でZEISSの新しいCP.3 XDレンズの拡張データ機能について聞いた。eXtended Dataとは何だろうか?
今年のNABのZEISSが主催する特別イベントで、新しいCP.3シリーズプライムレンズが発表された。新たに開発されたCP.3レンズ以外にも、CP.3 XDというレンズが存在し、このレンズ 用のeXtended Dataと呼ばれる機能が発表されている。これらは同じレンズだが、CP.3 XDの筐体にはLemoコネクターが追加されており、これによりVXF撮影を効率的に行うことができる。なお、レンズ1本あたり約1,400ドル高価になる。
ZEISS eXtended Dataとは?
CP.3シリーズのXDバージョンでは、データの流れは次のようなプロセスとなる。キャリブレーションされた内部エンコーダは、正確なレンズのシェーディングと歪みデータを収集する。収集されたデータは、AmbientのMaster Lockitデバイスを介してレンズのLemoコネクタから出力され、さらにWi-Fi経由でDITステーションに送られる。 PomfortのSilverstackまたはLivegrade Proが、リアルタイムでデータを処理する。
なお、全体のプロセスは、Cookeのsignature /iデータシステムに基づいている。
その結果、Pomfort製品に限定されない、ZEISSレンズ補正ファイル、いわゆるZLCFが得られる。 DaVinci Resolveでもこれらを処理することが可能だ。歪データとシェーディングデータを使用すると、ポストプロダクションやVFXのワークフローを高速化できる。使用されているすべてのレンズが既に完璧にマッチしている場合、ショットのスティッキングがはるかに簡単になる。
このワークフローでは、DITやアシスタントカメラマンは各ショットのパラメータを書き留める必要がなくなる。使用されているレンズ、焦点距離(およびその変化)、レンズの高さなどに関するデータはすべて確実に転送され、保存される。
価格と発売時期
このシステムを稼動させるには、カメラに取り付けられたAmbientのMasterLockit Boxが必要となるが、それだけで1,250ドルかかる。各CP.3レンズは約4,400ドルだが、XDバージョンは約1,400ドル追加になる。そして、PomfortのLivegrade Pro($ 499 /年)を搭載したDIT用ラップトップも必要となる。安価なシステムではない。
ZEISSがCP.3レンズ対しXDバージョンを追加したのは良いことだろう。これにより拡張データの追加機能の必要に応じて選択することができる。いずれにしても、これらはハイエンドレンズであるため、それに応じた価格設定となっている。フルキットを使用する場合は、レンタルするのが妥当だろう。
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