連邦航空局(FAA)は、個人のドローンパイロットに対し182,000ドルという巨額の罰金を課した。これは、2019年12月から2020年8月までにフィラデルフィア周辺で行った少なくとも26回の違法なフライトに対する罰金としている。このドローンパイロットは、フライト情報を含むビデオをYouTubeに投稿しており、これが証拠となった。
ドローンなどUAV(Unmanned Aerial Vehicle:無人航空機)の飛行は、人や物に衝突して損害を与えるリスクがあるため、大きな責任を伴う。航空機など他の飛行物体との衝突も例外ではない。ドローンはここ数年で価格が低下し、より高性能になっており、ユーザーが増えるとともに問題が頻発している。 2年前にガトウィック空港に現れたドローンの記事を覚えている読者もおられるだろう。これに伴い、法律も整備されており、2021年1月1日にはEUのドローンに関する新しい規則が始まる。米国のFAAは、人の上空と夜間の飛行に関する新しい規則も追加する。
しかし問題は、法律を整備してもこれを遵守しないユーザーがいること。一例として、Skypan Internationalに200,000ドルの高額罰金が科せられた2017年の事例が挙げられる。そして今回は個人のドローンパイロットに対して182,000ドルの罰金が課せられた。
高額の罰金
ドローン法を専門とするRupprecht Law弁護士事務所は、連邦航空局(FAA)から通告された罰則書のコピーを受け取った。これにはドローンパイロットが、2019年12月から2020年8月までの間にフィラデルフィア周辺で少なくとも26回の違法な飛行を行い、FAA規則に違反したと書かれていた。
FAAはかねてよりドローンパイロットに対し、連邦航空規則に基づくsUAS(小型無人航空機システム)の安全な運用の要件に関する警告書とカウンセリングおよび教育を受けるよう提案し連絡している。
このドローンパイロットはYouTubeに多数の動画を公開しているが、高度やパイロットからのドローンの距離、地図上の位置、方向などの情報のスクリーンショットも投稿し、自分自身で証拠を提供している。
この情報に基づいて、FAAは、このドローンパイロットが制限された空域や夜間での飛行、および不適切な気象条件で複数回飛行したことを特定している。建物などの構造物に接近し、一度に複数の法律に違反することにもなった。さらに、少なくとも2回、ドローンの制御ができなくなっている。加えて、彼はリモートパイロット証明書を持っていないことも明らかになった。
Source: Rupprecht Law P.A.