半年前、timeinpixels.comのThomasz Huczek氏がFalse Colorプラグインのバージョン2.3をリリースした。以来彼はFalse Color 3.0の開発に専念していたが、今回これをテストする機会を得たのでレポートしよう。
False colorの概念については、以前のバージョンに関す記事(英語)を参照いただきたい。 Thomasz氏のブログには、「False Color Pluginについて知っておくべきこと」という記事(英語)もあるのでこちらも参考いただきたい。
False Color 3.0
このリリースでは、新機能や改良された機能が多くあるので、Thomasz氏が作成した下のビデオを見ると早いだろう。
False Color 3.0プラグインは確実に進化している。 Adobe CC(Premiere、After Effects)やDaVinci Resolve、Scratch、Nukeといった数多くのOpenFXプラットフォームをサポートしているだけでなく、以下の強力な機能も備えている。
1)GPUアクセラレーション
False Color 3のOpenFXバージョンは、対応するグラフィックカードがあればリアルタイムで実行される。 AdobeはGPUアクセラレーションもサポートしているが、現在ではハードウェア上での動作となっている。
2)スケールオーバレイ
スケール表示を「オーバーレイ」モードで設定できるようになった。ただし、OpenFXのバージョンに制限されている。このモードでは、スケール表示は別のレイヤーに表示されているので、実際のイメージの外側であっても、スケールを自由に動かすことができる。画像上に表示されないので邪魔になることが無く、ビューアーで画像をズームインする時など、適当な場所に配置することができる。なお、これはDaVinci Resolve上でのみ可能。
3)LUTエクスポート
これは便利な機能で、任意のfalse colorを作り、それを3D LUTとしてエクスポートすることができる。USBメモリーにコピーして、モニターで使用することができる。
4)その他のプリセット
プラグインインスペクタの数値やスライダーで設定するのが面倒な場合は、バンドルされているプリセットを選択する方法もある。下のように、それぞれにARRI、RED、Zacuto、VideoDevices PIX、SmallHDなどと名前を付けることができる。
もちろん、各プリセットを好みに合わせて調整することができる。
5)プリセットのカスタマイズ
カラーの代わりにグレースケールのグラデーションを設定することもできる。隣接する色の間のグラデーションは、「sharp」、「smooth」および「gradient」から選択できる。合計で最大15種類のグラデーションを定義できる。
6)改善されたsaturationモード
13番目のプリセットとして、いわゆるsaturation scaleがある。ツールは以前のバージョンから更新され、更に洗練されており、ショット間がトランジションで繋がれていても、ショット間のsaturationを比較することができる。 False Color 3.0プラグインは主にショット間の露出を調整するためのものだが、このモードではツールボックスにsaturationのマッチング機能が追加される。
7)ACESカラースペースのサポート
False Color 3.0プラグインはACES(Academy Color Exchange Specification :アカデミー色符号化仕様)をネイティブにサポートしていない。ただし、DaVinci Resolve上では回避策がある。これについて詳しくは、Thomasz氏のこちらの記事(英語)を参照いただきたい。
Remote False Color 3.0
これはまったく新しい機能であり、大きな機能だ。 Remote False Colorというコンパニオンアプリにより、作業しているショットからプラグインのオーバーレイを分離することができる。同じ画面で外部露出マッチングツールを使用するか、別のモニターがあればその画面にツール画面を表示することができる。
ショットを完全に一致させながら、連続して操作することができる。プラグインを有効にしておき、必要なショットに適用していく。次に、Remote False Colorウィンドウにオーバーレイを表示させる。このウィンドウは、必要に応じて任意の場所に配置できる。なお、この機能はDaVinci Resolveでのみ可能となっている。
価格と発売時期
False Color 3.0プラグインは現在入手可能で、選択できるバージョンは次のとおり。
バンドルバージョンは、OpenFXとAdobeバージョン、およびRemote False Colorアプリケーションを組み合わせたもの。
- バンドルバージョン:€49.99
- OFX:プラグインのOpenFXバージョン:€29.99
- OFX + Remote:OpenFXバージョンとRemote False Colorアプリケーション:€39.99
- Adobeバージョン(Adobe互換のバージョンだけなので、すべての機能がサポートされているわけではない):€19.99
また、既存のユーザーには割安の価格が設定されている。
- バンドルバージョンのユーザーは30%オフ。
- 1つのプラグイン(OFXまたはAdobeのいずれか)ユーザーは20%オフ。
- 最初のバージョンのユーザーは10%オフ。
また、timeinpixels.comのThomasz氏はFalse Color 3.0プラグインをユーザーが購入前に試用することを推奨しており、こちらで無料体験版をダウンロードできる。自分のニーズに合ったツールであることを確認し、本当に必要なものだけを購入すると良いだろう。
注意すべきことは、上記のとおり、このプラグインは現在DaVinci Resolveと連携して使用すると最も効果的だ。 使用しているワークフローによっては、期待する効果が無い場合もある。
Link: False Color plugin