昨日コダックはかつて一世を風靡したフィルム、エクタクロームの再生産を発表した。このフィルムは、ナショナルジオグラフィックからスパイク・リーの2006年の映画「インサイド・マン」に至るまで、広く使われているもので、フィルムファンや映像製作者にとって素晴らしいニュースだ。
2012年1月、コダックは10年連続の売り上げ不振で破産申請し、フイルムは撮影媒体の表舞台から消えていった。REDやARRIといったデジタルシネマカメラが、高画質と簡単なワークフローでフィルムに取って代わったのだ。しかし、J・J・エイブラムス(JJ Abrams, Martin Scorsese)、クエンティン・タランティーノ(Quentin Tarantino)、クリストファー・ノーラン(Christopher Nolan)といった業界の重鎮によって、そのフィルムのような質感は映像に残されていたのだ。
さて、現在米国ラスベガスで開催されているCESで、コダックはエクタクロームフィルムの再生産を発表した。ニューヨーク州ロチェスター(Rochester)にある同社の工場で生産し、2017年末に出荷の予定。
コダックのマーケティング・オフィサーであり、コンシューマー・アンド・フィルム部門のスティーブン・オーバーマン(Steven Overman)は、次のように述べています。「コダック・エクロラクローム・フィルムを映画界に再導入することは、映画を撮ることへの情熱を掻き立てることでしょう。コダックは映画製作者が芸術的な活動をするための不可欠な媒体として、フイルムを製造し続けることを約束します。我々は、これ誇りに思っています。」
エクタクロームは2013年にその生産を終了したが、きめの細やかさや演色、あるいはコントラスト処理で名高い。既に生産が終了しているコダクロームほどではないにせよ、エクタクロームは後処理的にはプロにもアマチュアにも容易だったと言える。
昨年、多くの映画がフィルムで撮影され、コダックが2016年後半に収益が戻るのを助けた。以下はコダックのフィルムストックで撮影された作品の一部で、最近リリースされたものだ。
ラ・ラ・ランド
ジャッキー
フェンス
ゴールド
ジェイソン・ボーン
ウエストワールド
沈黙-サイレンス-
ノクターナル・アニマルズ
マグニフィセント・セブン
ガール・オン・ザ・トレイン
2012年の倒産をデジタル革命の由々しき側面だという評論家もいるが、業界の支持を得て、コダックは変化をリードしようとしている。