FilmConvertは好評のカラーグレーディングプラグインNitrateの新しいバージョンを、WindowsおよびMac OSの両方でリリースした。Adobe Premiere ProおよびAfter Effectsに対応する。 Nitrateには、FilmConvertフィルムストックのCineon Logフィルムエミュレーション、高度なグレインコントロール、カメラ固有の露出、ホワイトバランス、色合いコントロール、Metal GPUアクセラレーションのサポートなどの新機能が含まれている。 FilmConvertは、今年末までにFinal Cut ProとDaVinci Resolveにも対応する予定。
FilmConvertは、映画製作におけるカメラの映像に「フィルムルック」を適用する、比較的容易なプラグインとして人気があり、主要なNLEに対応している。 NAB 2019で、FilmConvertはNitrateを発表した。(インタビュー記事はこちら) 今回このNitrateがリリースされたので、詳細をレポートする。
FilmConvert Nitrate
FilmConvert Nitrateは、従来のFilmConvertの使い方と変わらない。カメラに基づいて効果が適用される。ユーザーはカメラを選択し、ターゲットフィルムストックを選択し、そこから画像を微調整する。 Nitrateは、柔軟な操作のための新しい便利な機能を提供している。最大の特徴は、センサーレベルでさまざまなカメラの画像を正確に一致させることだ。これは、各カメラの特性を正確に認識していることによる。
Cineon Log Film Emulationを使用すると、フィルムのストックカラーを保持しながら、FilmConvertの元のフィルムストックエミュレーションのコントラストや彩度を変更できる。 Nitrateは、ログ映像(SLog、CLog、V-Logなど)やRAWをCineon Logフィルムストックに変換し、フィルムガンマカーブのあるフィルムストックカラーを生成する。 またFilmConvertはCineon to Print Filmスライダーを追加した。これにより、ユーザーはCineon Logとプリントフィルムのルックをブレンドできる。
もう1つの新しい機能は、完全なカスタムカーブコントロールだ。 ユーザーはFilmConvertの各フィルムストックについて、ハイライトとシャドウのロールオフを変更したり、独自のフィルムストックを最初から設計したりすることができる。 Nitrateは完全なログ画像処理パイプラインを使用するようになったため、映像のダイナミックレンジがグレーディングプロセスを通じて保持される。
高度なフィルムグレインコントロールにより、ユーザーはハイライト、ミッドトーン、シャドウのグレインのルックを個別に調整できる。デフォルトの曲線はフィルム素材に固有のものだが、ユーザーは曲線上のポイントをドラッグして、正確で的確な作業ができる。 Grain Saturationスライダーで、グレインをさらに微調整することができる。
その他の新機能には、カメラ固有の露出とホワイトバランスコントロール(カメラのネイティブレスポンスカーブを使用し、調整でより自然な結果を得る)、新しいティントスライダー、およびメタルGPUアクセラレーションのサポートがある。
価格と発売時期
現在FilmConvert Nitrateのアップグレードは、Mac OSとWindowsのAdobe Premiere ProおよびAfter Effectsに対応している。 FilmConvertは、今年後半にその他のプラットフォーム(Final Cut Pro X、DaVinci Resolve、HitFIlm、Magix Vegasなど)向けも発売する予定。 FilmConvertデスクトップアプリとPhotoshopプラグインは更新されない。
Nitrateとすべてのプラグインを含むFilmConvertバンドルの価格は199ドル、任意の特定のソフトウェアのプラグインは139ドルとなっている。 既存のユーザーがNitrateで新しい機能を利用できるようにするには、69ドルのアップグレード費用がかかる。 Nitrateを含むFilmConvertバンドルを購入すると、cinema5Dの購入リンクを使用して10%の割引が適用される。