Filmora(フィモーラ)9は、簡単で安価な編集ソフトウエアだ。Premiere Proのような本格的な編集ソフトが必要でない場合は、価格も含め有用な代替え手段かもしれない。日本語版も用意されている。
対象ユーザーは?
上記のビデオを見ると、このソフトウエアはYouTuberなど、あまり本格的な編集が必要ないユーザー向けのものと分かる。 YouTubeやソーシャルメディアのコンテンツ制作では、ワークフローが単純な場合が多く、Filmoraはそのような編集に適している。Filmora9には、Premiere Pro、Final Cut、Media Composer、Resolveなどプロ用ソフトウェアと同等の機能があるわけではない。しかし、短編映画やドキュメンタリーでもそのような条件での編集であれば、十分使うことができる。
主な機能
体験版も用意されている。 Filmoraのタイムラインは最大100レイヤーに対応している。多くの編集プログラムでは基本的な編集と変換機能があるが、Filmora 9にはこれらに加え、基本的な合成ツールとオーディオツールも用意されている。これらのオーディオツールは制限があるが、基本的なオーディオ機能は用意されている。ただオーディオスイートニングのプラグインはサポートされていない。Filmoraはフル4K(UHDとDCI 4Kの両方)の編集が可能。体験版でも4K編集も含めすべての機能が可能だ。ただし、出力した映像に透かしが入る。以下のような機能も搭載されている。
- ブレンドモード
- 手振れ補正
- クロマキー
- 基本色補正ツール
編集機能
今回のテストは2017年のiMacにFilmora9をインストールした。最新のパソコンではないので、パフォーマンスは完全ではない。 HD編集は問題なくできたが、4Kファイルはスムーズに再生できなかった。 今回は、何年も前にロシアで撮影したHD DSLR映像をインポートした。操作性は直感的なものだ。新しい編集ソフトの操作を習得するには、チュートリアルやヘルプマニュアルが必要な場合があるが、Filmora 9はかなり簡単だった。
インターフェースは3つの主要セクションに分かれている。左上のパネルは、メディア管理、オーディオ編集、エフェクト、トランジションなどのためのパネルで、右上のパネルは、ソースモニタとプログラムモニタを兼ねている。画面の下部にはタイムラインがある。今回は簡単な編集を行ってみた。キーボードショートカットを使用して、イン点とアウト点を設定し、挿入とオーバーレイを行ってみた。これらのキーボードショートカットは変更できない。そのため、プリセットショートカットを知っておく必要がる。またソースモニターからシーケンスに直接ドラッグアンドドロップすることはできない。ソースモニターでイン点とアウト点を設定し、クリップをメディアビンからシーケンスにドラッグダウンする必要がある。キーボードショートカットを使用するとこの一連の操作がやりやすい。このような単純な編集であればFilmora9は適している。しかしドキュメンタリーの編集などでは、サウンドやキーボードショートカットをカスタマイズする機能がないと時間がかかる。
サポートされているフォーマット
サポートされている記録フォーマットはかなり限られている。もちろん、FilmoraでREDのファイルを編集することはできない。 DSLRやミラーレスカメラでサポートされているフォーマットならほぼ問題なく使用できる。 Filmora9はProResを記録フォーマットとしてサポートしていないが、エクスポートフォーマットとしては記載されている。サポートされているすべての記録形式と書き出し形式、およびシステム要件の一覧はこちら。
価格
価格は6,980円(税込み)から。ライセンスは、商用目的のものも用意されており、こちらは毎月の使用料が必要になる。価格についてはこちらを参照いただきたい。
まとめ
正直なところ、プロの編集はFilmora9では厳しい。 Media Composer FirstとResolveは無料で入手できるので、やはりプロの編集者はこちらを選ぶだろう。 ただしMedia Composer FirstはHDに制限されている。ResolveはUHD 4Kをサポートしているが、DCI 4Kには対応していない。 Filmora9は4Kの両方のバージョンをサポートしているので、この点では優っている。 安価な編集ソフトウェアでDCI 4Kをエクスポートする場合は、Filmora9は検討の対象になるだろう。
日本語のWebサイトはこちら。