ftrack Reviewは、オンラインレビューツールのひとつの選択肢だ。これには確立されたプロジェクト管理ツール、ftrack Studioの簡易版の位置付けになる。
コラボレーションは、今日では重要な要素になりつつある。世界中で活躍する多くの独立系ビデオクリエーターが、お互いにつながり、コラボレーションを図ろうとしている状況では、なおさらだ。コラボレーションを支えるツールは幾つか提供されているが、ポイントは、1)使いやすさ、2)ユニバーサルアプリ、できればブラウザ内にあり、デスクトップやモバイルデバイスでアクセスできることが好ましい。 3)ビデオだけでなく、柔軟にファイルを扱えることなどが挙げられる。
ftrack Reviewの概要
ftrack Reviewは、一般的なプロジェクト管理およびプロダクショントラッキングツールであるftrack Studioの簡易版の位置付け。Studioバージョンにあるプロジェクト管理ツールは搭載されていない。そのため、インディーズ映画制作者など個人レベルのクリエーター向きとなっている。
ftrack Reviewはクラウド上で実行され、スマートフォンから任意のブラウザでアクセスできる。ビデオファイルをftrack cloudにアップロードすると、クライアントはこれを確認できる。
ワークフロー
アカウントを設定すると(7日間の無料トライアルもある)、最初のプロジェクトを作成するように求められる。その後、そのプロジェクトに新しいレビューコンテナを作成する。あらゆる種類のビデオファイル、さまざまな種類の画像、編集データ、PDFなどに対応している。最後に、アップロードしたファイルをレビューするように他の人に依頼できる。操作はこれだけで、すべて任意のブラウザで行われ、250GBのftracks cloudに安全に保管される。
ファイルをレビューするように招待された人には、リンクが記載された電子メールが送信される。それぞれのコメントやリクエストを、指定されたボックスに入力できる。また、関連付けられたチームメイトにもEメールで通知される。
さらに、それぞれの発言は時間を追って記録されているので、誰もが進捗状況を把握できる。すべての関係者が承認すれば、プロジェクトは承認済みとしてマークされる。更に微調整が必要な場合は、同じファイルをもう一度アップロードすると、自動的にバージョンアップされる。
チームメンバー用の内部レビューが用意されており、ここにはクライアントは含まれない。内部で了解後、クライアントに通知することができる。
ftrack reviewでは、すべての変更、コメント、バージョン、承認されたファイルを追跡しているため、ユーザーがこれらを行う必要はない。どのワークスペースにも250GBのストレージが与えられ、プロジェクト、レビューと参加者は無制限だ。
なお、各コメントを含む要約をPDFで出力することもできる。
ftrack Review と ftrack Studio
ftrack Reviewはftrack Studioに含まれているが、Studioバージョンは単なるレビュープラットフォームではなく、本格的なプロジェクト管理ツールだ。もちろんftrack Reviewより高価で、多機能でもあり、個人レベルのクリエーターよりも大規模なスタジオに対応している。そのため、ftrack Reviewはスタンドアロン製品として展開されている。ただ、ftrack Reviewに欠けているのは、Premiere Pro、Final Cut Pro X、DaVinci Resolveなどの一般的なNLEとの密接な統合だ。
Studioバージョンでは、そのためPython APIが提供されているが、Reviewバージョンには含まれていない。しかし、ftrack Reviewは、将来的にはNLEとの統合があるかもしれない。これに関してはFrame.ioは各種NLEに統合されている。
価格
ftrack Studioと同様に、ftrack Reviewはユーザー単位で請求される。ユーザーとは、プロジェクトへのアクセスとデータのアップロードを許可されているチームメンバーで、クライアントは含まれない。従ってクライアントが増えても価格は同じだ。アップロードしたアセットを確認するために誰かを招待すると、クライアントに通知が届く。クライアントはログインを必要とせず、招待メールに記載されているリンクだけで、ftrackのレビューポータルにアクセスできる。
ftrack Reviewを使用する場合、ユーザー1人あたり月15ドルが課金される。 なお、年間支払いを選択すると1ユーザーあたり年間120ドル(10ドル/月)ななる。7日間の無料トライアルも利用可能だ。
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