現在、一部の富士フイルム製カメラユーザーから、macOSシステム使用時のデータ損失が報告されている。これはファイルシステムの問題によるもので、富士フイルムはその解決に取り組んでいる。
現在、富士フイルムのカメラで、次のような問題が発生している。カメラのSDXCカードに大量のファイルを生成し、macOSシステムを使ってファイルをコピーすると、すべてのファイルが表示されないことがある。
具体的には、1つのフォルダに4096個以上のファイルを取り込んだ場合、メモリーカードを内蔵または外付けのカードリーダーに入れると、4097個目以降のファイルが表示されない。これはあまり気にならないかもしれないが、例えばJPEGとRAWの両方を撮影するように設定した場合、1回のシャッターで2枚のファイルを撮影するため、1つのフォルダーに2048枚までしか撮影できないことになる。1枚のカードで4096枚のクリップを撮影することはほとんどないが、この問題はビデオファイルにも影響を及ぼす。
メディアが誤って排出された場合、これらの不可視のファイルが破損したり、アクセス不能になり、その結果失われる可能性がある。
これはmacOSのフォルダーの扱い方に起因している。UNIXベースのOSであるため、フォルダーは4096ファイルまでに制限されている。Windowsや富士フイルムのカメラで使われているOSには、このような制限はない。富士フイルムの機種では、理論上は1つのフォルダに9999個のファイルを格納することができる。
ちなみにこの問題は、M1 MacとIntel Macの両方で発生する。
対象機種
ファームウェアに関係なく、以下の機種が対象となる。
- GFX100
- GFX100S
- GFX50S II
- X-Pro3
- X-T4
- X-S10
- X-E4
- X-T30 II
- X100V
ファームウェアによっては、以下のカメラも影響を受ける。
- GFX 50S (Ver.4.00 or later)
- GFX50R (Ver.2.00 or later)
- X-T3 (Ver.3.20 or later)
予防と対処法
この問題を防ぐには、1つのフォルダではなく、複数のフォルダを作成して使用することだ。富士フイルムでは、1つのフォルダーを1,000フレームまたは1ファイル以下に制限することを推奨している。この量に達したら、セットアップメニューの「フォルダ選択」機能を使って、新しいフォルダを作成し、そこに切り替えることができる。
もし、それ以上になってファイルが消えてしまった場合は、SDカードを入れたままカメラをUSBで接続し、カードリーダーとして使用すると、ファイルを見ることができるようになるようだ。
または、Windowsパソコンにメモリーカードを接続するとファイルをコピーできる。
富士フイルムでは、この問題の対処方法を詳しく説明しているので、こちらをご覧いただきたい。
この問題は新しいものではなく、2021年5月のブログ記事と2021年7月のビデオで、この問題といくつかの解決策を紹介している。富士フイルムは、2022年2月2日のプレスリリースで、この問題を確認している。
また、解決策(1つのフォルダに書き込むファイル数を制限する)に取り組んでいると述べているが、このファームウェアアップデートがいつ利用可能になるかは言及していない。