富士フイルム GFX100 II 解説 – 商品企画チームインタビュー
富士フイルムは、これまでの同社のカメラの中で最も先進的なビデオモードを搭載した全く新しい大判カメラGFX100 IIを発表した。最大8K 30pのProRes、H.264、H.265をCFexpressやSDカード、外付けSSDに記録できる。アナモルフィック記録モードの発売時期に加え、外部ハードウェアを必要としないCamera-to-Cloudも統合されている
2019年、富士フイルムはフルサイズとミディアムフォーマットの中間のセンサーサイズを持つ初のGFXラージフォーマットカメラを発表した。そして今回、富士フイルムは初代GFX100の直接の後継機となるGFX100 IIを発表した。商品企画担当の大石氏と商品企画担当の米田氏に、GFXラインとGFX100 IIの特徴についてお話を伺った。
GFX100 IIのセンサーとプロセッサー
富士フイルムGFX100 IIは、ラージフォーマットカメラGFXの新しいフラッグシップ機となった。このカメラは、前モデルと同じ画素数でありながら、読み取り速度が向上した新しいセンサーを搭載している。この高速化により、静止画の連続撮影の高速化だけでなく、ローリングシャッターを最小限に抑え、動画クロップなしで4Kおよび60pの動画撮影が可能になった。(レビューはこちら)
GFX100 IIには、富士フイルムのX-H2S、X-T5、X-S20にも採用されているX-Processor 5が搭載されている。
動画機能
X-H2Sのフラッグシップビデオ機能をベースに、GFX100 IIは8K 30pまで記録できる。誠さんによると、4K 60pで撮影した場合、最高のローリングシャッター結果が得られるはずだという。もちろん、このカメラの量産モデルが手に入り次第、独自のラボテストを実施して検証する予定だ。
センサーの水平方向の全ピクセルを使用する5.8K GFで記録することで、最高の視野を得ることができる。GFXは35mmフォーマットでアスペクト比3:2の記録も可能だ。
120フレーム/秒は最高フレームレートであり、HDでのみ使用可能となる。これはセンサーの読み取り速度の制限によるものだ。
豊富な画像フォーマット
ラージフォーマットのセンサーを採用したGFX100 IIは、レンズアダプターを使用してあらゆるレンズに対応できるよう、GF、プレミスタ、35mm、アナモフィックの画像フォーマットを提供している。
これらの画像フォーマットは、非Gマウントレンズ用のレンズアダプターに関連している。装着されたレンズアダプターによって、理想的にはカメラが自動的に正しい画像フォーマットを選択する。その結果、センサーエリアは選択されたフォーマットによって異なる。
CineDレンズカバレッジツールを使用して、すべての記録モードを視覚化して比較し、シネレンズとフォトレンズの膨大なデータベースでレンズカバレッジを確認する。
アナモフィックモード
富士フイルムのカメラで初めて、カメラ内でアナモフィックデスクイーズオプションを提供するGFX100 IIは、レンズの選択に合わせて1.3倍、1.33倍、1.5倍、1.8倍、2倍のアナモフィックスクイーズから選択できる。
画像はカメラ内でデスクイーズされるので、カメラのスクリーンやEVFで適切に変換された画像を見ることができ、またデスクイーズされた映像をメモリーカードに記録することもできる。
私たちが知る限り、このカメラは、画面上にデ・スクイーズされた画像のみを表示し、ポストプロダクションでデ・スクイーズする代わりに、デ・スクイーズされたアナモルフィック画像をメモリーカードに記録する最初のカメラでだ。
ダイナミックレンジ優先
フラッグシップAPS-CカメラX-H2Sが、より高いダイナミックレンジを実現するために14ビットのセンサー読み出しを備えているのに対し(詳しくはラボテストを参照)、GFX100 IIは12ビットのセンサー読み出しのみを備えている。
しかし、GFX100 IIには「F-Log2 Dレンジ優先」と呼ばれる機能があり、独自の技術を利用して約1段高いダイナミックレンジを実現している。この機能は、4K UHDまたはDCIで23.98p、24p、25p、29.97pで記録する場合、GFとPremistaの画像フォーマットでのみ使用可能となる。この機能を使用すると、ローリングシャッターが目立つ可能性がある。次回のラボテスト記事でこのモードもテストする予定だ。
制限事項
場合によっては、特定の解像度が24pのみに制限され、それ以上には制限されないことがある。これはセンサーの読み取り速度の限界に達した結果だ。この24pの制限の例としては、DCI 8Kや35mm 3:2で記録する場合がある。
Sスクリーンデザインの選択
長いブレーンストーミングの後、富士フイルムは、完全な多関節スクリーンではなく、3方向チルトモニターデザインを搭載するという物議を醸す決定を下した。米田氏は、GFX100 IIはビデオよりも写真撮影に使用するユーザーが多いという前提で、この決定を正当化している。
熱対策
コンパクトカメラのボディにこれだけのパワーを搭載すると、センサーとプロセッサーから大量の熱が発生する。富士フイルムはGFX100 IIの放熱を助けるために、X-H2S、X-H2、X-S20などのXカメラにも対応している既存の冷却ファンアクセサリーと互換性を持たせた。
冷却ファンアクセサリーを取り付けるには、スクリーンを押し出してスペースを確保し、取り付けスレッドとコンタクトピンを露出させる必要がある。
内蔵カメラ・ツー・クラウド
オプションのファイル転送グリップがX-H2SとX-H2用にリリースされ、Camera-to-Cloud機能が使えるようになって以来、富士フイルムユーザーはなぜこれがカメラに内蔵されていないのか不思議に思っていた。
GFX100 IIから、Camera-to-Cloud機能はオプションのアクセサリーを必要とせずにボディに内蔵されている。カメラ本体にはイーサネットコネクターが装備され、カメラはすべての通信プロトコルをすぐにサポートする。
記録メディア
X-H2SやX-H2と同様に、GFX100 IIもCFexpress Type BとSDカードスロットに記録できる。すべての解像度とフレームレート(720 Mb/sでも)でV90 SDカードにH.265とH.264で記録できるが、ProRes記録にはCFexpressカードを使用する必要がある。
また、富士フイルムのカメラとしては初めて、GFX100 IIは外付けSSDドライブに直接記録することができる。
価格と発売時期
富士フイルム GFX100 IIは、1,143,450円で注文できる。
GFX100 IIの詳細については、メーカーのウェブサイトをご覧ください。
また、レンズカバレッジツールでは、多くの記録フォーマットの違いや、どのレンズがどのフォーマットをカバーしているかを確認することができる。