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富士フイルムへのインタビュー - ビデオ機能の方向性を聞く

NAB会場で、富士フイルムに今後の製品の方向性、特にカメラのビデオ機能に関する計画について話を聞いた。ビデオユーザーから好評を得たX-T2を開発したメーカーゆえ、その方向性は非常に気になるところだ。

現在のビデオマーケット向け製品

インタビューの結果から言えば、富士フイルムは映像制作のマーケットにも重点を置こうとしているようだ。 FUJINON MK18-55mm T2.9マニュアルズームレンズ(レビューはこちら)を導入したが、コンパクトで軽量な製品を開発するというコンセプトに沿った製品だ。ただ、これはいくつかの妥協点も含んでいる。

まず、マウントはXマウントとEマウントのみが用意される。これは、非常に短いフランジバックのマウントであるため。将来EFマウントも追加されるかもしれないが、可能性はあまり高くないようだ。顧客のニーズに応じて対応されるだろう。

FUJIFILM

The FUJINON MK18-55mm T2.9 X-mount manual zoom lens at NAB 2017

次に、このレンズはマニュアルであるということが、安価でコンパクトな製品となった理由のひとつではあるだろう。今のところ、レンズとカメラ間でデータのやり取りはないが、富士フイルムは今後電子インターフェースの実装も検討している。ただし、これはXマウントバージョンのみに予定されているようだ。これにより、MK18-55mm T2.9およびMK 50-135mm T-2.9は、将来の発展の可能性を秘めたレンズとなるだろう。

将来のビデオ機能の方向性

同社は、X-T2(レビューはこちら)、XT-20(レビューはこちら)、X-Pro2(レビューはこちら)など、過去6年間でさまざまなカメラを投入してきた。 これらのモデルはすべてビデオを撮影することができるが、明らかにフォトカメラマンをメインターゲットにしたものだ。しかし明確なことがひとつある。 それは、同社は非常に優れたレンズを作ることができ、Xマウントレンズの豊富なラインナップを持っているが、これを活かして上記のMK18-55mm T2.9マニュアルズームのような製品でビデオマーケットへの進出も画策しているということだ。MK50-135mm T2.9も発売され、ビデオマーケットへ進出するラインアップも着々と拡充されつつある。

Fujifilm

インタビューでは、

当社のレンズは、広く使われています

とのことだったが、これは主にフォトレンズのラインナップに関してであろう。しかし、フジノンブランドの業務用高品質のレンズを作る技術もあるわけで、今後映画用のレンズでも大きな期待が持てる。

その他のビデオ機能

GFX 50sは、富士フイルムの最新ミラーレスカメラで、中判の51.4メガピクセルセンサーを搭載している。興味深いのは、スチルカメラながら、フルHDビデオ録画と、さらにオーディオ入力ジャックを備えていることだ。ビデオ機能は優先されていないスチルカメラなのに、オーディオジャックが付いている意味はなんだろうか?やはり将来的にはHD以上のビデオパフォーマンスの可能性を残しているのではないかと思われる。

Fujifilm

FUJIFILM GFX 50s.

富士フイルムの人々は、ビデオユーザーが求めるすべての機能を備えたビデオカメラというものはあまり念頭にないのかも知れないが、このオーディオジャックは、将来充実されるであろうビデオ機能の象徴のようにも見える。実際、同社は既にビデオ撮影に必要な機能すべての知識があり、将来これを各製品に展開していけば良いわけだ。ソニーが確立したラインアップ、即ち、エントリーレベルのモデル、フォトカメラマン向けのRモデル、ビデオカメラマン向けのSモデルなど、α7カメララインアップのように、目的に応じたラインナップの展開もソリューションとして考えられるだろう。

まとめ

富士フイルムからはまだ具体的な方向性を聞き出すことはできなかったが、ビデオ機能を充実させていく方向性は期待できるだろう。今回のインタビューでは、カメラやレンズに関する限り、ビデオマーケットへの方向性は非常に肯定的なように感じられた。ソニーのα7 / α9ラインアップのような製品と競合するカメラが同社から登場してくることを期待したい。

フジヤエービックのショップサイト

 

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