富士フイルムは、新しいAPS-CフラッグシップカメラX-H2Sを発売した。このカメラは、26.16MP X-Transセンサーを搭載し、最大6.2K/30Pの4:2:2 10bit Apple ProRes HQ/LT/Proxy、最大4K/120pとFHD/240pの4:2:2 10bit h.265 内蔵記録が可能だ。
このカメラは、初代カメラ「X-H1」の待望の後継機だ。新しいX-H2シリーズの最初のモデルとして、X-H2Sが発売された。そして、10-bit 4:2:2 Apple ProRes HQ/422/LTまたはProxyで内部記録する。また、フルサイズ(!)のHDMI端子を介した6.2K(6240×4160)の12ビットProRes RawおよびBRAW(Blackmagic)外部記録も可能だ。
X-H2Sは、この種のAPS-Cデジタルカメラとしては初めて、富士フイルムの従来のX-Trans CMOS 4センサーの最大4倍の信号読み取り速度を持つ積層型裏面照射型センサー、26.16MP X-Trans CMOS 5を採用している(X-T4のレビューはこちら)。
X-H2S
先に一つ言っておくと、確かに X-H2Sの過熱を防ぐためにオプションのファンがあるが、メーカーによると、4K/60pで約240分の連続動画撮影ができる放熱設計になっているとのこと。高温下での作業に対し、その240分を維持するためにファンが付いている。従って、必ずしもファンが必要なわけではなく、、それ以上でも以下でもない。
外部録画では、F-Log2プロファイルでの映像出力が可能で、同社によると、最大14+ストップのダイナミックレンジが得られる。
ボディデザイン
X-H2Sは、重いレンズと相性の良い大型グリップ、設定内容を素早く確認できる天面の液晶ディスプレイ、プロの酷使に耐える高剛性ボディなど、FUJIFILMの従来機「X-H1」のデザイン性を踏襲している。
嬉しいことに、単体の動画撮影ボタンが追加されている。X-H2Sは、CFexpress Type BとSDカードに対応したデュアルメモリカードスロットを搭載しており、記録メディアは、1枚。また、162万ドットのバリアングル液晶ディスプレイと、576万ドット(倍率0.8倍)の電子ビューファインダーを搭載している。
手ブレ補正機能など
新開発の5軸ボディ内手ブレ補正機構を搭載し、最大7段分の手ブレ補正効果を謳う。
富士フイルムは、ディープラーニング技術を活用し、低コントラスト環境での動く被写体の追従性に磨きをかけ、被写体検出AFとゾーンAFを向上させた。また、被写体検出と追尾は、人間の顔や目から、動物、鳥、車、バイク、自転車、飛行機、そして列車にまで拡大されている。
X-HS2は、動画専用機ではなく、ハイブリッド機であり、静止画においても、ブラックアウトフリーで最大40コマ/秒の連写が可能で、高速連写モードでは30コマ/秒(JPEG)、20コマ/秒(RAW)で1000コマを超える連写が可能だ。
アクセサリー
X-H2Sには、2種類のバッテリーグリップと前述のファン、そしてカメラの各種ポートをカバーして埃などから守るための、いわゆるカバーキットが専用アクセサリーとして用意されている。
バッテリーグリップはいずれも大容量バッテリー「NP-W235」を2個装着可能だが、ファイルトランスミッターグリップは有線LAN接続と高速ワイヤレス通信に対応したグリップで以下のことができる。
- 有線LAN/無線LAN/USBによるFTP転送 スマートフォンのテザリング
- 有線LAN/無線LANによるテザー撮影
- 有線LAN/無線LANによるリモート録画機能、ブラウザから最大4台のX-H2Sを同時にコントロール可能。
カメラ本体背面にケーブルレスでファンを取り付け、電源を供給することで、高温時の連続動画撮影時間を延長し、熱によるカメラのシャットダウンの心配を解消する。上記のように、高温環境での撮影でなければ必要ない。カメラにファンをつけるのはちょっと抵抗があるが、必要なときに手元に置いておけるこのソリューションは妥当な妥協点だ。
価格と発売時期
X-H2Sは7月上旬に出荷され、価格は2,499ドルに設定されている(国内はオープン価格)。アクセサリーも7月に発売される(ファイルトランスミッターバッテリーグリップを除く)。
- VG-XH 縦型バッテリーグリップ:399ドル
- FT-XH ファイルトランスミッター。2022年9月発売/999ドル
- FAN-001クーリングファン:199ドル
- CVR-XHカバーキット:19.99ドル
このカメラはインディーズ映画製作者にとって非常に興味深いものだと思われるので、ご期待いただきたい。
Link: 富士フイルム