富士フイルムX-H2Sについて、富士フイルムにインタビュー
NAB2022の期間中、私たちは新しいカメラ富士フイルム X-H2Sを独占的に初公開し、同社のVictor Ha氏に話を聞いた。また、新しいレンズについても触れている。
X-H2Sは、2年以上前から開発されており、物語、ドキュメンタリー、コマーシャルビデオ作品を撮影する映像制作のプロフェッショナルを対象としている。このカメラは311,850円で発売されるため、低予算の中でも素晴らしい選択肢となるだろう。
主な機能
新しいFUJIFILM X-H2Sの主な新機能は、3つの記録モード(ProRes HQ、ProRes 422、ProRes LT)の内部ProRes記録だ。ユーザーからのフィードバックにより、トランスコード時間を短縮するためにProResの内部記録を行っている。ProResは編集に適したコーデックで、高機能のコンピュータでなくても取り扱える。
2つ目の大きな新機能は6.2Kオープンゲート記録。3:2センサー全体を記録するので、例えばアナモフィックレンズを使用する場合に最適だ。
3つ目は、積層型BSI(裏面照射型)センサーと新プロセッサーを最大限に活用するため、オートフォーカスが改良されたこと。これらの新しい部品と強化されたアルゴリズムを組み合わせることで、人物や物に対するオートフォーカスの追従性が向上している。
特筆すべきもう一つの特徴は、2種類の外部RAW記録-AtomosデバイスではProRes Raw、BlackmagicレコーダーではBlackmagic RAW-が可能なことだ。
X-H2Sは、内部で6.2K最大30p、4K最大120p、HD最大240コマ/秒の記録が可能。
新しい冷却アクセサリー
同社の徹底したテストによると、さまざまな撮影環境を考慮し、直射日光下で80分間、カメラのディスプレイに高温警告が表示される前に撮影することができる。また、カメラに負荷をかけることを想定して(あるいは念のため)、富士フイルムは冷却用のアクセサリーも発売している。このアクセサリーには、カメラ背面にネジ止めされ、カメラ背面のポゴピンから電力が供給されるアクティブパワードファンが含まれている。
このアクセサリーはカメラに同梱されず、オプションとなる。
新F-Log2ピクチャープロファイル
新しいセンサーとプロセッサーを活かすために、F-Log2という新しいフラットピクチャープロファイルがあり、ダイナミックレンジを最大14ストップまで拡張することができる。これは、近々、私たちのラボテストで検証する予定だ。14bitで処理した後、10bitのコーデックでメモリーカードに記録することができる。新しいコンポーネントのため、ノイズと信号が異なる方法で処理される。この結果、F-LogのベースISOが640ISOであるのに対し、F-Log2の新しいベースISOは1250ISOとなる。
Logを撮影したくないすべての人のために、F-Logほどフラットではないが、大きくカラーグレードする必要がなく、大きな柔軟性を可能にするEternaフィルムシミュレーションがある。
富士フイルムのカメラに近々登場する新しいフィルムシミュレーションを予告したが、名称も詳細も発表されていない。
オーディオ
X-H2Sには3,5mmマイク端子とヘッドホン端子の両方が搭載されており、電源を供給するかドングルでオーディオモニタリングを可能にするUSB-C端子を備えていたX-T4からの大きなアップグレードとなる。オーディオ性能はX-T4と同じで、新しいX-H2SはXLRオーディオアダプター「Tascam CA-XLR2d-F」にも対応する予定。
バッテリー
X-H2SにはNP-W235バッテリーが採用され、1つのバッテリーで4K 24pで1時間の連続録画ができる。
さらに、X-H2S用のバッテリーグリップも用意され、パワーバンクなどのUSB-Cの外部電源を使ってカメラに給電することもできる。
Wooden Cameraのカメラアクセサリー
富士フイルムはWooden Cameraと連携し、アクセサリー用の多くのマウントポイントとトップハンドルを提供するX-H2Sカメラ用のカスタムカメラケージをリリースした。
Wooden Cameraは、Vマウントバッテリーなどからカメラに電源を供給できるピグテールケーブル付きのバッテリーダミーも用意する。
Wooden Cameraからのもう一つの歓迎すべきアクセサリーは、新しいステンレス製のXシリーズからPLマウントへのアダプターで、さらに重い(アナモフィック)シネマレンズをサポートする。
その他
このカメラは6.2Kと4KをProRes(HQ、422、LT)で記録でき、同時に同じCFexpressカードに低解像度のHD ProRes Proxyを記録できる。
発売時点では、カメラ内のアナモフィックレンズからの画像をデスクイーズする機能は無いが、この機能はロードマップに掲載されている。
カメラの電子ビューファインダー(EVF)は、X-T4と比較して、リフレッシュレートが高く、より鮮明な569万ドットディスプレイを採用している。視度範囲は変わらない。
新レンズ「フジノンXF18-120mm F4」
フジノン放送用レンズ部門と共同で開発した新レンズ「フジノンXF18-120mm F4」も紹介された。このレンズは、レンズ側面にピント合わせにも使えるパワーズームロッカーを装備している。ズーム速度やズーム域をカメラ内で設定でき、パーフォーカルでフォーカスブリージングが少ないレンズだ。
新開発の「XF 18-120mm F4」は、ズーム全域で絞りを一定にしたのが特徴で、価格は899.95ドル。
価格
X-H2Sはボディのみの販売となるので、ユーザーはフジノンXFレンズを購入するか、アダプターを使用してシネマレンズを購入するかを選択することができる。 X-H2Sの価格は、311,850円、X-H2S用の冷却ファンの価格は26,730円で、フジヤカメラで予約を受け付けている。
Link: 富士フイルム