富士フイルムがX-T2の新ファームウエアを発表 - 内部F-Log記録が可能に
富士フイルムがX-T2カメラのファームウェアアップデートを発表した。このアップデートで、F-Log内部記録と、フルHDモードで120fps以上の記録が可能になる。
同社は、X-H1でこれらの機能を実現しているが、ユーザーフィードバックによりX-T2にもF-Log記録を入れることにしたようだ。2017年11月に同社の渡邊淳氏にインタビューしたが、その時からX-T2にも内部F-Log記録を搭載する考えがあったようだ。Cinema5Dでは2016年にX-T2をテストし、レビューしている。今回はX-T2の完全なレビューではないが、新しいファームウェアをアップデートし、X-H1と比較してみた。
F-Ligガンマモードを内部記録する意義
このモードで撮影する理由は2つある。1つは、カメラの持つ最高のダイナミックレンジで撮影できることだ。これにより、ハイライトが飛ぶこと無く、暗部が潰れること無く収録することができる。2つ目の理由は、フラットな画像で収録し、好みの色調になるようにグレーディングできることだ。上記の画像の背景にあるハイライトを見て欲しい。左はスタンダードフィルムシミュレーションで、右がLUTが適用された映像。ハイライトの部分で違いがはっきり分かるだろう。
実際に使ってみて
富士フイルムのカメラメニューに慣れているなら、新しいF-Log関連のメニューを見つけるのは難しいことではない。 X-H1と異なり、これはサブメニュー(4K MOVIE OUTPUT)内にあり、前列のMOVIE SETTINGページには表示されない。ハードウェアの都合で、ロントメニューページに持ってこれなかったのかも知れない。 F-Logで収録した映像をグレーディングしたが、特に肌の色調で多少ムラが出てしまった。 (8ビットカラーサンプリングの制限が影響しているかも知れない)。ファームウェアがダウンロードできるようになったので、是非自分で試してみた結果を知らせて欲しい。 私も映像をもう一度チェックしてみたい。もう一つ伝えておきたいのは、“turn off and on again”のエラーノートが出ることだ。なぜそれが起こっているのか分からないのだが、何度もこのメッセージにお目にかかった。良かった点は、1080/120fpsの設定ができるようになったことだ。冒頭のビデオの映像は、他の部分が4Kで収録しているので、それに合わせるため、すべて4Kにアップスケーリングしている。なお、ファインダーやLCDモニター上で、表示の位置や大きさカスタマイズできる機能は実にすばらしい。歳を取ると、この機能のありがたさが分かるだろう。
X-T2とX-H1を比較すると
機能差が小さくなったとはいえ、私の意見ではまだX-H1の方が上だ。より高いデータレートでの収録、ボディ内手ぶれ補正、ETERNAフィルムシミュレーションモード、タッチスクリーンオートフォーカスと言った機能は、やはりX-H1を優位に立たせている。
Ver.4.00の主な機能
- F-log 撮影映像をSDカードに記録
- 1080pで120fps記録
- フジノンMKX18-55mmT2.9とMKX50-135mmT2.9シネマレンズとの互換性。モニターに絞り情報を表示することができる。また、TストップかFストップを選択できる。更にモニターに距離インジケーターが表示されフォーカスを確認することができる。更に歪みやシェーディングを自動的に補正する。カメラはホワイトバランスを自動的に計算し、フィルムシミュレーションモードでカラー情報を提供する。
- ビューファインダーとLCDモニターのインジケーターや情報の位置と大きさをカスタマイズできる
まとめ
今回のアップデートはユーザーの声を聞き、適切な機能追加が行われている。正しく使えば、かなり満足度の高い収録ができるだろう。 ただし、手ぶれ補正対策として補正機能のあるレンズや三脚が必要だ。もう一つ強調しておきたいのは音質だ。X-T2とX-H1のサウンドに関しては、かなり高品質の収録ができる。
冒頭のビデオの “caffe latte”の部分は、X-T2でF-Logを使用して撮影し、Adobe Premiere最新版で編集した。 またFilmConvert(X-T2 F-Logプロファイル)でグレーディングしている。
ダウンロード: X-T2 ファームウエア Ver 4.00.