富士フイルムは、ミラーレスハイブリッドカメラ「X-Tシリーズ」の最新機種X-T5を発表した。 X-T5は、その名の通り、このシリーズの第5弾で、新しい(非積層型)40.2MP X-Trans CMOS 5 HRセンサーとX-H2カメラ(記事とレビューはこちら)にすでに搭載されているX-Processor 5を搭載しているのが特徴。
富士フイルムによると、新しいX-T5カメラは、X-T4、X-T3、X-T2よりもコンパクトに仕上がっている。重さもX-T4より50g軽い557g(バッテリー、SDカード含む)となっている。
富士フイルムイメージングソリューションズ事業部長の山本氏は、新機種について次のように語っている。
「X-T5は、X-Tシステムの核であるポータビリティを追求した小型・軽量ボディにIBISを搭載しています。また、どの位置からでも静止画や動画を確認できる3方向チルトスクリーンも搭載しています。”
X-T5:概要
まず、X-T5のセンサーについて。この23.5mm x 15.6mm 40.2MP X-Trans CMOS 5 HR非積層裏面照射型APS-Cセンサーは、今年9月上旬に X-H2で初めて発表された。8Kの解像度を出力することができるが、もちろん、そのためにはカメラ側で適切な処理パイプラインが必要だ。X-T5では、このセンサーは6.2K/30p(4:2:2 10bit時)が限界だが、それでもこの小さくてコンパクトなカメラボディとしては、驚くべきことだと言える。
4K HQモードでの撮影を選択すると、6.2Kからオーバーサンプリングされ、結果的に優れた4K映像を実現する。さらに、この高解像度センサーのおかげで、画質を顕著に落とすことなく、最大2倍までのデジタルズームが可能となっている。
X-T4と同様、デュアルSDカードスロットを搭載している。
また、このカメラは新しいF-Log2プロファイルを搭載しており、富士フイルムによると、13ストップ以上の広いダイナミックレンジを実現している。外部録画では、HDMIで6.2KのRAW信号を出力し、2つの選択肢がある。
- ATOMOS:最大6.2K/29.97pの12ビットApple ProRes RAW。
- Blackmagic Design Video Assist 12G:最大6.2K/29.97pのBlackmagic RAW。
その他の機能
40.2MPセンサーから160MPの高解像度画像を生成する、いわゆるピクセルシフトマルチショット機能を活用できる。さらに、X-T5では、人気の高いエテルナプロファイルと最新のノスタルジックネガを含む19種類のフィルムシミュレーションが可能だ。
X-T5は、5つの手ぶれ補正軸を持つボディ内手ぶれ補正(IBIS)を搭載し、最大で7段分の補正が可能。X-H2と同様、X-T5の標準的な最低ISO設定値は125のみとなっている。
倍率0.8倍の369万ドットEVFと184万画素のトリプルチルト液晶を搭載している。そしてもちろん、X-T5は、ISO、シャッタースピード、露出補正のためのダイヤルを備えた、クラシックなXシリーズのデザインを踏襲している。
アクセサリー
富士フイルムは、この新しいカメラのために専用のハンドグリップを提供している。MHG-XT5ハンドグリップは、大型で重いレンズを使用するために設計されている。また、アルカスイス規格のクイックリリースプレートを装備している。
価格と発売時期
X-T5は、ブラックとシルバーの2色があり、11月下旬の出荷を予定している。価格はオープン。想定売価はボディ単体で253,000円前後。また、2種類のカメラ・レンズキットも用意されている。
- X-T5ボディとフジノンXF18-55mm F2.8-4 R LM OIS
- X-T5ボディとフジノンXF16-80mm F4 R OIS WR
映像クリエーターのためのカメラ新機種に込めた想い
富士フイルムは、この新しいX-T5のような写真家向けのカメラと映像製作者向けのカメラの間に明確な線引きをしたようだ。確かに、X-H2より安価だがが、異なるProResモードで記録することも、CFexpressカードスロットも搭載していない。X-T4で撮影した経験からすると、撮影には、(例えば)X-H2の方が汎用性の高いカメラになるかもしれない。
Link: 富士フイルムのウェブサイト