F&Vは多くの革新的なLED照明を発売しているが、新しいソフトライト、F&V Z1200VC、3×1 LEDライトを発売した。
筆者は柔らかい照明を好んで使用している。映画制作を始めた頃は、HMI(Hydrargyrum Medium-arc Iodide )やタングステンフレネルは、複数のデフューザーフレームやKinoFlosのような蛍光灯器具で使われていた。
筆者はこれまでLED照明はあまり使わなかった。なぜなら肌の色合いが好きではなく、常に光の質が「粗く」感じられ、KinoFloやデフューズされたタングステンほどソフトではなかったからだ。しかしArriが柔らかいRGB LED照明を可能にしたSkypanelシリーズを発売してから、この考えは変わった。しかし、Skypanelシリーズは高価で、購入することはおろか、レンタルでも予算に合わないものだった。
SkypanelなどのハイエンドLEDライトが導入され始めて、多くの良質なLEDソフトライトが開発された。F&Vはそれらの1つで、Skypanel同等のCRIを実現している。
F&V Z1200VC の概要
F&V Z1200VC CTD-Soft LED Softlightは、800mm x 290mm x 43mm(3x1ft)の大きさで、ランプヘッドはわずか5kg程度と軽量だ。市場で最も軽い製品の一つだろう。
消費電力は270Wで、130°のビーム角を有する。 F&Vは、3200°Kで2メートル離したところで1300ルックス、5600°Kで同様に1450ルクスの明るさと述べている。これは現在のLEDライトでは平均的な明るさだ。
F&Vは、EverTrue Vari-Colorと称するLEDパネル技術を採用しており、バイカラーソリューションよりも優れていると述べている。それらの技術は、色温度が黒体放射曲線に正確に合致し、通常のバイカラー照明でありがちなタングステンと昼光を単に混ぜるとき起こるマゼンタやグリーンの色むらを生じない。
特にグリーンとマゼンタの色むらは、バイカラーの照明で常に問題となっていたが、これが筆者がバイカラーLED照明を使わない理由のひとつだった。筆者はタングステン光源に合わせて、デイライトLEDをゲルで使用している。
F&Vによれば色温度の調整範囲は非常に低い2400°Kから9900°Kの範囲で可能としており、既存の光源とのマッチングやクリエイティブな作業に有用だ。
既存の光源とのマッチングは、色合い(Tint)のコントロールとグリーン/マゼンタシフトで行う。
TLCI(Television Lighting Consistency Index)は同社の発表では「最大99」とされており、ばらつきを抑えるため照明器具を工場で校正していると述べている。 「最大」とは、フルカラーの温度範囲で精度が一定ではないことを意味している。
コントロールとモニタリング
電源は2スロットのバッテリープレート(標準はVマウントで、アントンバウアーはオプション)、あるいはACアダプターで供給する。 (Vマウントプレートは、スタジオパックには含まれないが、レンタルパックとロケーションパックには含まれている)。
別のユニットで照明を制御したり、DMXでWiFi経由でも直接コントロールできる。
パーティー、クラブ、ライトニング、テレビなど、各種のプリプログラムされた照明効果は、ユーザーがダイヤルで調整することもできる。F&Vは今後多くのエフェクトを、おそらくファームウェアのアップデートで追加することだろう。
もう1つの優れた機能は、ユーザーが選択可能な調光曲線だ。これらはさまざまなシーンで役立つ。例えば日の出のシーンで、同時にタングステンライトをライブ調光する必要がある場合などに有効だ。
コントローラーとACアダプター(あるいはバッテリーマウント)は、ランプの背面に直接取り付けるか、ランプから取り外して使用することができる。
注:これは有用な機能で、ケーブルを最小限にしたコンパクトな器具として、あるいは可能な限り軽量のランプヘッドとして、ランプの設置方法を選択することができる。
ランプを取り付けるのは、センターのロリポップマウントだ。これは、さまざまな方向にライトヘッドを向けることができ、おそらく最適な取り付け方法だろう。
F&Vはオプションのポールオペレーションヨークも用意している。これは照明を固定して設置するスタジオ環境で使用される場合に便利だ。
まとめ
F&V Z1200VC CTD-Soft LED Softlightが非常に手ごろな価格で導入されるなら、これはヒット作になるだろう。
照明本体と付属品の品質の高さも特筆される。使用頻度により、レンタルが良いか購入するのがよいかを決めればよいだろう。
ランプヘッドには冷却機能があり、ノイズの問題は発生しないと思われるが、ACアダプターやコントロールユニットにファンがあるかどうかは不明だ。
F&Vは、ランプヘッドと各種アクセサリーを含む3種類のキット(ロケーションパック、スタジオパック、レンタルパック)を用意している。