キックスターターはもうお馴染みと思うが、新しいアイデアにWeb上で出資を募る、クラウドファンディングである。ここに、また面白い商品が登録されている。今回は、機材を管理するための“ギアアイ”という商品。近距離に無線を発するラグ、Radio-frequency identification tags(RFID)というものを機材に貼り付けておくと、スマートフォンで認識できるというもの。キックスターターでは50日以上を残して、既に$60,000を集めたそうだ。以下、ギアアイを紹介しよう。
機材を忘れるということは良くある。それはバッテリーであったり、ストレージカードであったり、レンズであったり、様々だ。しかし、それが無いがために、撮影自体ができないということになってしまう。ギアアイはそんなトラブルを回避するための、実にユニークな商品だ。
RFIDとは何か?
RFIDというのはradio-frequency identificationの頭文字を取ったもので、電波や電磁波を発するタグにID情報を記憶させておき、これを近距離で読み取るシステム。いろいろなバージョンが存在する。あるものはバッテリーを内蔵しており、これらはアクティブタグと呼ばれる。ギアアイが使用しているのはパッシブタグと呼ばれるもので、近くにあるRFIDリーダーからエネルギーを得るタイプである。
RFIDタグは今や自動車の生産ラインから、サイや像など絶滅危惧種の野生動物の生息管理まで広く使われている。
ギアアイの動作
ギアアイはRFIDを貼り付けた機材を一括して管理することができる。RFIDタグは様々な大きさのものが用意されているので、機材に応じて適当なものを貼れば良い。そしてRFIDタグを全ての機材に貼り付けた後、スマートフォンにインストールしたギアアイアプリを立ち上げると、タグを貼り付けた機材のスキャンが始まり、リストを作ってくれる。機材は撮影のグループなど、グループに分けて管理することができる。例えば、タイムラプス撮影用のグループとして、カメラや各種のレンズや、三脚やモーションコントロールユニットなどを登録できる。ドキュメンタリー撮影のグループならカメラ、三脚、レンズ、反射板、照明と言った感じだ。必要に応じてリストをカスタマイズすることができ、必要な機材だけを表示してくれる。
更に、撮影後、持ってきた機材が全て揃っているかをチェックしてくれる。どこかに置き忘れたという事態も、これでなくなるだろう。
ギアアイは2つのバージョンがある。一つはドングルタイプで、RFIDとスマートフォンをリンクする。もう一つはスマートフォンのカバータイプで、バッテリーパックとしても使用できる。
価格は199ドルから。ドングル、あるいはスマートフォンカバーと、20枚の各種タグが付属する。タグが何枚必要かにより、価格が異なる。
使い方は機材の管理に留まらず、無限大だ。これで忘れ物が無くなるだろう。
ギアアイのWebサイトはこちら