Timecode Systemsは、VideoToolShedと協業してLTC Convertを開発した。マルチカメラ収録時に外部タイムコードで同期するソフトウェアだ。
DSLRやミラーレスカメラは、今や各方面のビデオ制作に使われている。しかし、業務用のビデオカメラではないので、マルチカメラで使用する場合、タイムコードで同期させることが難しかった。Timecode SystemsのUltraSync ONEは外部で発生させたタイムコードをオーディオトラックに記録することでこれを解決している。 LTC Convert用のソフトウェアはTimecode Systemsと協業したVideoToolShedが開発した。ビデオとオーディオの同期を保ちながら、編集できる形式に再ラッピングを行う。なお、以前に紹介したTentacle Syncという会社も、小さなタイムコードボックスとソフトウェアで、同様のソリューションを提供している
UltraSync ONEで埋め込み用のタイムコードを発生
Timecode Systemsの UltraSync ONEを使用することで、映像ファイルのオーディオトラックにタイムコードを埋め込むことができる。マルチカメラで撮影する場合、すべて同じタイムコードを埋め込むことにより、ポストプロダクションで同期させることができる。
他のアプリケーションではオーディオ波形を頼りに同期させるのだが、このソフトウェアではタイムコードにより正確に同期させる。 オーディオトラックを使うと非常に時間がかかる場合があるが、LTC Convertソフトウェアの場合は埋め込んだタイムコードを使うことで同期がより簡単になる。
タイムコードの抽出とマルチカメラ編集
タイムコードは映像ファイルのオーディオトラックに埋め込まれているが、編集に適した形式に変換する必要がある。 LTC Convertソフトウェアは、埋め込まれたタイムコードをデコードし、業務用のカメラ同様の使用可能なタイムコードに変換する。
なお、LTC Convertはスタンドアロンのアプリケーションで、NLE用のプラグインではない。マルチカメラ編集用のビデオファイルを準備したら、MXFまたはQuickTimeにファイルを再ラップするか、ProResにトランスコードする。 LTC Convertソフトウェアを使用して複数のカメラを同期再生させることもでき、撮影からポストプロダクションまでエンドツーエンドのワークフローを構築できる。
DSLRやミラーレスでマルチカメラ制作する煩雑さを考えると、編集時に映像を同期させる苦労と時間を軽減することができるこのワークフローは大きな前進と言える。 LTC Convertソフトウェアの価格は比較的安価で(135ユーロ)、使い易さを考慮すると、このソリューションはかなり有用ではないだろうか。
UltraSync ONEの詳細については、Timecode SystemsのWebサイトを参照いただきたい。