ジンバル対決 ➖ Removu S1 vs GoPro Karma Grip
前回の記事で約束したとおり、今回は Removu S1 と GoPro Karma Gripの比較を行ってみよう。どちらもGoPro Hero5 Blackを搭載するジンバルで同じような機能を持つが、さて、どちらが良いだろうか。
以前の Removu S1のテスト記事にもあるように、これはかなり魅力的な製品だ。防水機能は雨が降ってきても心配なく撮影を続けることができる。その他の細かい機能を比較するまでもなく、明確な優位点だ。
前回の記事の通り、私はGoPro Karma Gripを購入することに決めたのだが、これは主にGoPro Karma GripがHero4とHero5、そしてSessionアクションカメラ専用に作られたという点が理由だ。しかし、GoPro Karma Gripのレポートを書く段になって、cinema5Dから Removu S1も含めて書いてほしいとの依頼があった。そこで、これら2つのジンバルの直接対決となったわけだ。冒頭はこれらの比較のビデオなので参考にしていただきたい。引き続き犬が主役だが、彼もかなり慣れてきたようだ。
GoPro用ジンバルの注目点
両機ともGoProカメラ専用のジンバルで、同じような大きさと重さだ。また、両機ともケースが付属する。 Removu S1は特に外観と質感がハイテク感を持っており、これだけ見ると、 Karma Gripを選んでしまったことに多少後悔を感じてしまう。
しかし、サイドバイサイドで比較してみると、やはり Karma Gripのほうが優れているのがはっきり分かる。カタログのスペックを眺めていても分からないが、こうやって実際に使用してみると明確に分かるものだ。
キャリングケースを見てみても、 Karma Gripはカメラをジンバルに付けたまま収納できるので、取り出してすぐに使えるのだ。 Removu S1は、ケースに収納するにはカメラをジンバルから取り外さなければならないし、撮影前にはマウントし直さなければならないので時間がかかる。 Karma Gripのケースはマウンテンバイクで持っていくには最適だが、Remuvu S1のケースは大きくて、このような用途には適していないのだ。
Karma Gripの問題点は以前指摘したが、Remuvu S1の問題点についても列記しておこう。
- まず第一に、 Removu S1は Karma Gripほどうまくスタビライズしない。微小なジッターが常にあるのだ。
- ある角度でHero4 Blackの筐体が Removu S1にあたり、水平が狂ってしまう。(テスト映像を参照)ただし、後に自動的に補正される。
- また、突然 Removu S1は完全に動作がおかしくなってしまった。理由は思い当たらない。縦方向に首を振り、上下端でかなり強くヒットした。壊れそうだったので、すぐにパワーオフしたが、再び電源をオンにしても同じ症状が続いた。これは壊れたのかなと思って、マニュアルを見ると、“キャリブレーション機能”というものを見つけた。小さなドライバーが必要なのだが、これをやると、再び正常に動作するようになった。こんなことは Karma Gripでは起こったことがない。もしこれが実際の撮影中なら、ジンバル撮影は諦めなければならないところだ。なお、上のテスト映像は、このキャリブレーションの後で撮影している。
- Karma Gripはオーディオに関してはモーターの音を拾ってしまうという問題点があったので、同様に Removu S1をテストしてみたのだが、妙なことに、全く使い物にならなかった。(ビデオの1:39のところを参照)振動で(多分モーターの振動)で音声が使えなかったのだ。RAW記録もしていたので3つのマイクのうち中央のステレオトラックを使うことができた。
まとめ
Removu S1はいろいろ良い機能もあるのだが、残念ながら、最も重要なスタビライゼーション機能で Karma Gripに追いついていない。 Karma Gripを選んだ私の判断は正しかったとホッとしている。ファームウエアの不都合な点がまだ少しあるものの、 Karma Gripは全体的に安定しており、またケースが良く考えられている点も評価できる。
一つ残る問題点はオーディオだ。GoPro用ジンバルはRemovu M1とA1のマイクロフォンパッケージを使用するので、Removuにアドバンテージがあるが、これは別の話だろう。
もしビデオブロガーなら、映像が安定していることよりも音声が重要になってくるだろう。なので、このような場合には Removu S1をお勧めしたい。ただ、全体的に見れば Karma Gripのほうが優れているといえるだろう。
GoPro Karma GripのWebページはこちら