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GoPro HERO 10 Blackレビュー

新しいGoPro HERO 10 Blackが正式にリリースされたばかりだが、幸運なことにレビュー用のサンプルを受け取ることができた。オーストリアの東チロルでの4日間のマウンテンバイクの旅でテストしたのでレポートする。

例年、9月中旬は最新のGoPro HEROアクションカムの発売時期となっているが、今年も例外ではない。しかし正直に言うと、ここ数年、このカメラの最新モデルには少し興味を失っていた。単純に、2017年9月に発売された「HERO6 Black」が画質面で大きな飛躍を遂げ、それ以降、フレームレート/解像度の選択肢が大きく変わっていないからだ。もちろんその後、Hypersmooth(電子式手ぶれ補正)は改良されたし、昨年のHERO9では本体のサイズが変わり、新しいセンサーが搭載された。それでも、基本性能はほぼ同じだった。

しかし、今回GoPro HERO 10 Blackが発売されたことで、事態は面白くなってきた。

ニュース記事でも紹介したが、新しいHERO 10のスペックは、5.3k60p、4k120p、2.7k240pの解像度とフレームレートという特筆できるものだ。HERO9ですでに実現していた解像度では、基本的に1秒あたりのフレーム数が2倍になっている。

このフレームレートの倍増は、GoProが現在使用している新しいGP2プロセッサーによって可能になった。新しいプロセッサーに加えて、すべての解像度/フレームレートでのHyperSmooth 4.0や、より反応の良いタッチスクリーンなど、他にも優れた点がある。

CineDの「レビューは実際のプロジェクトで行うのが理想的」という精神に基づき、私は友人たちと数ヶ月前から計画していたフィールドトリップにGoPro HERO10を持っていくことを直前になって決断した。

フィールドトリップ – カルニック高地ハイクトレイル

私たちは、山小屋での宿泊を含む数日分の荷物をバックパックに詰め込まなければならなかったが、超テクニカルなトレイルに挑戦するために、重量とサイズを小さくする必要があった。GoPro HERO10はこの点で理想的だった。

カメラは超ミニマムでなければならなかった。フルフレームのパナソニックS1と35mmのCanon FDレンズが入るかどうか、何度も検討したが、それは不可能と判断し、スマートフォンかGoProにすることにした。

Carnic high altitude trail
On the Carnic high altitude trail. Image credit: CineD

スマートフォンでは、GoProのような柔軟性や機能はない。GoProなら耐候性があり、チェストハーネスを含むあらゆる位置に取り付けることができる。さらに、新機能のHypersmooth 4.0をはじめとする優れた手ぶれ補正機能が搭載されており、撮影能力の面ではスマートフォンをはるかに凌駕している。また、フレームレートや解像度も向上している。

私たちは4日間、163kmの距離と6300mの標高差をカバーし、毎日約5~6時間サドルの上で過ごし、1台のHERO10を単独のカメラとして使用した。

バッテリー持続時間

新しいGoPro HERO10は、理想的なカメラだと感じたが、バッテリーの寿命についてはかなり心配していた。前世代のGoProはかなり電力を消費し、長期の旅行では複数のバッテリーを持ち歩かなければならなかったからだ。

HERO10 Black battery
The GoPro HERO10 Black battery – the same in size/capacity as in the previous HERO9. Image credit: CineD

GoProは、カメラ本体と一緒に予備のバッテリーも送ってくれた。結果的には、バッテリー寿命が大幅に改善されており、おそらく新しいGP2プロセッサーのおかげだと思われるが、バッテリーは前のHERO9モデルと同じながら(1720mAh)、1つのバッテリーでほぼ1日撮影することができた。

解像度とフレームレートの性能

前述のように、新しいGP2プロセッサーにより、これまで利用可能だったフレームレートのほとんどが、5.3K/60p、4K/120p、2.7K/240pと2倍になった。1080pは変わらず、最大で240fpsとなっている。

HERO10 4k resolution at 120 frames per second
4k resolution at 120 frames per second. Image credit: CineD

30pと60pの5.3Kモードは素晴らしい。GoProのカラーサイエンスも素晴らしい。ホワイトバランスは正確だが、カメラを動かせばもちろんずれることがある(Protuneの設定では「フラット」、WBでは「オート」を使用した)。 またマニュアルWB設定ももちろん可能だ。しかし、5.3Kには24pモードがなく、4Kモードのみとなっているが、理由は不明だ。

つまり、5.3K/30pをベースにすると、4K/120pでは4倍のスローモーションになる。解像度の低下もほとんどない。

2.7K/240pモードでは、より複雑になる。

HERO10  2.7k resolution
2.7k resolution at 240 frames per second – impressive on paper. Image credit: CineD

前世代のGoProは、1080p(FullHD)モードで240pだけだった。このモードは、解像度の低さと階段状のエイリアシングが障害となっていた。

階段状ノイズやエイリアシングはほとんどなくなったが、2.7K/240pの映像はソフトだ。FullHDのクオリティに達しているかどうかもわからないが、自分で確認されることをお勧めする。

HERO10 2.7k at 240 frames per second
2.7k at 240 frames per second – rather soft. Image credit: CineD

確かに使えるが、4Kタイムラインでの解像度低下は非常に目立つ。4K/120pモードを使うことをお勧めする。

最後に、ソフトウェアが安定していることを確認した。以前は、特にフレームレートが高くなると、カメラがハングアップする危険性が常にあった。Hero10では、すべての解像度とフレームレートで安定している。

HyperSmooth 4.0

電子式手ぶれ補正は、 Hero7に搭載されたHyperSmooth 1.0から大きな利点になっている。GoProは「ジンバルが不要」と謳っていた。私は、GoPro Karma Grip(ジンバル)とHERO6も所有しており、手振れ補正は十分でなかったので、これまでは信じられなかった。これまでのHyperSmoothの実装では、特定の条件ではカメラを安定させることができたが、他の条件、特に胸のハーネスでは不調だった。

HERO10 Hyper smooth 4.0
Hyper smooth 4.0. Image credit: CineD

今回のHyperSmooth 4.0では、映像が非常にしっかりしていて、すべてのフレームレートと解像度モードで利用できるのが大きな特徴だ。ほとんど問題はなかったが、トレイルが岩だらけになったり、でこぼこになったりすると、ブレストハーネス全体が動く。「標準」と「ブースト」の2つの設定があるが、「ブースト」のタイトなトリミングを避けたかったので、「標準」にしある。

オーディオ品質

音声品質はもうひとつの驚きだった。これは他のアクションカムのアキレス腱でもある。カメラに向かって話し、風の強い状況を避ければ、非常にうまく録音される。上のビデオで確認いただきたい。

新しいレンズキャップ

小さな改良点だが、レンズキャップのコーティングが新しくなり、防塵・防滴性が向上している。

HERO10 New lens cap coating
New lens cap coating – dust & water repellent. Image credit: CineD

副次的な効果として、レンズフレアは私の意見ではより良く見えるが、時折青っぽく見える。

HERO10 Blueish lens flares
Blueish lens flares due to the new lens coating. Image credit: CineD

まとめ

正直なところ、私は約4年前の第6世代以降、個人所有のGoPro HEROカメラをアップグレードしていないが、そろそろ買い替える時期かもしれないと確信した。HERO10は非常に成熟した製品で、最先端の画質、解像度、フレームレート、そして手ぶれ補正機能を備えた、市場で最高のアクションカメラと言える。そして、良好なバッテリー持続時間も実現している。

今後のウィッシュリストとして、最近のスマートフォンのように、さまざまな焦点距離を追加しては同だろうか。またビデオコーデックは10bitの期待もしたい。

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