GoPro HERO9レビュー - マウンテンバイクでの試用とHERO8との比較
新しいGoPro HERO9がリリースされた。 Hero8まで多くの機能が追加されてきたし、その都度強力なカメラになった。ただし、画質自体は第6世代以降改善されていなかった。HERO9に期待したい。
筆者はHERO2以来GoProカメラを使用しており、主にマウンテンバイクとウォータースポーツで使用している。これまでのところ、画質とスローモーション機能において競合他社はGoProの水準達していなかったため、GoProカメラを使い続けていた。
最新のGoPro HERO9 Blackは23.6メガピクセルセンサーを内蔵しており、20メガピクセルの写真と最大30fpsの5Kビデオ(5120×2880)撮影を可能にする。仕様はこちら。
スペックシートによると、フレームレート/スローモーション機能はHERO6 Black以降改善されていないが、新しいセンサーによってHERO9 Blackの画質は向上している。前世代のモデルでは、1080p240モードはSD映像のようで、2.7K 120fpsはまあ使えるレベルで、本当に美しいのは4K 60fpsだけだった。
そこでこのレビューでは、さまざまなモードの画質と手振れ補正に焦点を当てテストする。なお、写真、タイムワープ、タイムラプスはテストしていない。また、GoProには、カメラの制御、映像ファイルのダウンロード、小さな映像のカット、アップロードなどができるアプリが用意されている。
デザインを一新したボディ
新しいボディには、前面にLCDスクリーンが搭載された。これは非常に有用だ。
また、背面の液晶サイズが大きくなったので、HERO9 Blackのボディも少し大きくなった。
ただ、残念なことに、背面タッチスクリーンはうまく反応しない。将来のファームウェアのアップグレードで修正されることを期待する。
ボディが大きくなって、バッテリーも大きくなり、容量が40%増えた。ただ、正確に計測したわけではないが、同様に使用していた Hero8とあまり変わらなかった。
HERO9 Blackでは、交換可能なフロントフィルターがあり、これは非常に有用だ。実はGoProを前のモデルにアップグレードしなかった理由は、 Hero8 Blackにこの機能がないことが理由だった。ただし、新しいフロントフィルターは下位互換性がない。前世代のNDフィルターなどはHERO9 Blackでは使えないのだ。
全体的に、高品質感は素晴らしい。新しいHERO9は非常に重厚感がある。多少乱暴に扱っても、大丈夫だろう。
Hero8と各モードでの画質比較
以下の記述では、HERO9および Hero8カメラにProTune、「フラット」カラー、シャープネス「中」、HEVC、および高ビットレート設定を使用した。
新しい5K 30fps(5120×2880)モードの画質は美しい。カラーサイエンス、オートホワイトバランス、画像のディテールなどはすべて優れており、前モデルに比べて大幅に改善されている。
5Kの画質レベルは高く、他の多くのアクションカメラに見られるような、過度にシャープな映像ではない。 5KはHEVC(H265)コーデックで記録され、今回記録した映像で、平均ビットレートは99Mbit / sだった。
ただし4Kでは不思議なことに、少しシャープになりすぎ、コントラストが強く、ハードな映像に見える。4Kでは Hero8 Blackのほうがはるかによく見える。
したがって、HERO9 Blackは5Kで撮影することをお勧めする。
スローモーション機能
次の解像度とフレームレートが使用できる。
- 4K 最大60fps
- 2.7K最大120fps
- 1080p 240fps
「ブースト」モードでも、すべてのモードでHypersmoothで映像が安定する。また、視野は、SuperView、Wide、Linear、Linear&Horizon Levelled、および「Narrow」の各モードが用意されている。
これは素晴らしいのだが、従来のモデルでHDながらSDのように見えた1080p 240fpsモードのでは、特に画質の向上は見られなかった。
残念ながら、1080p 240fpsと2.7K120fpsは、前世代のカメラと変わらないが、4Kはさらに悪い状況だ。
Hypersmooth 3
マウンテンバイクで撮影する場合、映像の揺れは、大きな問題だ。
GoProは数年前に Karma Gripジンバルを導入した。この製品は、驚くほど安定した映像を実現したが、使いやすさに問題があった。 そのため Karma Gripは、カメラ内手振れ補正機能であるHypersmoothに取って代わられた。
Hypersmoothは驚くほどうまく機能し、一部のショットではジンバルが不要なほどだ。しかし、すべての場合ではない。GoProは「ジンバルはもう不要」と述べているがそこまでではないだろう。 Karma Gripは、Hypersmoothよりも、すべての撮影状況ではるかに安定している。
HERO9 Blackの新しいHypersmooth 3についても同様だ。
上記のビデオを見ると、5Kモードでは、Hypersmooth 3は Hero8 Blackから一歩後退している。4Kモードでは、これは間違いなく改善されている。
少なくとも、マウンテンバイクで使用すると、HERO9の5K映像は不安定に見える。
オーディオ
オーディオは常にアクションカムの弱点だ。ただし、HERO9 Blackでは、音質が確実に向上している。高速で走行時でも、オーディオはそれなりに使えるのは驚きだ。
まとめ
新しく5Kモードを備えた新世代のHERO9 Blackは、画質が向上した。 5Kでの画像のディテール、カラーサイエンス、オートホワイトバランスはすばらしい。
高フレームレートモードは、旧世代のHEROとあまり変わらない。HERO6にもこれらのモードがあったが、それ以降、画質は改善されていない。
手振れ補正に関して、HERO9の5K時のHypersmooth 3は、従来の Hero8 Blackと比較して、一歩後退している。 ただし4Kで一歩前進している。
したがって、上記の機能のどれが重要であるかは、ユースケースによって異なる。
ただ、簡単に美しい映像が撮れるようになったことは評価できる。フォーカス、露出、映像のブレ、ホワイトバランス(手動によるオーバーライドが可能)、耐水、堅牢性において、安心して使える。
総じて、新しいGoPro HERO9 Blackは、高機能を小型の高品質ボディに搭載し、フロントスクリーンが追加され、使いやすさが大幅に向上した。全体として推奨できるものだ。