AbelCineは、2021年のゴールデングローブ賞の撮影にリモートカメラと技術サポートを提供した。候補者向けの14のカメラキットにはそれぞれ、キヤノン24-70mmレンズをマウントした5D Mark IV、Litepanels Astra 1X1 LED照明、RØDEショットガンマイク、27インチiMacが搭載されている。
COVID-19の世界的大流行により、ビデオや映画制作でも多くがリモートワークフローを使用し始めている。ここではいかにして出演者が一同に会さず撮影を行ったかを紹介する。
カメラキットを送付
新しい状況には、新しい対応がされるが、高品質のリモートプロダクション用の製品やサービスも登場している。一例として、2020年6月に発売されたいわゆる「CrewinaBox」がある。
制作およびレンタル会社のAbelCineは、今年のゴールデングローブ賞に同様のリモートカメラキットを提供した。
AbelCineのリモートカメラキット
ライブTV番組を制作する場合、一部の参加者は移動の制限や安全上の理由から現場に来ることができない。ビデオ会議では小規模なセットで十分だが、高レベルの制作では、オーディオやビデオのクオリティを確保できない。 1つの解決策は、遠隔操作のカメラキットを作成し、各参加者のいる場所に発送することだ。昨年9月、AbelCineは2020年のエミー賞の放送に同じようなカメラキットを使用している。
キットの内容
2021年のゴールデングローブ賞のカメラキットには、キヤノン24-70mmレンズをマウントした5D MarkIVが再び使用された。 AbelCineチームがブログに書いているように、5D Mark IVが選ばれたのは、その画質とEOSユーティリティソフトウェアの堅牢なリモートコントロール機能が大きな理由だ。
各キットには、カメラのほかにLitepanels Astra 1X1 LED照明、RØDEショットガンマイク、および27インチiMacが同梱されている。AbelCineチームは合計14のキットを、ブルックリンでテストした。
組み立て
テスト後リモートカメラキットを梱包し、米国全土に出荷する。現地に到着するとAbelCineチームのメンバーや地方のACがキットを開梱し、セットアップする。合計で14人の候補者にキットが行き渡った。
現地は、大きなホテルの部屋から小さな賃貸スペース、あるいはタレントの自室まで多岐にわたった。場合によっては、必要に応じてセットを変更する必要があった。
技術サポート
テクニカルサポートチームはカメラをオンラインにし、接続を確立し、時折、カメラや照明の設定を微調整するなどタレントをサポートした。サポートチームはAbel Cine NYCオフィスの「コントロールルーム」などで作業した。
下のビデオは、2021年のゴールデングローブ賞のハイライト動画。本社があるオーストリアなど一部の国では、残念ながらYouTubeでブロックされている。
コロナ後も、同様のワークフローが定着するだろうか。今後のトレンドに注目したい。
Source: AbelCine