iFootage Shark Slider Nanoレビュー
スライダーショットは、インタビューや風景撮影など、あらゆるショットに動きを加え演出効果をもたらす。ここでは、iFootage Shark Slider Nanoをレビューする。
前にShark Slider Nanoの記事をリリースしたが、当時、起動/キャリブレーションプロセスとアプリにいくつかの問題があった。ハードウェアはすでに完成していたが、ファームウェアはまだ完成していなかったのだ。iFootageは、スライダーのチュートリアルビデオを作成している。
ビルドクオリティとスペック
ビルドクオリティは非常にしっかりしている。すべてのスレッドはスチールで補強されており、レールとケーブルはボディの内側に配置されて保護されている。スライダーには水準器と2つの調整可能なテーブルトップの足が内蔵されている。ノブでキャリッジをトラックにロックして持ち運べるようになっている。また、3/8インチと1/4インチを組み合わせた取り付けネジを採用している。パン軸の回転をロックすることができるので、雲台を取り付けたときにねじれないようになっている。
電源はソニーのNP-Fタイプのバッテリーのほか、USB-C経由でも供給可能で、バッテリーのホットスワップも可能だ。
スライダーをそのままテーブルトップに置いて、カメラを200mm程度スライドさせて使うこともできるし、三脚に取り付けて使うこともできる。この方法では、移動距離を2倍の約400mmにすることができる。机上では最大3.5kg、三脚では最大2.5kgの耐荷重がある。垂直に設置した場合は、最大2kgの耐荷重となっている。
スライダーの操作
iFootage MocoというアプリがiOS/Androidデバイス用に用意されており、ファームウェアのアップデートやスライダーの機能をコントロールすることができる。スマートフォンモードでは、アプリがスライダーを制御すると同時にカメラとしても機能するため、付属のフォンマウントを使用する。カメラモードでは、スマートフォンはスライダーを制御するだけで、カメラが撮影を行う
スライダーは、「タイムラプス」、「ビデオ」、「ストップモーション」の3つの便利な撮影モードに対応している。
スマートフォンは不要
Nanoの素晴らしい点は、内蔵のタッチスクリーンで操作できること。スライダーの電源を入れると、キャリブレーションのルーチンが実行され、ごく短時間で使用可能になる。
スライダーの両方のボタンを押すとクイックスタートモードになり、カメラをスライドさせたりパンさせたりして撮影開始位置を決め、Aボタンを押して位置を保存し、撮影終了位置に合わせてBボタンを押して確定する。Aをタッチして位置を保存し、Bをタッチして確認する。トランジションタイムをダイヤルで設定し、スタートをタッチすれば、スライダーが動きを実行する。ブーム! Done! シンボルをタッチすると、動きを反転させることができ、別のシンボルをタッチすると、スライダーをループモードにすることができる。
互換性のあるカメラであれば、付属の5本のケーブルのうちの1本を使って、タイムラプスやストップモーションモードでもシャッターを切ることができる。スライダーは完全な無音ではないが、インタビューでは全く問題ない。
デメリットの最たるものがディスプレイで、室内や暗めのところでは問題ないが、明るい日中では非常に見づらくなる。
また、スライダーの動きは、特にゆっくりとした移動の際に、少しギクシャクすることがある。2つのローレットノブでキャリッジのテンションを調整することで、これを緩和することができる。
しかし、これがなかなか回らなくて、指が痛くなる。スライダー自体の欠点ではないが、スライダーを三脚に取り付けて使うには、丈夫な三脚を選ぶ必要がある。
同梱品
Shark Slider Nanoには、ソフトキャリングケース、USB-C充電ケーブル、ソニースタイルのNP-Fバッテリー、5種類のシャッターケーブル、スマートフォン用マウントが付属している。
まとめ
Shark Slider Nanoは最も小型のスライダーではないが、非常にポータブルだ。少人数のスタッフでも、一人でも十分に素早くセットアップできる。制御可能なパン軸は、インタビュー中のトークヘッドのようにスライドさせながら対象物の中心を保つなど、多くのクリエイティブな操作を提供してくれる。
Shark Nanoは総合的に優れたスライダーだ。内蔵のタッチスクリーンで完全にコントロールできるという点で、私がこれまで使ってきたモーターライズドスライダーの中で最も優れた製品の一つと言える。