ソニーのVeniceは、ハイエンドの映画製作用カメラとして好評を得ている。15ストップのダイナミックレンジ、優れたハイライトロールオフは、確かに美しい映像を作り出している。このルックをFS7、FS5、さらにはα7シリーズのカメラにも適応するLUTを、Alister Chapman氏が公開しているので紹介しよう。
ソニーのプロシューマーやプロ用カメラのほとんどは、14ストップのダイナミックレンジを持つ。しかし、フラグシップのシネマカメラであるVeniceは、全く異なっており、15ストップのダイナミックレンジとなっている。そのため、ソニーが提供しているs709 LUTは、これらの低価格なカメラ(Veniceと比べれば、だが)ではうまく動作しない。 Alister Chapman氏は、彼が運営するXDCam-User.comで、Veniceのルックを様々なソニーカメラに適応できるLUTのセットを作成し、公開している。
Veniceのルックを適応するLUTsとは?
ソニーのオフィシャルLUTは、15ストップのVenice用に設計されているので、FS-7、FS-5、F5、F55、あるいはα7のような14ストップのカメラには最適ではない。多くのユーザーがこのことを指摘していたので、Alister氏が自らカスタムLUTを作成したわけだ。
これらのLUTはAlister Chapman氏のサイトXDCam-User.comから直接ダウンロードできる。
Veniceのルックに近づけるには、S-Log3とSGamut3.cineに設定する。AtomosやZacutoのモニターには、LUTが用意されている。さらに、Alister氏はS-Log2用にいくつかのLUTを作成しているので、α7sのユーザーも使用することができる。
オリジナルのVeniceのs709 LUTは、最初のパスのルックを作成するためのもので、最終的な仕上げ用ではなく、セットやモニタリングのための一時的な用途のもの。これを使用してワークフローに合っているかどうかを試すことができる。さらに調整するには、LUTCalcと呼ばれる非常に便利なオンラインツールを使用できる。
価格
気に入った場合は、$ 5のラテ、$ 7.50のプレミアムビール、$ 10のカクテル、または$ 15のシンガポールビール(サイトの下に選択肢がある)をごちそうしてあげて欲しい。氏は非常に有益なWebサイトを運営しており、我々にとって非常に役に立つ情報が提供されている。今回の豊富なLUTライブラリの提供にもかなりの時間を要したことだろう。
このLUTにより、FS7やFS5、あるいはα7シリーズでもVeniceのルックに近づけることができるが、当たり前だがこれらのカメラでVeniceと同じ映像が撮れるわけではない。しかし、このLUTでVeniceの一端に触れることができるかもしれない。
Links: XDCam-User.com | LUTCalc