シグマのCEOに聞く - 業界の状況とシグマの可能性
先日の来日時に、シグマ本社で山木和人社長と話す機会があった。今回伺ったのはシグマの商品というよりは、この業界の今後についてのお考えを聞くのが目的だ。 このインタビューには大変感銘を受けたので、ここでご紹介したい。
多くのカメラのレンズメーカーは、我々映像制作のニーズに合わせ、ラージセンサー用のレンズを次々と発表している。シグマをはじめ、トキナ、ソニー、あるいはキヤノンなどのメーカーは古いフォト用のレンズから、ビデオ用のレンズへの買い替えを推進している。 今後、更に参入メーカーが増えて競合が激しくなるのではないだろうか。
インタビューに戻ろう。この状況について山木社長のご意見を伺った。参考までに、下にCIPA statisticsのデータを載せておく。
山木社長によれば、ビデオ機能を持つミラーレスカメラにもご興味があるとのこと。現在は非常に美しい写真が撮れるフォトカメラのラインアップがあるが、ビデオに関しては、Foveonセンサーからの大量のデータをもっと早く処理する必要がある。
いずれにしても、有名なレンズメーカーのトップにじっくりお話を聞く貴重な機会だったので、そのインタビューの模様を見ていただきたい。この場を借りて、お忙しい中、時間を割いていただいた山木社長と社員の皆様にお礼を言わせていただきたい。
以下がインタビューの内容と、ビデオ中の時間。
- 00:17 創業者のお父上について(山木社長のお父様は1961年に会社を創業し、2012年に78歳で亡くなった)
- 01:29 山木社長の日常について
- 03:14 レンズマウントとレンズの商品化優先順位の決定
- 04:01 Artレンズの商品化決定について
- 05:27 かつてシグマレンズは安価な印象があったが、上位マーケットに進出した理由は?
- 06:53 シグマのスティルカメラに、まだビデオ機能が搭載されていない理由は?
- 07:51 減少傾向のマーケットへの対策は?
- 09:07 シネレンズ商品化の理由
- 09:57 最近レンズを購入するユーザーが減少している理由は?
- 10:26 ドリームズームレンスについて
最後に
このような競合の激しい業界において、シグマが高画質のミラーレスビデオカメラを発表しても不思議ではない。現在のシグマのカメラは、ニッチマーケットに留まっている。現在ビデオのラインアップを持たないシグマなら、ビデオ機能を持つカメラに参入すれば、ビジネスへの貢献も期待できるだろう。シネレンズに関していえば、その成功の可否は、「いかにシグマのシネレンズが業界に受け入れられるか」に大きくかかわってくるだろう。
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