DaVinci Resolve 15.2とBlackmagic RAWについてインタビュー
Inter Be2018で、DaVinci Resolve 15.2とURSA Mini Proのファームウェア6.0アップデートが出展された。これについて同社の岡野太郎氏にお話を伺った。
DaVinci Resolve 15.2とCamera 6.0のアップデートについては既にこちらで報告している。
DaVinci Resolveは編集/グレーディング/オーディオマスタリング/配信の機能を持つソフトウエアだが、最近では編集機能が充実されつつあり、Ver.15でFusion FXも追加された。今回発表されたVer.15.2でも多くの編集機能が追加されている。
DaVinci Resolve 15.2の改善項目
Resolve Ver.15.2では、タイムラインがより速くレンダリングされ、より滑らかで快適に動作する。また、UI内の多くのアニメーションが改善された。その一つは、編集している部分が強調表示され、現在の状況を把握しやすくなった。
また同じタイムライン内で重複したクリップを簡単に表示できる。さらに、メディアプール内のクリップは、現在のタイムラインで使用されているかどうかを視覚的に分かりやすくしている。
2番目のタイムラインや複数のクリップをソースビューアにロードし、これらのクリップをアクティブなタイムラインに挿入することができる。これにより、操作するスピードが向上する。なお、2つのビンを同時に表示してアクセスすることもできる。
もう一つの有用な改良点は、新しく実装されたキーボードショートカットマネージャだ。これはPremiere ProやFinal Cut Pro Xのような視覚的なツールとなっている。キーボード設定をPremiere ProやFinal Cut Pro Xのものにエミュレートすることもできる。さらに、コンテキストポップアップメニューの項目をキーボードショートカットに割り当てることもできるようになった。
新しいFXプラグインとオーディオツール
さらにDaVinci Resolve 15.2には、Beauty(Studioバージョンのみ)やBlanking Fillなどの新しいFXプラグインが搭載されている。カラーページには、ACESトランスフォームとGamut Limiterが追加された。
オーディオクリップに付加されたトランジションは、Fairlightタブで微調整できる。さらに、複数のオーディオクリップを同時に編集することも可能だ。
Stereo Fixer.と呼ばれる新機能は、オーディオを適切なチャンネルにマッピングするのに役立つ。ステレオ、リバースステレオ、モノラルなどの一般的なマッピングを簡単に行うことができる。
実に多くの新機能がああるが、さらに詳細を知りたい場合は下のビデオが参考になるだろう。
無償でダウンロード可能
DaVinci Resolve 15.2は従来通り無料でダウンロードできる。ノイズリダクションや新しいBeauty FXプラグインなどの機能はStudioバージョンでのみ可能で、こちらは有料となる。しかし、無償の機能だけでもかなり本格的な編集が可能で、しかも頻繁にアップデートされている。
DaVinci Resolveは当初グレーディング用のソフトウエアで、編集機能については足りない部分が多かったが、現在のスピードで開発を続ければ、他の多くの編集ソフトウエアに大きな影響を与えるだろう。現在は込み入った編集や大規模な編集作業では選択の対象でないかもしれないが、今後が楽しみなソフトウエアだ。
URSA Mini Pro ファームウエア 6.0
URSA Mini Proもファームウエアのアップデートが行われ、Blackmagic RAWとISO 3200を追加した。従来はISO 1600までだったので、今回のバージョンアップにより低照度な環境での撮影にも対応できるようになった。
今後はBlackmagic RAWは Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K(BMPCC4K)にも搭載されていくだろう。まだ時期は発表されていないが、近い将来実現すると思われる。なお、Blackmagic RAW については、下の同社CEOのGrant Petty氏のインタビューも参照願いたい。
CinemaDNGは最高の画質を保証するが、ファイルサイズがあまりにも大きくなるため、編集にはかなり高いパフォーマンスのパソコンが求められる。その点、Blackmagic RAWは画質とサイズのバランスが非常に良いと考えられる。
リンク:DaVinci / URSA Mini Pro / Blackmagic RAW
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