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XF-AVCはRAWより優れているのか?

XF-AVCはRAWより優れているのか?

優れた画質、ポストプロダクションの柔軟性、そしてカメラの性能を最大限に引き出すなら、RAWフォーマットで撮影するのが一番だろう?しかし、Björn Kurtenbach氏は、キヤノンEOS C300 Mark IIIで処理したXF-AVCとRAW形式の違いを総合的に調べた。

長年にわたって映画監督や撮影監督として活躍する同氏は、長年にわたってさまざまな撮影フォーマットの経験を積んできた。そして今、多くの10~15万ドル以下のカメラ(例えばNikon Z 9 -記事はこちら)でRAWフォーマットがようやく主流になったが、すべてをRAWで撮影することが本当に意味があるのか、という疑問に答えている。

XF-AVC RAW
Everything looks the same (until we start pixel-peeping). Image credit: Björn Kurtenbach

XF-AVC vs RAW

EOS C300 Mark IIIは、内部記録オプションとしてCinema RAW Lightと呼ばれるものを搭載している。このフォーマットは、ビットレートがXF-AVC All-I(イントラフレーム)コーデックよりほんの少し高いだけなので、ファイルサイズの点ではある程度管理しやすいと言えるだろう。RAWワークフローにおいて、ファイルサイズの大きさは最もよく挙げられる問題の1つなので、同氏は、イントラフレームおよびインターフレーム圧縮の両方で、AF-AVCコーデックと比較してRAW-Lightフォーマットの実際の画質をテストした。

その結果、RAWフォーマットで撮影するだけでは、あまり意味がないことがわかった。画質が良くなるわけではないのだ。RAWは画質を向上させる可能性はあるが、すべての撮影シーンで使えるわけではない。

逆に、内部で(圧縮された)XF-AVCの映像が、現像したRAWの映像よりも素晴らしく見えるケースもたくさんある。そしてこれがもうひとつの注意点。RAWクリップをタイムラインに置いて作業を開始することはできず、まず現像する必要がある。ツールによって結果が異なるため、「見たままが得られる」というわけではない。

しかし、技術的に注意すべき点がひとつある。XF-AVCは、4K DCI (4.096 x 2.160) または4K UHD (3.840 x 2.160) で10ビット4:2:2 All-I圧縮、HD (1.920 x 1.080) で12ビット4:4:4 All-Iモードまでと制限されているのだ。それ以下の解像度やLong-GOP(Group of Pictures / inter-frame)圧縮も可能だ。解像度にこだわるなら、RAWフォーマットもおすすだ(センサーによる)。

Bitrate chart
image credit: Björn Kurtenbach

おそらく、ここで最も重要なポイントは次のようなことだろう。現代のカメラは、イメージセンサーを搭載した高度に専門化されたコンピュータであり、素晴らしいデバイスだ。そして、入力されたセンサー情報を処理するための多くの巧妙なツールを提供し、ユーザーがその場で作業できる素晴らしい映像を提供してくれる。ログフォーマットによる柔軟な対応、ノイズリダクションによるカードに書き込む前の映像のクリーンアップ、デジタル手ぶれ補正、色収差などのデジタル技術による大幅な低減などだ。

RAWでは、そのようなことはない。確かに、撮影した映像の現像や微調整を完全にコントロールすることはできるが、「実際にやってみないとわからない」のだ。そしてその結果は、上のビデオが示すように、少なくとも私の考えでは、必ずしもその手間に見合うものではない。

XF-AVC RAW
image credit: Björn Kurtenbach

このトピックは、読むよりも結果を見ることが重要なので、このビデオでテストされたすべての側面と結果をここに列挙することはしないが、代わりに、あなた自身の結論を出すことに委ねたいと思う。私個人としては、ログガンマカーブを用いたXF-AVC All-Iのようなよく圧縮されたフォーマットが、ほとんどの仕事では有用なものとなっている。RAWは万能のように見えるが、多くの手間がかかるため、非常に特殊な用途で本当に必要な場合のみ、その価値があると私は思っている。

Link: kurtenbachfilm.de

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