サムスンは、富士フイルムが開発した新素材を使用して、ISOCELL Plusセンサーを発表した。これは、個々の画素をより正確に制御する技術だ。
今日、デジタルカメラの画素数は、新しいセンサーが開発されるごとに増加している。しかし、画素数が増えると、ピクセル間の色のクロストークも増加するため、個々のピクセルを的確に制御する必要がある。 2013年にサムスンは、隣接するピクセルを物理的に分離する、いわゆるISOCELL技術を開発した。今回発表されたものは富士フイルムの新素材を用いたもので、ISOCELL Plusと呼ばれる第2世代のセンサーだ。
ISOCELL Plusの概要
センサーの各素子は入射光を電気エネルギーに変換するが、画素の許容範囲を超えるとその画素の色情報が破綻する。さらに、溢れた電子は隣接する画素に影響を及ぼし、結果として生じる画像の色クロストークや光学的なエラーにつながる。これを避けるため、個々のピクセルの間に物理的に壁を設けている。 従来のISOCELLでは、この壁に金属グリッドを使用していたが、金属は入射光を反射したり吸収したりする傾向があるため、エラーが発生する可能性がった。
新しいISOCELL Plus技術で使用されている材料は、従来の金属グリッドの有害な副作用を低減する。入射する光は、この新しい素材に吸収されることにより反射が抑えられ、各画素の有効な許容容量が増加する。その結果、画像センサー全体で良好な画質を実現できるのだ。
今後の展望
新しく開発された素材は富士フイルムが開発したものだ。両社はチームを組み、イメージセンサーの効率を高める開発を行ってきた。画素間の壁に採用する新しい素材により、0.8マイクロメータ(μm)以下の画素が可能となり、より多画素のセンサーを実現できる。 20メガピクセル以上の解像度を持つスマートフォンのイメージセンサーは近い将来実現されるだろう。サムスン電子のシステムLSIマーケティング担当副社長であるBen K. Hur氏は以下のように述べている。(要約)
ISOCELL Plusは、画素サイズが非常に小さい超高分解能センサーの開発を可能にするだけでなく、大きな画素サイズのセンサーの性能向上にも貢献します。
近い将来、この技術を使った大きなイメージセンサーも開発されるだろう。サムスンは色の忠実度が高く、感度が最大15%向上するとしている。
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