KinefinityがMAVO Edgeカメラを発表 - 8K/75fpsで記録
Kinefinityは新しいMAVO Edgeを発表した。8Kで最大75 fpsの記録が可能。価格も魅力的だ。
主な特徴
- フルフレーム8Kセンサー(36x24mm CMOS)
- 800/3200のデュアルネイティブISO
- 8K/最大75 fpsで記録
- オープンゲート3:2 8K、最大48 fps
- 6Kワイド時最大100fps
- 4Kワイド時最大160fps
- 14stop以上のダイナミックレンジ
- ProRes RAW内部記録
センサーは、3:2のオープンゲート設定で撮影した場合、合計44.7メガピクセル、解像度8192×5456で撮影できる。レンズマウントはネイティブのKineMOUNTで、PL、LPL、アクティブEF、パッシブEマウントシステムに対応する。 OLPF(光学ローパスフィルター)と、UVおよびIRカットフィルターを内蔵する。撮影モードは以下の通り。
詳細
Kinefinityは、高機能を低価格で提供することで定評があり、多くのユーザーが使用している。 MAVO Edgeも同様に、高機能、低価格を実現している。
本体はカーボンファイバー製で、非常に丈夫かつ、1.2kgと軽量。また、電動フルスペクトルe-NDフィルターも装備されている。これにより、透明ガラスと電子NDフィルターが切り替わる。このNDフィルターは2〜7stop連続可変範できる。
ソニーが既に電子NDフィルターを採用しているが、これまでのところソニー以外ではPanavisionだけだった。Kinefinityはこれに続いたが、手頃な価格のカメラとしては、ソニー以外で初となる。連続可変できるので、任意の絞り値にできる。
オーディオ
オーディオも十分考慮されており、独立して制御される2系統のXLRと、独立した3.5mmステレオマイク入力が存在する。
Kinefinityは、このカメラには超低ノイズの高品質プリアンプが搭載されていると述べており、さまざまな状況での録音が高音質で可能となる。両方のXLRソケットは、48vファントム電源も用意されている。
ユーザーインターフェース
ユーザーインターフェイスに関しては、ブラックマジックデザインのカメラインターフェース設計が秀でているが、MAVO Edgeでは物理的なボタンを使用しており、これも使いやすそうに見える。物理的なボタンは寒い状況など厳しい撮影条件で、タッチスクリーンのインターフェイスよりも使いやすい。
ボタンは大きく十分な間隔が取られているので、手袋をしたままでも操作できる。写真から判断すると、ディスプレイ自体は非常に見やすくレイアウトされている。表示領域を最大200%拡大して、さまざまなパラメーターの読み取りや調整を容易にしている。
記録メディア
8K/75 fpsでProRes RAWを記録する場合、高速なストレージが求められるため、KineMAGシステムをSATA 3.0からNVMe M.2にアップグレードしている。新しいKineMAG Nanoは、PCIe 3.0プロトコルを採用し、最大10Gbpsの記録に対応する。
カメラ本体はデュアルメディアスロットを持ち、同時記録が可能。また、メイン記録とH.264プロキシファイルを同時に記録できる。
さらに、KineMAG Nanoエンクロージャーも用意されており、サードパーティ製NVMe M.2 SSDを使用することもできる。
電源
新しいハイブリッドバッテリープレートシステムも搭載されている。これは、業界標準の14.8v Vマウントバッテリーだけでなく、ソニーのBP-U30スタイルバッテリーも使用できるようになっている。これにより、通常の撮影では、大きなVマウントバッテリーを使用し、ジンバルに乗せる場合などではBP-U30を使用して軽量化することができる。
更にD-Tapポート、12v RSおよび12vレンズポートが用意されており、ワイヤレスビデオトランスミッターやレンズモーターなどの外部アクセサリーに電力を供給することができる。
さらに、同社はMovcamと提携してKiniKITシステムを完成させた。これは、2つのNP-F550バッテリーを収納できる15mmベースプレートで、UPS電源接点を備えているため、無停電電源とすることができる。これにより、電源を切ることなくカメラ本体のバッテリーをホットスワップできる。
The underneath of the MAVO Edge features a UPS interface, which allows battery hot swapping. Image: Kinefinity.
接続性
MAVO EdgeにはギガビットイーサネットRJ45機能、WIFI5ワイヤレスネットワーク機能、およびタイプC USBソケットが搭載されており、ライブH64ストリームを介してモニター画像や記録された映像をデバイスに伝送できる。
そして非常に興味深いのは、カメラに3軸ジャイロスコープが搭載されていることだ。これにより、位置情報を記録できる。特殊効果での使用などの場合、非常に有用な機能だろう。Bluetooth 5.0でワイヤレスコントロールすることもできる。
まとめ
MAVO Edgeは非常に魅力的なカメラであることが分かる。ケージやその他のアクセサリーを取り付けて初めて使用できるが、電子NDフィルターや柔軟な電源システムなどの機能があり、非常に有用なカメラと言える。
8Kでの記録がどの程度必要とされるかまだ分からないが、高フレームレートでの4K記録は非常に有用だ。フルフレームモードでは、8Kからダウンサンプリングして6Kや4K記録が可能で、こちらの方が実際の使用面では実用的な気がする。
Kinefinity MAVO Edgeの価格は11,999ドルで、出荷日は2020年9月の予定。現在予約も可能だ。