AppleがApp Store 2024の受賞者リストを発表した。Adobe LightroomがMac App of the Yearを受賞した一方で、プロビデオアプリKinoがiPhone App of the Yearを受賞した。
近年、ビデオの人気は爆発的に高まっている。YouTubeはZ世代の間でトップのアプリであり、TikTokは動画ばかりだ。Instagramに写真を追加するだけでも、投稿を音楽付きのビデオモンタージュにするオプションがある。さらに、iPhoneやAndroidスマートフォンには、Kino、Blackmagic Camera、Final Cut Camera、Filmic Proなど、プロレベルのビデオや映画撮影アプリが多数存在する。スマートフォンでの映画制作は、特に大作の続編『28年後』の撮影にiPhoneが使われるなど、人気が高まる一方だ。
Kino プロビデオアプリの特徴
Kinoは、Blackmagic CameraやFilmic Proといった他のモバイル映像制作アプリほどの知名度はないかもしれない。しかし、受賞歴のある写真アプリ「Halide Mark II」を開発したLux Opticsが提供している。
Kinoに見られるプロレベルの機能と直感的なインターフェースは、2024年のiPhoneアプリ・オブ・ザ・イヤー受賞に貢献した。おそらく最大の特徴はInstant Gradeで、Apple LogとSDRで分類されたプロ仕様のカラープリセットだ。これらの中にはフィルムストックをエミュレートしたものもある。Instant Gradeプリセットの開発には、Stu Maschwitz(Prolost)Sandwich Video、Kevin Ong、Sebastiaan de With、Evan Schneider(The LUT Company)らが携わっている。
特徴は以下の通り。
- ISO、シャッタースピード、アングルなどのフルマニュアルコントロールが可能。EV調整、AWB、AEロックによる自動露出も可能。
- ファインダーを下にスワイプして露出をコントロールできる。「スクリーンをタップして露出を調整する」ことはない。
- フォーカスピーキング、オーディオレベル、カラー波形、その他のオンスクリーンモニタリング。
- LUTのインポート。
- 4K LOG ProRes 422、4K HDR HEVC、H.264など、機種によって異なる記録設定。
- インスタントグレードは、フィルムストックをエミュレートしたものなど、いくつかのプロ用カラープリセットを提供する。これらはApple LogまたはSDRでの撮影ごとに整理されている。KinoはiPhoneがサポートしているものだけを表示し、ルックを焼き付けてビデオをエクスポートする。この機能はオンにもオフにもできる。
- AutoMotionは自動的に最適な露出設定を選択し、映画のようなブラーを付加するのに役立つ。これにより、スマートフォンからの鮮明すぎるビデオ画像を調整することができる。Kinoはまた、明るい昼間のような照明状況に応じて、オートモーションを使用できるかどうか(グリーンかグレーか)を表示する。明るすぎる場合は、iPhoneのカメラレンズにNDフィルターをかけてオートモーションを有効にすることができる。
Kinoを最初に開くと、初心者からプロまで、映像制作のレベルを尋ねられる。これは初期設定の助けになる。同社はまた、マニュアルや多くのビデオチュートリアルも提供している。
また、他のプロ用ビデオアプリに慣れているなら、比喩的に言えば、知っていることを忘れるのが賢明かもしれない。Kinoのインターフェイスは少し変わっていて、設定の操作方法をよく考えている。だから、『スクリーンをタップして露出をコントロールする』といったものは存在しない。ファインダーから下に引っ張る。また、録画中にビデオレビューやグレード選択ボタンを無効にするなど、機能をロックすることもできる。これにより、不慮の録画停止を防ぐことができる。
ラックスオプティクスがアップルから賞を受賞したのは今回が初めてではない。2022年のワールドワイドデベロッパーズカンファレンスでは、同社のHalide Mark IIがビジュアルとグラフィック部門でアップルデザイン賞を受賞している。
価格と発売時期
Kinoは9.99ドルという非常に手頃な価格で1回限り購入することができる。また、このアプリはほとんどのiPhoneで動作するが、最新のモデルではその利点をフルに活用できる。詳細はこちら 。