
著名なアダプターメーカーであるKIPONが、新しいレンズを発表した。ラージフォーマットシネレンズだ。新しいKIPON CINESPEED65(65mm)F1.4レンズは、明るい標準レンズだ。フルフレーム換算では、このレンズはおよそ52mm F1.1相当となる。動画撮影におけるクロップを考慮すると、比較的狭い標準焦点距離となり、映像制作において最も一般的で多用途な画角の1つとなる。今回の発表では、詳細は明らかではないが、発表されている範囲でお伝えする。
シネレンズがフルフレームセンサーサイズ(静止画撮影から派生した規格で、スチールカメラで使用される135mmフィルムに関連する)へと飛躍したのはつい最近のことだが、より大きなセンサーを搭載したカメラが普及の兆しを見せており、KIPONはそれに対応した。ラージフォーマットシネカメラは理論的には可能だが、その価格設定から、入手は難しい。しかし、このギャップは最近、富士フイルムによって埋められた。同社はハイブリッド市場への参入は遅かったが、ハイブリッドラージフォーマットセグメントの開拓者となった。
希少な品種
専用マウントまたはPLアダプターを介してGFXボディに装着できるレンズはいくつかあるが、センサー全体をカバーするものはほとんどない。選択肢のひとつとして、NiSi ATHENA PRIMEシリーズがあるが、公式に発表されているイメージサークルは46mmで、GFXの44x33mmのセンサー対角線よりもわずかに短い。そこで登場するのが、KIPON CINESPEED65だ。ただし、映像やイメージサークルの数値はまだ確認していない。このレンズがセンサー全体をカバーすることは間違いないと思われるが、手ぶれ補正の動きに多少の余裕を持たせられることを期待している。
構造と操作性
KIPON CINESPEED65は、一般的にシネマプライムレンズで採用されている伝統的なデュアルリングコントロール方式を採用している。前部には幅広のギア付きフォーカスリングがあり、後部にはそれより細い絞り/開口リングがある。我々が入手した画像から、絞り機構は非線形であることが示唆されており、開口範囲が広い場合はストロークが長く、狭い設定の場合はストロークが短い。このレンズは、前3分の1に三脚座を備えているようで、このサイズ以上のシネレンズではよく見られる特徴だ。

初心者向けではない
KIPONはレンズメーカーとしてはあまり知られていないかもしれないが、光学設計と製造に関しては精通している。アダプターのトップメーカーの1つとして、同社は、焦点距離短縮レンズ(スピードブースターとも呼ばれる)や1.26倍エクステンダーなど、光学アダプターの幅広いラインナップを提供しており、それらを使用すればフルフレームレンズをGFXセンサーに装着することができる。
価格と発売時期
前述の通り、KIPON CINESPEED65についてはほとんど詳細が明らかになっていない。機械制御のF1.4 65mmというかなり大型のレンズであるということ以外、あまり知られていない。価格や発売時期についても同様だ。