
KipperTieはYouTubeチャンネルのライブストリームで、新しい電子NDフィルター、LCminiNDを発表した。キヤノンのRFからEFアダプターのドロップインフィルタースロットや、このタイプのドロップインフィルタースロットを使用するアダプターに対応する。この新製品は、ドロップインスロット用の従来の可変NDフィルター(キヤノンのRF-EFアダプター用のソリューションなど)の欠点を解消し、既存の機器との互換性を維持することを目的としている。
LCminiNDは、スウェーデンのLC-Tecの技術を活用し、精密な制御が可能な電子NDフィルターを実現している。このフィルターは、ND範囲が0.6から2.1ストップで、内蔵バッテリーを1回充電すると約24時間使用できる。

KipperTie LCminiNDでの電子NDの制御
以下の方法でフィルターを制御できる。
- デバイスのボタンで、1/3段刻みで調整可能
- 微調整モードで、「極めて小さく、繰り返し可能な調整」が可能
- Bluetooth接続と専用アプリによるリモートコントロール機能およびインターフェースのロック機能
フィルターは、耐久性を考慮して陽極酸化処理された航空機グレードのアルミニウムをCNC加工して作られている。 コントロールホイールにはボールベアリング機構が採用されており、スムーズな操作が可能だ。


下は、来週予約販売が開始される新製品についてのKipperTieのライブストリーム。
LC-Tecの可変NDと拡散技術を応用した製品
CineDはLC-Tecの革新的な技術を早くから認識しており、過去に何度かインタビューを行っている。4×5.65″ EVNDフィルターのコンセプトを初めて披露したのはIBC 2023だった。我々は同社にCineD Best-of-Show Awards(次回のCineD Best-of-Show Awards for NAB 2025の登録は現在メーカー向けに受付中!)を授与した。そして、わずか半年前のIBC 2024では、Metabones EF-E CINE eND Smart Adapterと、同様の原理で動作する可変拡散フィルターシステムのコンセプトを初めて公開した。(ビデオは、こちら)
LC-Tecの可変ND技術が、Metabones以外のさらなるアダプターメーカーによって採用されるようになったことは素晴らしい。今回はKipperTieの製品で、よく考えられている。

LCminiNDの色精度とキャリブレーション
KipperTieによると、LCminiNDの大きな利点のひとつは色精度だ。色ずれが大きい可変NDフィルターとは異なり、LCminiNDは全範囲で一貫した色を維持する。
このフィルターは、透明フィルターと比較するとわずかにマゼンタ方向にシフトするが、これは、REDカメラのティント設定で「マイナス9」に相当する。しかし、このシフトはカメラ内またはポストプロダクションでのホワイトバランス設定で簡単に修正できる。
LCminiNDは製造段階で個別にキャリブレーションされている。LC-Tecは各ガラスを特性化し、さらにKipperTieはカメラでテストして正確な値を確保することで、このキャリブレーションをさらに改善している。
フィルターは液晶ベースの技術の一部として偏光を使用しているが、同社は可変NDフィルターで一般的に見られる問題のクロスパターンアーチファクトは発生しないと述べている。 撮影画面を90度回転させた際に、ごくわずかな色ずれが起こるのが最も顕著な影響だ。

ソニーの電子可変ND技術は、同社のFX6、FX9、BURANOカメラにも採用されているが、これも偏光に基づいていると言ってよいだろう。しかし、それらのカメラの「ヘビーユーザー」である私自身、撮影中に望ましくない偏光効果に遭遇したことは一度もない。
価格と発売時期
LCminiNDは来週より予約受付を開始し、価格は約700ドル台後半となる予定。ハードプラスチックケースとUSB充電ケーブルが付属する。
今後の開発:モーター駆動のクリアフィルター/電子VND切り替えマウント
KipperTieは、同じLC-Tec電子ND技術を組み込んだリボルバー式カートリッジの試作品も公開した。このカートリッジは既存のRED DSMC2カメラと互換性があり、クリアフィルターと電子NDの切り替えは電動または手動で行う。この製品はまだ開発中であり、ハードウェアの追加により、価格はLCminiNDよりも高くなる見込みだ。
