ほぼ4年の開発期間を経て、いよいよマルチセンサー、マルチレンズカメラLight L16が出荷されることになった。このカメラは、後処理で焦点と被写界深度を変更できる画期的なカメラとして話題になっている。
このカメラは2015年に発表され、当サイトでも紹介したが、まもなく発売と言う発表を聞くのに2017年4月まで待たなければならなかった。同社は7月14日に、プレオーダーの顧客に出荷し始めたことを発表した。
Light L16とは?
Light L16は、28mm、70mm、150mmの焦点距離を持つ16個のセンサーとレンズを搭載したスマートフォンのような形状のコンパクトなカメラだ。このような薄いボディに長めの焦点距離を搭載するために、同社はチルトするミラーで独自のカメラモジュールを開発する必要があった。 Light L16は、複数の映像から52メガピクセルの映像を作成し、自動的にすべての画像をつなぎ合わせることができる。
L16は、各カメラモジュールに異なる露光量を割り当てることができ、ダイナミックレンジと低照度特性を向上させるだけでなく、写真撮影後に被写界深度やフォーカスを変更することも可能。これは同社が開発したWindowsとMacの編集アプリケーション上で可能となっているが、L16自体はAndroid上で動作する。
Light L16のビデオ機能
Light L16のビデオ機能についてはまだあまり情報が無い。ただ、今後のソフトウェアアップデートで、28mm、70mm、150mmのいずれかのセンサーを使用して最大4Kの映像を記録できるようだ。
L16は主に写真用に設計されているため、ビデオに関してはおそらくあまり革命的ではないだろう。たとえば、ステッチングアルゴリズムをビデオ映像にも使用できれば、これは本当に革新的なカメラになるだろう。しかし、そのためには高い処理能力が要求される。なお、L16のスペックページのVideo欄には「coming soon」というメッセージが表示されているので、近い将来、ビデオ機能に関するより正確な情報が明らかになると思われる。
主な仕様
- 大きさ: 165mm×84.5mm×24.05mm
- 重量:約435g
- シャーシ:アルミダイキャスト合金
- グリップ:滑り止めグリップ
- スクリーン:5 “FHDタッチスクリーン
- レンズ:16個 – 5x28mm f / 2.0、5x70mm f / 2.0、6x150mm f / 2.4(焦点距離は35mm換算)
- センサー:16個の13メガピクセルセンサー
- 最小焦点:28mmで10cm、70mmで40cm、150mmで1m
- ストレージ:256GB
- 有効画素数:最大52メガピクセル
- 出力ファイルの種類:JPEG、DNG
- ISO感度:ISO100-3200
- シャッタースピード:1/8000〜15秒
- フォーカス:タップ、またはハーフシャッター
- セルフタイマー:3,5,10,20秒
- 露出モード:自動、手動
- チップセット:Qualcomm Snapdragon 820 + Light ASIC
- オペレーティングシステム:Android
- セキュリティ:フルディスク暗号化
- 接続性:GPS、Wi-Fi、Bluetooth
- バッテリー:3900 mAhリチウムイオンポリマー
- フラッシュ:デュアルトーンLED(同期ポート/シューなし)
- 三脚マウント:標準1/4 “-20tpi
- USB 3.0 SuperSpeed(タイプCコネクター)
- ビデオ(近日対応予定):フルフレーム相当の28mm、70mm、または150mmの4Kビデオ
ウェブサイトによると、同社は現在の予約注文すべてを出荷するまで、2017年後半出荷予定の新しい注文を受け付けないとしている。最初の予約注文価格は1.299ドルだったが、最終価格は1.699ドルに変更される予定だ。出荷時期と価格に関する最新の情報は、同社のホームページで見ることができる。
同社の技術革新は注目するに値する。既にLightの70mmと150mmのカメラモジュールや他の技術に興味を持っているスマートフォンメーカーがある。第一世代のL16が成功し、これを発展させた第二世代のL16で、マルチセンサーのビデオ機能が搭載されることを期待したい。