Litra Studio はRGBWWモード、ジェル、エフェクト、防水アルミニウム構造など、さまざまなプロ仕様の機能を持つ。今回は、このライトが映画撮影にも使えるか、検証してみた。
cinema5Dでは2018年にLitra Proについてレポートしているが、これまでLitraのTorch 2.0、Pro、Studioのいずれも使用する機会が無かった。これらのライトは、出力が大きいにもかかわらず小さすぎ、アドベンチャーなどには適していなかった。しかし、より大きいLitra Studioが発売され、使用する機会があった。
- RGBWWで、オンボードゲルを含み、小型ながら大きな出力を持つ。
- 高品質の光質。
- 近日公開予定の映画(スリラー)で、水中撮影を行ったが、LitraはStudioが最大30フィート(約9m)の深度でも使用できるとしている。
Litra Studioは649.95ドルのライトで、そのサイズ(小さなペーパーバックの本の大きさ)にも関わらず、高いCRI(97)を誇る。また、金属製のため堅牢性も確保されており、レンタルハウスでも導入できるだろう。
Litra StudioはフルRGBWW、CCT、HSI、Gel、およびFXモードを持ち、プロのビデオ制作にも対応できる。従来よりProやTorch といったLitraの製品は、写真やビデオ撮影に対応していたが、 Litra Studioは更なる制作現場に対応できるようになっている。
一般的に照明にはモバイル性、高CRI 、高出力、長いバッテリー持続時間が求められるが、これに適合するライトは多くない。ライトにより特徴が異なり、Skypanel S60から2×1 Gemini、Astera Titan Tubes、LEDGo AltaTubes、および Digital Sputnik Voyagersなどがあり、これらはHeath Gresham 氏や Madeline Kate Kann監督が好んで使っている。これらのライトは堅牢なRGBライトで、それぞれ目的が異なっている。
撮影では、Litra Studioを使用する前に、プールで簡単なテストを行い、水中での使用法確認を行った。水中シーンを撮影するのにLitra Studioは最適だったと言える。
コントロール
Litra Studioには優れたインターフェースがあり、OLEDディスプレイで簡単に設定できる。さまざまなゲルの選択肢があるが、ナトリウム灯の効果が追加されることを期待したい。 RGBWWおよびHSIモードでは、リアダイヤルを使用して色の選択を調整できる。緑色の強弱をコントロールでき、必要に応じて他のライトと厳密に一致させることができる。対象の色に合わせ、「P」ボタンを選択し、10個のプリセットのいずれかに保存すると、必要に応じて後でそれらを再現することができる。これは、シーンからシーンへの連続性を保つのに非常に役立つ。
無料のLitraアプリをダウンロードし、iOSやAndroidデバイスからBluetoothを介してライトを制御することもできる。このアプリは優れもので、Studioの電源を入れるとすぐに接続され、「ダンスクラブ」から「テレビ」や「パパラッチ」など15種類のエフェクトを、メニューから選択できる。筆者の知る限り、このアプリは、最も優れた照明器具のアプリの1つだ。
この映画でどれだけ使えるかはまだ未知数だが、ユニークなユースケースも紹介しておきたい。
出力
Studioのサイズを考えると、1%〜100%の調光機能は素晴らしい。さらに、照明を「オーバードライブ」モードにすると、約20パーセント強力な光が得られる。ただし、この場合はバッテリーの持続時間が犠牲になる。
ライトには以下の付属品が同梱されている。
- ベースの1/4 20ネジ山に接続するハンドル
- シリコンデフューザー
- USB C充電ケーブル
- セミリジッドトラベルケース(写真なし)
また、光を柔らかくするプラスチック製のソフトボックスアクセサリーを使用する機会もあった。 Litraはモディファイアパッケージとハニカムグリッドも販売しており、必要に応じて50度のビームを調整できる。 Litra Studioを使用する場合は、少なくとも、ハニカムやプラスチック製のデフューザーを使用することをお勧めする。
光量
付属のUSB充電ケーブルを使用中も、充電しながらライトを使用できるのは嬉しい機能だ。これはバッテリー式のモバイルライトでは珍しい。出力が100%の場合、バッテリーは約2時間持つ。バッテリーが残り10%になると、しばらくして消えてしまう。内部バッテリーは経年劣化するが、内部バッテリーをユーザーが交換することができる。これは素晴らしい仕様だ。
なお、水中での使用に関しては、USB充電ポートを必ず密封しないと水が内部に侵入してしまう。
Litra Studioの機能
- CCT、HSI、RGBWW、ゲル、およびエフェクトモード
- 50°のビーム角
- 97 TLCI / CRI
- アルミニウムの筐体
- 2000K – 10,000Kで調整可能な色温度
まとめ
実は、最初はLitra Studioを過小評価していた。しかし、使用してみると、そのモバイル性と堅牢な作りは、一流の光質とさまざまな色のオプションも含め、信頼するに値するものだった。このライトは、プロの制作現場でも十分使用に耐えるものだ。
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