広告

LUMIX GH6インタビュー :パナソニック山根氏に聞く

パナソニックのマイクロフォーサーズ最新フラッグシップ機「LUMIX GH6」の発売に合わせ、パナソニックイメージングビジネスユニットディレクター山根洋介氏にお話を伺う機会を得た。

パナソニックLUMIX GH6についてのニュース記事、レビュー、およびラボテストの記事も参照いただきたい。

簡単に言うと、新しいLUMIX GH6はGH5 IIの直接の後継機だが、内部は全く異なっており、全く新しいセンサーに新しいエンジンと画像パイプラインが装備されている。

さらに、GH6はアクティブ冷却システムと、パナソニック初となるCFexpress Type Bカードのサポートを特徴としている。これらにより、5.7K60、内部ProRes記録、最大300フレーム/秒のスローモーションなどの卓越した機能を実現している。

LUMIX GH6
Image credit: Panasonic

山根氏へのインタビュー

まずは、この新型カメラの市場投入が遅れたことについて。もともとパナソニックは2020年末の発売を想定していたが、そうはならなかった。遅れた理由は2つあり、1)チップ不足が続いていることに加え、2)クリエイターや映像制作者から、さまざまな機能を求める声が圧倒的に多かったことだそうだ。山根さんによると、このように次々と寄せられるフィードバックは、実は最も欲しい機能をピンポイントで絞り込むのに非常に役立ったのだという。

続いて山根氏は、このカメラを実現するために苦労した点を話してくれた。まったく新しく開発したセンサーとプロセッサーを搭載しているため、「こうすれば完成する」というわけにはいかない。このような技術には、当然ながら徹底的な研究開発と、テストと改良の繰り返しが必要となる。

LUMIX GH6
LUMIX GH6 and its legacy. Image credit: CineD

GH5 IIの後継機というだけでなく、ダイナミクスとスピードの面でミラーレスフルフレームカメラの対抗馬を作ることが目的だった。また、これらのテクノロジーは内部でかなりの熱を発生させるため、それに対応する放熱システムも実装する必要があった。新しいセンサーとプロセッサーだけでなく、新しく導入されたタイプBのCFexpressカードも熱の蓄積の原因となっている。

LUMIX GH6での改善点

山根氏によると、新しいLUMIX GH6は、スペック以上のものであるとのことだ。より自然で、より立体的な映像が撮れるようになった。それは、新開発の映像エンジンとパイプラインによるものだ。GH6はその伝統を脱してはいないが、より有機的な表情を生み出しているようだ。どのスペックシートにも書かれていない特徴だ。このカメラの映像がポストプロダクションでどのように感じられるかは、私たち自身の目で確かめるしかない。しかしこのカメラは、純粋な技術的スペック以上に期待できそうだ。

LUMIX GH6
Image credit: CineD

実際、山根氏はGH6を開発した目的のひとつに、「編集ゼロ」の映像を作れるようにすることを挙げている。しかしもちろん、RAWではなくProResで内部記録することで、出来上がった映像に思い通りに手を加えることができるという自由も与えられている。ProRes RAWは、Atomosのレコーダーで外部記録する予定だ。

オートフォーカス

LUMIX GH6は、静止画の撮影には適しているが、動画ではあまり評判の良くないコントラストベースのオートフォーカスに依存している。しかし、パナソニックは、位相差AFのような動画に適した技術ではなく、従来のアプローチを採用した。しかし、同社は既存の技術を改善し、カメラが何に焦点を合わせるかを教える巧妙なアルゴリズムを多く実装することに尽力した。

LUMIX GH6
Image credit: CineD

山根氏は、「もちろん他の技術もおろそかにしているわけではないのですが、この機種に関しては、既存の技術を使いながら、さらに向上させるという判断になりました」と話している。

他の特徴

他のパナソニックのカメラと同様に、同社は市場に投入された後もサポートと機能向上に尽力している。LUMIX GH6も例外ではなく、DCI 4K 120p ProRes RAWの外部記録だけでなく、DCI 4Kの内部記録やUSB-C経由で外部SSDを使った動画取り込みが可能になると山根氏は述べている。最後に、4K 120pをHDMIで出力する機能(RAWデータではなく、HDMI映像)も控えている。

SSD recording
SSD recording will be possible with a future firmware update. Image credit: CineD

最後に、GH6の新機能として追加された「ダイナミックレンジブーストモード」について。要するに、ネイティブなISO値を選択できるDual ISOではなく、2つのISO値を組み合わせて同時記録することで、結果的にDRを向上させるというもの。

これは非常に高度な技術であり、歓迎される機能だ。しかし、山根氏によると、Dual-ISOとDR Boostは、互いに置き換えられるものではなく、カメラやワークフローによって補完し合う2つの異なるツールということだ。

Link: パナソニック

Leave a reply

Subscribe
Notify of

Filter:
all
Sort by:
latest
Filter:
all
Sort by:
latest

Take part in the CineD community experience