Lutify.meでカラーグレーディングをシンプルに
Lutify.meはカラーグレーディングツールを開発しているメーカー。今回のインタビューは同社の創設者Goran Ljubuncic氏に、カラーグレーディングをシンプルにする方法について伺った。
カラーグレーディングはResolve、Baselight、Scratch、Mistikaといったツールを使用する場合、かなり深いレベルの技術的理解を必要とする。ハリウッドレベルのカラリストが、他と違うところはこの点だろう。
プロのカラーグレーディングはポストプロダクションにおける最後のフロンティアの1つであり、誰でもできるわけではない。
しかしLutify.meの主な目的は深い知識が無くても、すべてのオペレーターが、カラーグレーディングをより親しみやすく、より速く、より簡単にできるようにすることだ。
LutifyのLUTが異なる点
インタビューで、Goran氏は、Lutify.meのLUTが他のLUTと異なる点を説明している。主な違いは、すべてのLutify LUTが徹底的にテストされていることで、製品として提供される前に商業的に使用されていることだ。
これにより、Lutify Lutは、必要な知識や経験を実際に持たないクリエーターでも使用できる。
そもそもLUTとは?
LUT(Look Up Table)は単なる色変換だ。技術的には、カメラそれぞれの特性で撮影した映像データを、標準化されたカラースペースに変換すること。これらの技術的な知識は、多くのプロフェッショナルの基礎となっている。
しかし変換ツールそのものはそれほど技術的ではなく、単純に入力カラー値を特定のルックを持つ出力値に変換しているだけだ。これをカラーグレーディングという作業に引き上げるには、技術的な変換に、クリエイティブな要素を加えて変換する必要がある。
実際、Goran氏は、技術と創造性は別々に考える方が良いと説明している。たとえば、技術的にソニーのS-Log 3からRec.709に変換した後、クリエイティブなLUTで完成させるのが通常だからだ。
Lutify LUTを使用する
LutifyのLUTは、さまざまなカメラやフォーマットで適切に機能するように作成されている。これらは、美しい映画のようなルックを持っている。Goran氏は何が良いLUTかを説明している。
- 良いLUTはイメージを壊さない。汎用のLUTと比較して、各ショットに対応するLUTは大きな違いがある。すべてのLUTが同じではない。
- 良いLUTは破壊的ではなく、暗部をつぶしたり、色域を外れるようなことはない。
- 良いLUTは、様々な照明条件で撮影されたショットに対応できる。
- 良いLUTはハイライトを飛ばさない。
- 良いLUTは黒が美しい
Lutify LUTプレビューア
すべてのLutifyサブスクリプションには、クラウドベースのオンラインLUTプレビューアへのアクセス権が付属している。このツールを使用すると、アップロードされたビデオのルートをプレビューできる。 LUTを組み合わせて新しいルックを作成し、新しいLUTとして.cube形式でエクスポートすることもできる。また、さまざまなルックを比較することもできる。
Lutify.meは、ベーシックプランを始めとする3種類のサブスクリプションを選択でき、初年度はたったの29ドルから使用できる。その後の1年ごとに19.99が課金される。スタンダードプランは39ドル、プロフェッショナルプランは59ドルで、12か月後はそれぞれ19.99ドルで更新される。