クリップオンマイク用のコンパクトなワイヤレスオーディオレコーダー、Mikme PocketがKickstarterに登録された。このワイヤレスオーディオレコーダーは、スタンドアローンのレコーダーとして使えるが、自動的にiPhoneとワイヤレスで接続することができる。Mikmeレコーダー自体にフェールセーフコピーの記録があり、同時にオーディオがiPhoneに記録される。 スマートフォンにMikmeアプリをインストールすることにより、44.1kHz、24bitの高品質オーディオの録音が可能になる。また複数のMikme Pocketを1台のスマートフォンに接続することも可能。 16GBの内蔵メモリーを持ち、良質な録音ができる。
読者の多くは、ビデオに優れた音声加えることがいかに重要であるかを認識しておられると思う。オーディオは物語を伝える重要な要素で、それを高品質にすることは非常に重要だ。そのための高品質のレコーダーなしでは、それは容易ではない。
Mikmeはオーストリアの会社で、オーディオレコーダーの設計を専門としている。同社はAKGの元製品マネージャーのPhilipp Sonnleitner氏によって、オーストリアのウィーンで2014年に設立された。 2015年に同社最初のオーディオレコーダー、Mikmeを発売した。最初のMikmeはIndiegogoの資金調達に成功した。詳細については、こちらの記事(英語)をご覧いただきたい。
今回Mikmeは新製品Mikme Pocketをクラウドファンディングに登録しオーディオレコーダーのKickstarterキャンペーンを開始した。
スマートフォンを使ったオーディオレコーダー
Mikme Pocketは、特にモバイルコンテンツのビデオクリエーター、即ちスマートフォンを使用してビデオを録画するユーザーを対象にしている。記録する場合、Mikme Pocketからのオーディオは自動的に映像と同期する。後処理は必要ない。スマートフォンとの接続が途切れても、接続が戻ったとき、自動で同期する。スマートフォンでライブストリーミングする場合でも、オーディオはMikme Pocketからリアルタイムで送信される。
理想的な録音には、Mikme Appを使用する必要がある。このアプリは現在iOSにのみ対応しているが、Android版は今年後半にリリースされる予定。 44.1kHz、24bitの高音質オーディオワイヤレス録音をサポートしている。 16GBの内部フェールセーフコピーで、ドロップアウトは無い。複数のMikme Pocketを1台のスマートフォンに接続できるので、多くの参加者でのインタビュー記録も問題なくこなせる。 Mikme Pocketはサードパーティ製のカメラアプリにも対応している。ただし、16bitで16kHzの標準的なbluetoothオーディオ品質となる。
Mikmeアプリはライブストリーミングをサポートし、フレームレート、解像度、フォーカス、露出がカスタム設定できる。アプリ内で、オーディオファイルをミックス、編集、またはエフェクトを追加することも可能だ。高品質のオーディオを追加したビデオ作品は即座に公開することができる。
様々なカメラに対応
Mikme Pocketは独立したオーディオレコーダーとしても使用でき、あらゆるカメラからの映像に高品質のサウンドを追加できる。16GBの内部メモリーを搭載しており、最大36時間の非圧縮WAVオーディオ(24ビットで最大96kHz)、または圧縮M4Aフォーマットで最大370時間のオーディオを記録できる。
iPhoneを使用している場合、複数のMikme Pocketでの録音中にワイヤレスでRec On/Offしたり、オーディオを監視することができる。また、Mikmeの録音ボタンを押すと、iPhoneでの録音を開始する。オーディオファイルは内部メモリーに保存され、Mikme PocketのUSBポートまたはスマートフォンを介して直接パソコンに転送し編集できる。
Mikme Pocketは、ミニXLRコネクターで付属のマイクを本体に接続できる。
主な仕様
- 外部オーディオソース用のミニXLRコネクター
- プロ仕様のクリップオン/ラベリアマイクロホンが付属
- オーディオ周波数帯域幅:25〜22000 Hz
- マイクゲイン:0〜-30 dB
- 内部メモリー:16 GB
- m4aまたはwavで録音、最大370時間/m4a、34時間/wav
- サンプリング周波数:44.1、48、96kHz
- サンプリング:24ビット
- プロセッサー:2×168 MHz Cortex M4
- 920 mAhの充電式Li-Poバッテリーで最大3時間の録音、スタンバイ時間は6ヶ月以上
- Bluetooth 2.1 Mikme WirelessLink:特許取得済みのパケットロスと同期検出による即時の安全な音声伝送= Mikme Appによるスマートフォンのストリーミングサービス(スマートフォンでは受信機不要)、44.1kHzの音声帯域幅、ドロップアウトなし、自動遅延補正、iOSとAndroidに対応。
- Bluetooth HFP(ハンズフリープロファイル):サードパーティのオーディオ/ビデオアプリ(スマートフォンに受信機は不要)、16kHzのオーディオ帯域幅で動作し、ドロップアウトが発生する可能性がある。遅延補正は不要。
- コネクター:Micro USB、3.5 mmミニジャック
- マイクロフォンカプセルオーディオ信号のモニター時遅延なし
- DSLRまたはミキサーへのヘッドフォンおよびステレオオーディオモニタリング出力
- マイクスタンド用3/8インチネジ、DSLR三脚とマイクスタンド用1/4インチネジ
- 外形寸法:68 mm×75 mm×24 mm
- 重量:108 g
- アップルMFi認定
- オーストリアでデザイン、ドイツ製
Mikme PocketはKickstarterキャンペーンサイトで入手可能。価格は279ドル。開発終わるとすぐに生産が開始される予定。 Kickstarter支援者への配送は2019年12月に予定されている。
もちろん、Tascam、Zoom、またはSennheiserなどのコンパクトオーディオレコーダーもすでに市場に出回っているが、それぞれ長短がある。 Mikme Pocketのプリプロダクションモデルを2か月間さまざまな撮影でテストしたが、非常に信頼性が高く、音質も良好だった。
なお、クラウドファンディングでプロジェクトを支援する際のリスクにはご注意いただきたい。Kickstarterの利用規約、特にセクション5「ファンディングのしくみ」は目を通していただきたい。大幅な遅れが生じたり、中には発売が中止されるものもある。